俺は元の世界が見渡せる展望台に来ていた。
本当は気晴らしだけに来てたんだけど、
パッと目に入った人に見覚えがあった。
目を凝らしてよく見てみると
腕に赤い炎に包まれている龍を描いたタトゥーが見えた。
その瞬間激しい頭痛と共に記憶が蘇ってきた。
それは自分の親だった。
その瞬間自分が人殺しの息子だと言うことを悟った。
俺が人殺しの息子だと知ったらマナはどう思うかな。
怖いって思うよね。
そうしたら今まで一緒に過ごしてた時間がこれからは無くなるのかな。
マナがくるのが見えた。
その瞬間泣きたくなかったのに涙が溢れてきた。
マナが自分の視界に入ってきた時に。
マナの事を思えば思うほど涙が溢れてくる。
リク
あぁ…俺はマナの事が好きなんだ。
リク
…
リク
グスッ…
マナ
どうしたの?
やっぱり…
マナには正直に言おう。
リク
か…
リク
家族が見つかった…
マナ
え!?本当に…?
リク
間違いない…あのタトゥーを見た記憶があるんだ…
マナ
タトゥーの人って事は…
マナ
…
リク
うん。刑務所にいる人だよ…
リク
俺は…人殺しの息子だったんだ…
マナ
…
あぁ…言っちゃった。
リク
怖いよね…俺の事…
マナ
ち…がぅ…。
リク
ごめん。
もうマナの前にいられない。
マナを怖がらせたくない。
マナ
待って!リク!
マナのとめる声が聞こえて一瞬迷った。
だけどこの後どんな関係になるかは分かっていたから、ぎこちなくなって離れていくよりも、自分から離れていく方がマシだと思いマナの顔を見ずにその場を去った。