貴方にバレンタイン (ハウレス 主様)

～デビルズパレス～

欠伸をしながら主様が起きてくる

またいつものように主様に微笑み挨拶をする

俺の顔を見てなにか思い出したのだろうか？

主様がハッとした顔で

そう言うがお構いなしに主様は質問を続ける

主様は安心した様子でホッと息を吐く

俺が起こしに行っていたら主様はどんな反応をしただろう

喜んで、いや安心してくれるだろうか

何故主様はそんな質問をされたのだろうか

そんな事を考えてしまうあたり、俺も執事としてなっていないだろう

そう頷き、主様は食堂に向かう

何処かモヤモヤした気持ちになりながら1日がスタートした

～主様の自室～

朝食を食べ終わり自分の部屋でメモを手に取る

〜美味しく作れるバナナマフィンの作り方～

寝る時にベッドの近くに置いてしまったから気づかれると思ったけど…

謎の安心感を覚えそのメモをポケットにしまう

頷きそのままキッチンへ向かった

その後なんとか終わり (作る工程すっ飛ばしてごめん)

美味しそうなバナナマフィンを眺め満足気に頷くとそれをラッピングする

悩みながらも思わず顔がほころぶ

誰かの為に何かをする事は楽しいのだが

ハウレスの事を考えている時は思わず顔がにやけてしまうのだ

綺麗はラッピングで包んだバナナマフィンを手に取りながめる

案外上手くできたんじゃないかな…まぁ問題は味だけど

今なら渡せるかも！

高鳴る鼓動に冷や汗をかきながらハウレスのいる所へ向かって行った

3時の時計を見ながらそんな事を考える

確か今日はお茶会を開こうと色々準備していたな、俺も行ってみようか

そう思い部屋の扉を開けた次の瞬間

ドシンッ！！

と効果音がつきそうな音と共に尻もちをついた主様が俺を見ていた

慌てて手を引き此方の方へ引き寄せる

あはは…と主様が苦笑し、いそいそと何かを隠す

主様がさらに慌てる

そして何か覚悟を決めたのか俺に綺麗にラッピングされたものを渡してきた

よくよく見ると俺が好きなバナナマフィンが入っていた

喜びが溢れるとと共に割れ物を扱うように丁寧にリボンを触る

主様が力なく笑いさりげなく俺から視線を逸らす

興奮しているのかついそんな事を口走ってしまう

主様はそんな俺を見て嬉しそうに

と今までに見せたことのない笑みを浮かべ俺に視線を合わせる

バレンタインとは時間が遅れてしまったけれど

とても幸せな一時だった

～おまけだよん～

チラッ…

その後ハウレスと主様を除くメンバーでお茶会が開催された