会社の外に出て
寒空を二人で歩く
江名子
ねえ
江名子
周り酔っぱらいのサラリーマンしかいないんだけど
樹
そうだな
樹
もし絡んできたら…守ってやるよ
江名子
はは~
江名子
そうやって他の子にも言ってるの?
樹
俺は、そんなチャラ男じゃない
樹
あれは…キャラ
江名子
へえー
江名子
まあ素質はあると思うけどね~
樹
今日のお前ってやつは
樹
俺、長年片思いしてる子いるし
江名子
へえー初耳!
江名子
だから彼女作んなかったの
樹
そう
樹
今まで諦めてたんだけどね、やめた
樹
その人にアタックしようと思ってる
江名子
いいじゃん、素敵
江名子
手伝えることあったら言って
樹
うん
江名子
てかさ、この道って…
樹
うん、いつもの店だけど
江名子
(やば…)
(ガラッ)
大将
へーい、いらっしゃい!
江名子
(うう…見たことあるよ…)
大将
江名子ちゃん、今日は彼と一緒かい?
江名子
そ、そんなでは…
樹
やっぱそう見えます?
樹
まあ女友達ですけど
心なしか
妙に近いんだよな…
大将の妻
あらやだ、イケメンさんじゃないのお♡
大将の妻
大紀といい、お兄さんといいおばちゃん幸せ~♡
大将
…僕は?そこに僕はいないのかな?
大将の妻
あなたは別枠
視線を感じるなと思ったら
大紀
…
大紀とバッチリ目が合う
江名子
(ああ…)
江名子
(朝のことあるのに、会いたくなかった//)
大将
お二人、そこにテーブルに座って
江名子
は、はい
大紀
お冷でございます
わ…めっちゃ見られてるよ
表情こわっ…
樹
さっそく生2つで
大紀
失礼ですが、江名子さんは黒霧島のロックでは?
江名子
っえ、そうだけど
江名子
今日は生で…
樹
そうなの
樹
黒霧島めっちゃ強いよね
江名子
そうだね…
気まず…
大紀
…
大紀
お二人のご関係は?
樹
俺ら?
樹
とくに仲がいい友達かな
樹はそういうなり
肩に腕を回してくる
江名子
ちょっと…近い
大紀
…なるほど
それだけいうと
すぐにキッチンに戻ってしまう
樹
…ねえ
樹
あいつと知り合いなの?
江名子
え、なんで
樹
なんか知ってる風だっだし、睨まれた…
江名子
そういう奴だから、気にしないで
樹
…やっぱ知ってるんだ
江名子
…!
江名子
めっちゃ常連だし?
江名子
ちょっとお手洗い行ってくるね
江名子
はあー
江名子
危なかった…樹は勘がいいから
(バタン)
江名子
…!
トイレを出ると
見慣れた影
江名子
大紀!?
大紀
しーー
大紀
こっち
手をがしっと掴まれると
倉庫の部屋に連れてかれる
江名子
ちょっ…何
大紀
あいつのこと好きなの
江名子
いきなり何
江名子
だから…男友達だって
江名子
あんたに関係な…んっ
いきなり
口を塞ぐようなキス
江名子
ちょっと…んん!!
息が出来ないくらい舌が絡んで
熱くて
溶けそうになる
大紀
っは…
合間に彼の色っぽい顔と
嫉妬の炎
江名子
っ…
江名子
はあ…
大紀
そうやって、俺のことでいっぱいになったらいいよ
江名子
…
江名子
…サイテーね
部屋を出て、まっすぐテーブルに 一直線で向かう
自分勝手で私を振り回す
だけど
明らかにアイツで頭がいっぱいで
江名子
(アイツの思うツボじゃん…///)
樹
遅かったな
樹
生来てるよ
江名子
(ゴクゴクゴクゴク)
樹
!?
江名子
ぷはっ!
江名子
今日は飲み明かすぞ、樹
樹
お、おう
樹
あんま無理すんなよ
きっと君に落ちてしまったんだと思う