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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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颯と話さなくなって2ヶ月がすぎた

もうすぐ10月

志願先の大学の志望理由書の提出締切まであと少し

それもあって颯とのことも前よりは気にならなくなっていた

清書した志望理由書を担任に提出して教室へ戻る時のことだった

他のクラスの女子

私、簗崎くんが好きです

簗崎なんて名字は颯しかいない

空き教室を覗くと他のクラスの女の子と二人きりでいる颯を見かけた

こういうことか

今まで気が付かなかっただけでこういうこと前にも何度もあったんだろうな…

簗崎颯(はやて)

…気持ちは嬉しい

簗崎颯(はやて)

でも、ごめん

簗崎颯(はやて)

付き合うことは出来ない

他のクラスの女子

簗崎くん、彼女と別れたんでしょ?

簗崎颯(はやて)

……

簗崎颯(はやて)

まだちゃんと別れてないから

簗崎颯(はやて)

喧嘩中っていうの?

簗崎颯(はやて)

仮に別れたとしても付き合えないよ

簗崎颯(はやて)

すぐには気持ち切り替えられないから

簗崎颯(はやて)

だからごめん

颯はちゃんと断ってた

あんなふうに言われたらもう一度告白しようなんて思えない

はっきりしなかったから私はあんなことになった

そもそも私がはっきりしていればキス事件は起こらなかったはずだ

足音を立てないようにして私はその場を立ち去った

簗崎颯(はやて)

(誰か今、ここにいた気がするんだけど…)

簗崎颯(はやて)

(もしかして永絆?)

簗崎颯(はやて)

(いや、まさかな…)

教室へ戻ってリュックを背負って帰ろうとすると廊下で颯に会った

私はその場からすぐにでもいなくなりたかった

早足で玄関へと急ぐ

簗崎颯(はやて)

永絆、待て

霧島永絆(なずな)

…なに?

簗崎颯(はやて)

話がある

簗崎颯(はやて)

久々に一緒に帰らない?

霧島永絆(なずな)

…私は話したくない

話したら颯との関係が今度こそ本当に終わってしまうと思った

簗崎颯(はやて)

永絆の意思とか関係ない

簗崎颯(はやて)

とりあえず話聞くだけ聞いて

霧島永絆(なずな)

……

帰り道

簗崎颯(はやて)

…なぁ

簗崎颯(はやて)

永絆

霧島永絆(なずな)

……

簗崎颯(はやて)

お前はどうしたい?

霧島永絆(なずな)

…なにを?

簗崎颯(はやて)

俺との関係

簗崎颯(はやて)

さっき見てただろ?

簗崎颯(はやて)

空き教室で俺が告られてるとこ

霧島永絆(なずな)

…だから?

霧島永絆(なずな)

新しい彼女でもなんでも作ればいいじゃん

霧島永絆(なずな)

終わったんでしょ?

霧島永絆(なずな)

私と颯は

簗崎颯(はやて)

…確かに俺はそう言った

簗崎颯(はやて)

あの時ムシャクシャしてて

簗崎颯(はやて)

永絆は本当に俺と終わりでいい?

霧島永絆(なずな)

…颯は?

霧島永絆(なずな)

こんな彼女いらないでしょ?

霧島永絆(なずな)

別の人に抱きしめられてキスされたようなのなんて

簗崎颯(はやて)

…いらないって思ってたらこうやって一緒に帰らないわ

簗崎颯(はやて)

桐島とのことはすげームカつく

簗崎颯(はやて)

未だにムカついてるよ

簗崎颯(はやて)

でも…

簗崎颯(はやて)

永絆のこと嫌いになれない

簗崎颯(はやて)

あの時のこと永絆からちゃんと聞いてないのに俺が一方的に怒ってるだけだなってずっと思ってた

簗崎颯(はやて)

だから聞かせてほしい

簗崎颯(はやて)

あの時、あの場所で何があったのか

私は包み隠さず全部話した

力が強すぎて逃げられなかったということ

キスは逃げる間もなかったこと

霧島永絆(なずな)

…言い訳に聞こえるかもしれないけどこれが事実だよ

霧島永絆(なずな)

信じるか信じないかは颯次第だけど…

簗崎颯(はやて)

やっぱりな

簗崎颯(はやて)

そうだと思った

霧島永絆(なずな)

え?

簗崎颯(はやて)

永絆の意思じゃないことくらい最初から分かってたよ

簗崎颯(はやて)

でも…

簗崎颯(はやて)

自分の彼女が他の男とキスしてるんだもん

簗崎颯(はやて)

そんな現場見せられたら怒りを隠せなかった

霧島永絆(なずな)

颯、ごめんなさい

霧島永絆(なずな)

理由があるにせよ私が全部悪かった

簗崎颯(はやて)

…もういいよ

簗崎颯(はやて)

でも、一つ俺のいうこと聞いて

霧島永絆(なずな)

なに?

簗崎颯(はやて)

今日、俺の家泊まってよ

簗崎颯(はやて)

たくさんキスしたい

簗崎颯(はやて)

たくさん抱きしめたい

簗崎颯(はやて)

桐島とのこと全部忘れさせるくらい

簗崎颯(はやて)

今日、永絆の全部を俺のものにする

簗崎颯(はやて)

いい?

霧島永絆(なずな)

…いいよ

霧島永絆(なずな)

でも、おばあちゃんは…

簗崎颯(はやて)

今日、ばあちゃんいないから

簗崎颯(はやて)

だから思う存分、一緒にいれる

颯に抱きしめられる

私も抱きしめ返した

久々だ、この感じ…

簗崎颯(はやて)

…永絆、痩せたな

霧島永絆(なずな)

…食欲無くなってあれからあまり食べてないもん

簗崎颯(はやて)

意地張って俺も無視し続けてごめん

颯とキスする

その日の夜は──

色々な意味で忘れられない夜になった──

終わり

いいね下さると嬉しいです‪‪♡

このお話しの前の2つは2人の心境を書いてるのでまだ読んでない方はぜひ‪‪☺︎‬

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コメント

1

ユーザー

やばすぎる!!凄すぎる✨

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