禁断の

今日は次の任務の現場である美術館に 下見に来ている

ちなみに、俺ひとりだ

出雲いわく、 「セキュリティシステムとか、警備体制とかみてきて！」 らしい

いやだったらすちも来いよ！？

って言いたくなったが まあ、実際動くのは俺だしいっか…

中に入ると、今回のテーマに沿った美術品がたくさん並んでいる

絵画、骨董品、宝石類、仕掛けものの機械 などなど

どれも普段目にしない珍しいものばかりで、ついつい見入ってしまう

ひとつひとつ丁寧に解説が添えられており、ユーモアある文章で誰でも楽しめるような工夫がされている

その宝石は、ひときわ目立つように部屋の中央に展示されている

薄い桃色のそれは透明かつ小さくはあるが 光を反射して控えめながらもきらきらと輝き、圧倒的な存在感を放っている

そりゃあ、裏事情が絡んできても おかしくないかあ

…やってしまったか、

でもショーケースないのって珍しいな？

興味本位で聞いてみる

警備員の言う通り、この美術館はガチガチに警備が敷かれているようだ

このエリアは特に。

いま見えないだけで、もっと警備員がいてもおかしくないしこの宝石の周囲もなにがあるかわからない

"この名にかけて"