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正樹の記憶
ん？…
ここ…は
病院？
拓海
晴美
正樹
拓海
晴美
5日も眠っていたのよ？
正樹
正樹
正樹
正樹
正樹
拓海
晴美
俺は5日前に
車に跳ねられた…
らしい
目覚めた俺は
記憶喪失になっていた
全部を忘れた訳じゃない
昔の事は覚えているし
断片的な記憶もある
俺は…
ハタチの大学生だ…
正樹
学校に来た…が
正樹
全く分からなかった
拓海
正樹
拓海…こいつは
俺の親友…
…らしい
うっすら覚えている
無口で大人しくて
地味な部類の人間
いつ仲良くなったのかは
全く覚えていない
正樹
拓海
正樹
正樹
拓海
拓海
正樹
拓海
拓海
正樹
お前っ！！
正樹
拓海
さ、帰ろうか…
晴美
正樹
拓海
晴美は俺の幼馴染み
子供の頃から家が近所だ
晴美の事は
しっかり覚えている
彼女は
一緒にいて安心する…
正樹
晴美
走ってきたよ
正樹
晴美
晴美
正樹
正樹
晴美
恥ずかしそうな顔が
可愛い…
正樹
お前の事…
晴美
本当に？
拓海
拓海
拓海
正樹
拓海
じゃあ、またね
何だろう？
嬉しいはずなのに
拓海の笑顔が…
胸に刺さる
苦しい
晴美
晴美
正樹
この涙の意味を
思い出せる日は 来るのだろうか…
拓海の記憶
正樹と仲良くなったのは
サークルの飲み会…
正樹が酔っ払って
俺の家に泊まって
その時の会話が楽しくて…
俺達はすっかり 意気投合した
大学にも一緒に 通学したし
学校帰りの ファミレスも日課
休みの日は
海に行ったり…
俺達はいつも一緒だった
あの日…
お前は言った
『お前が好きだ』
俺は…
『俺も好きだよ』
そう…返事をした
その日の帰り道
信号無視の車に
お前は跳ねられた
…そして
正樹
正樹
拓海
神様は
いじわるだ
正樹
全く分からなかった
拓海
正樹が憎らしい
何で忘れたの？
何で…俺を忘れたの？
正樹
どんな感じだった？
拓海
拓海
拓海
正樹
拓海
冗談だ
何で嫌そうな顔をするの？
何で…何で？
晴美
正樹
拓海
この2人には
以前から嫉妬していた
でも
あの日…
間違いなく
正樹は俺の事を…
晴美
晴美
拓海
は？
何だよ…いきなり
でも、正樹は俺を
正樹
晴美
本当に？
胸が…
苦しい…
身体中から叫び出したい
俺達の真実を
さらけ出したい
でも…
拓海
拓海
拓海
正樹
拓海
じゃあ、またね
俺も
忘れてしまいたい
でも
忘れられるのかな？
あの日の記憶は
美しい形のまま…
『消えてくれ』
そんな事を願いながら
涙を拭いた
fin
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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