俺は人外に愛されます！？

俺は昔 、人間だった

俺は片親の一人息子で

決して裕福っていうわけじゃないけど

それなりに幸せだった

俺も 、普通の子供の

筈“だった”

あの事件が起こったのは満月の夜で

母と散歩をしている時だった

母はずっと俯いて何も言わなかった

そんな母を置いて村の人たちは俺を連れ去ろうとした

俺の村には代々

神の生贄となる儀式がある

俺はその儀式の生贄となったらしい

母は泣きながら謝るばかりで

俺の話なんて聞いてくれなかった

その時俺の中で何かが壊れた気がして

しっかりと意識を持つようになったのは

儀式の前日だった

死への恐怖は不思議と感じなかった

ただ母親に裏切られたという焦燥感と

絶望感が心を蝕んでくばかりで

涙すら 、出なかった

後ろで何かを唱える声を聴きながら

今更来た恐怖をかき消すように心で呟く

15で終わりか

そう思った時

俺は何処かへ飛ばされた

神様と名乗る2人はワイワイしてて

心が安らぐ気がしました

きっと俺は殺される

だって今まで生贄が帰ってきたことはないから

そう確信してたのに

数日経っても俺は生かされたままだった

神様と言う割にはなにも派手なことをしてない

それこそ 、朝少しの間だけの祈りくらいだ

すると2人は目を合わせてニヤリと笑った

始めは此奴ら何言って 、と思いました

だって俺は人間で2人は神様

下にすら立てない差だ

言われた言葉は衝撃過ぎて

時が止まったかと思った

生贄となったとき村の人に何かを飲まされた

聞く話によるとそれは怪異の血だったらしい

俺は 、信じたくなかった

怪異の血液を体に含んだこと

もう人間として村に帰れないことを

受け入れたくなかった

怪異の俺が、村に帰った後なんて簡単に想像出来る

生まれ育った村から追い出されるくらいなら

人間を 、捨ててやる

契約の内容は

俺が🌷さん達の言葉に頷けば成立するらしい

俺の傷は 、癒えたとは言えないけど

少し 、心が軽くなった気がした