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空が苦手な🤖の話。 🤖視点 出演 🤖、📡 ※📡🤖要素あり。
ケイン
空は苦手だ。
その身を投げ出されてしまえば、為す術なく強い衝撃を受け入れるしかない。
ケイン
カバーも出来ずに倒れていく仲間を眺める事しか出来ない。
そればかりか仲間を危険に晒すことだって。
レダー
ケイン
そんな私の頭上から、大きく美しい鳥が現れた。
大型ミッションを無事終わらせ、ランドさんは元気に宝石店へ出かけて行き、会長はお金を握り締めてカジノへ向かった。
この松葉杖さえ無ければ私も花を積みに出かけていたのだけれど、車を運転出来ないのだから仕方がない。
レダー
ヘリの修理から帰ってきた店長が感情の読み取りづらい声色で私の周りをグルグル回る。
恐らく喜んでいるのだと思う。
ケイン
レダー
ケイン
今回の作戦は私が屋上で牽制し、店長のヘリで金持ちを逃がす、とよくやる手法であった。
その結果利確は出来たものの、1人残った私は警察の数に勝てずダウンしてしまったのだ。
しかし護送されようとしていた私を店長がヘリで助けてくれた。
こうして今アジトでゆっくり休めているのも全部彼のおかげ。
レダー
ケイン
レダー
店長の手が伸びてきたかと思えばそっと頭を撫でられた。
ケイン
レダー
ケイン
鏡に映った自分の頭は確かに無数の傷が入っていて、そろそろ研かないととタスクに追加する。
レダー
ケイン
きっと店長は傷だらけの私の身を案じて偶には比較的安全なヘリに乗せようとしてくれているのだろう。
空に居ればそう簡単に撃ち抜かれることはない。
レダー
ケイン
レダー
店長にピックしてもらった時のことを思い出す。
ケイン
ふーん、と興味が有るのか無いのか適当な返事をして意味深気な笑みを浮かべた。
レダー
ケイン
今の話の流れから何故散歩の誘いになったのか。
意味は不明だが特別やる事も無いし良いだろう。
浮遊感に身体が強ばる。
ケイン
レダー
ケイン
半ば無理矢理ヘリに乗せられロスサントスの上空を漂う。
私の話を聞いていなかったのかと問えば何の悪びれもなくガハハと笑った。
レダー
ケイン
レダー
それはだって、そうだろう。
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
レダー
店長は私の言葉にうんうんと頷く。
まったく思考の読めない人だ。
ケイン
レダー
ケイン
空を漂っていたヘリがその場でピタリと止まる。
その動作がまるで店長そのものの様に見えた。
レダー
ケイン
レダー
ケイン
またヘリが動き出した。
一気にスピードを上げたかと思えばビルとビルの間をすり抜け、車にぶつかりそうな程低空を飛ぶ。
ケイン
私の言葉を聞いているのかいないのか、今度は高架橋の狭い隙間を通り雲目掛けて駆け上がる。
シートベルトにしがみつく私とは対照的に店長は優雅にタバコを吸っていた。
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
レダー
何がそんなに面白いのか、今日の店長はよく笑う。
この街で最も高いビルの屋上に着地し漸く一息ついた。
レダー
ケイン
レダー
ケイン
ロボットの癖に情けないとは思う。
けれどやはり、地に足がつかないというのは怖い。
そんな私の緊張を和らげるように、シートベルトを強く握っていた私の手に暖かい手が重なり、折り曲げていた指が解かれる。
レダー
ケイン
レダー
ケイン
互いの指を絡める店長の目は優しくも、奥底に秘めたどす黒い何かを宿し、私のコアを震わせる。
レダー
絡めていた指が腕を登り頬に触れ、そしてまた頭の傷を撫でた。
店長の顔がカメラ一杯に映る。
レダー
ケイン
レダー
ケイン
レダー
先程の散歩を思い出す。
不思議でならなかった。
危なっかしい飛行であったのに、降りたいとは思わなかった自分が。
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
急に店長が羨ましくなった。
それと同時に寂しくもなった。
仲間を逃がすことがヘリの仕事なら、誰が店長を逃がすんだ。
ケイン
レダー
地上で敵を殲滅し、空から仲間を逃がす。
出来るだろうか、私に。
レダー
頭を撫でていた手に引き寄せられ、胸に抱かれた。
店長の音がする。
この命を守りたい。
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ロスサントス1のパイロットに指導して貰えるだなんて、私はロスサントス1幸せなロボットだ。
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
レダー
ケイン
エンジンがかかりプロペラが回る。
でも、もう怖くはない。
END