幹部筆頭補佐

長い静寂の中、部屋に突拍子もなくピピピ……と電子音が鳴り響く

すると、10秒も経たないうちにその音が止み、少女が眠たげに立ち上がる

幹部筆頭補佐の朝は早い。

布団という名の楽園から素早く離れるなんてもう慣れたものだ

まず起きるとすぐ顔を洗い、歯磨きをする

飯？ンなもん食ってる時間あったら睡眠に使うわ

終わったら最低限のメイクをして、服をスーツに着替えてから部屋を出る

憂鬱なのはこれからである。

先程幹部筆頭補佐と名乗ったが、その上司がびっくりするほど朝が弱く、しかも私を嫌っているときた。

朝起きると罵倒から始まり、別れる時も罵倒で終わる。

そろそろメンタルに来そうだが、気付かないふりをしている。 武臣さんに話聞いてもらおうかな

ああ、なんて事だ、標的の部屋の扉が近づいてきている

コンコンコン

感情を表に出さないよう丁寧に3回ドアをノックする

まぁ、当然返事は来ない

しかし安心してほしい。

私の上司はヤクをぶっ決めているので鍵をかけ忘れることが多いため、大抵簡単に忍び込める

ガチャ

……誰に言っているのか。やはり上司が上司だと部下も頭がおかしくなるということか、

早めに受診しておこう

見えるだろうか、あれが上司だ。

そう、あのソファに大胆に寝っ転がってるあいつが上司だ

大方帰ってすぐソファにダイブしてそのまま寝落ちしたのだろう

これから起こしてシャワー浴びさせてその後に飯食わせて……

……やっぱ起こさなくていいかな (訳:クッソだるい)

……

心の底から嫌そうな声と嫌悪の眼差しを向けてくる上司がいる職場があるって本当ですか？

幹部はまだ寝起きなためか、ソファから起き上がるとまだ座ってぼーっとしている

え？千花ちゃん無視されてかわいそう！って？

安心して欲しい(本日2回目)これが日常茶飯事である

幹部筆頭がシャワーへ向かうと、私は配給係から受け取った飯をレンジで温める

この時間が一日で1番安心するとか信じたくない

シャワーと飯が済んだあと、一日のスケジュールを話す

スケジュール表 8:00〜10:00 幹部会 11:00〜 任務 (同行人:灰谷蘭、千花) 13:00〜14:30 首領と会談 19:00〜 任務