雪永 拓海
デート…だと?
佐倉 葵
はい!
佐倉 葵
なんか、雪永先生って話してみると面白いなって思って……
佐倉 葵
もっと知りたいんです。
佐倉 葵
雪永先生のこと、もっと教えてください。
雪永 拓海
ふっ。
雪永 拓海
お前、面白いな。こんなこと言うやつ初めてだ。
先生が笑っている。やっぱりなれない。
雪永 拓海
とにかく…デートをすれば写真は消すんだな?
佐倉 葵
それは、約束ですから!
雪永 拓海
わかった。
雪永 拓海
いつがいいんだ?
佐倉 葵
今週の日曜とかどうですか?
雪永 拓海
ああ、じゃあそれでいい。
雪永 拓海
日曜の11時、駅前広場にこい。
佐倉 葵
はい!
佐倉 葵
楽しみにしてますからね!先生!
雪永 拓海
うるさい。早く帰って寝ろ。
ぶっきらぼうな言葉遣いとは裏腹に先生の口元は緩んでいた。
日曜日 10:50
【駅前広場】
早く着きすぎたかな……先生はまだ居ないようだ。
雪永 拓海
佐倉。
佐倉 葵
せんせっ…!?
先生が突然私の口を抑える。
雪永 拓海
いいか?こんな公衆の面前で先生なんて呼んでたら俺がただのロリコン教師なんだよ…
雪永 拓海
今日だけ、拓海って呼べ。
私の口を抑えたまま、小声で口早にそう告げると、先生はこうつけ加えた。
雪永 拓海
お前だけ名前呼びってのも変だ、俺も今日は葵って呼ぶ。
佐倉 葵
おおお!なんか秘密っぽいですね!せんっ……
佐倉 葵
拓海くん!
雪永 拓海
おまっ……
先生はその場にしゃがみ込んだ。
雪永 拓海
別に君付けじゃなくてもいいだろ…。
佐倉 葵
でも、君付けの方が、親戚ぽくないですか?
雪永 拓海
……
雪永 拓海
ああ、じゃーもうそれでいいよ…
雪永 拓海
行くぞ、葵。
不意な名前呼びに不覚にも胸が跳ねた。
駄目だ、今日は、先生のいろんな姿を見るため……って
先生のいろんな姿を見たい時点で私、先生のこと……?
いや、でも……
雪永 拓海
何してんだ、馬鹿。
先生はなかなか動かない私の手を取って歩き始めた。
手、繋いでる。傍から見たらどう見えるのかな…
兄弟?カップル?
でも、そんなのどうでもいいくらい満ち足りた気持ちになっていた。
佐倉 葵
先生、どこ行くんですか?
雪永 拓海
拓海って言えっての。
雪永 拓海
それは…お楽しみだな。
3話は、♥200いったら公開します!名前呼びし合う2人……そして拓海先生はどこに連れていくの!?