遥斗(はると)
華ちゃん、携帯見せて
彼は私の彼氏、遥斗 温厚で優しい彼は私には勿体無いくらいなのだが・・・ 唯一の悩みと言えば彼の尋常にない束縛
華(はな)
また?別に何も無いよ?
毎日のスマホチェックは当たり前 最近では勝手にGPSアプリまで入れられ・・・私は常に彼の監視下にある
華(はな)
・・・遥斗?
スマホをじっと見つめる彼の表情が段々と険しいものに変わっていくのが分かった
遥斗(はると)
華ちゃん・・・連絡先増えてるね、「綾瀬さん」て誰?
華(はな)
綾瀬さんは会社の同僚の女の子で・・・
遥斗(はると)
消して?
私の言葉を遮って、ムッとした様子の遥斗
華(はな)
消すってなんで?
遥斗(はると)
男も女も関係ないよ・・・なんで僕以外の人間と繋がろうとするの?
遥斗(はると)
僕は華が居れば充分なのに
そう瞼に涙を浮かばせる彼
これはきっと愛ゆえの嫉妬・・・ 私には彼に従う以外選択肢がない
こんな彼だけど・・・愛しているから
華(はな)
・・・分かったよ
遥斗(はると)
ほんと?僕の気持ち分かってくれた?
華(はな)
遥斗の悲しそうな顔は見たくないから
遥斗(はると)
嬉しい・・・華ちゃん
さっきまでの表情とは打って変わって 嬉しそうにパァっと瞳を輝かせる彼を見て私は安堵した
華(はな)
・・・ん
遥斗(はると)
僕が居れば充分だよね?
そう彼が優しく私を抱きしめる お互い目が合うと 惹かれ合うようゆっくり唇を重ね合わせた
僕以外の人間なんて要らない
僕から離れたら許さないよ