『テスト期間』

L×N nmmn 本人様関係ない

時刻は昼の12時

平日

学校があるはずが俺は通わない人

そう、不登校というもの

あと少しでテスト期間に突入してしまうらしい

同級生の大神...？って人が今日家にプリント届けてくれるっぽい

不登校なもんだから同級生の名前、顔すら覚えてない

入学してから1年は通ったけど...比較的軽めな鬱に突入

それから半年は休んでいる

リスカはしないように包帯を巻いてる

でも薬のゴミはベッドの上に散乱中

だって死にたいんだもん

と思っているとベルが鳴る

あ、この人陽キャだ

無理怖い

きつい無理やばい

逃げ出したすぎる

怯えながら小さく首を縦に振る

...もう遅いから

もういいの

諦めたからなんにも言わないで

何も知らないくせに

明日もこの人来るの...ちょっときつい

久しぶりに学校に来てみた

たまにはいいかな

なんて思ってる自分がいたから

保健室の先生は休職してるみたいだしなんだか気楽だな

鬱からも抜け出せそうだし

ないく...え、俺？

さっきの言葉をかき消すように上書きをする

この人よくかっこいいこと言ってるけどなんなんだ...？

おかしい人

俺のこと気になるのか

不登校だから少しは気になるよな

ちょっと変わった人だけど

優しい

関わってもいい人だな

大神りうら

教室に戻った途端

冷たい視線を浴びる

この視線が大嫌いだ

昔の母の視線と一緒

冷たくて、もう興味は無くて、ゴミを見るような視線

クラスメイトも俺の嫌いな人と一緒なんだ

じゃあ何を信じればいい？

誰を信じればいい？

昔のことを考えると吐き気と頭痛がしそう

保健室に戻ろう

数分しか教室にいられなかったけど

しょうがないよね

昔...本当に怖かったな

俺の嫌いな人からの視線と暴力

昔は大好きだった人からの視線と暴力

いつも優しくて大好きな母がそんなこと言ってショックだった

数日前から少し怖くなっていたのは気づいていた

でも急に変わったすごく怖くなった

昨日とは別人のように

限界が来たんだろう

この時の俺は何も知らずにただ怖かった

母は会社のトラブルでクビになったり

それと俺の育児でストレスも溜まって

父は家出して父との家族関係は自然消滅

その瞬間母はナイフを俺の方に向けた

本当に怖くて怖くて

なんで大好きな母がこんなことなったんだろうって考えて

俺が悪いのに考えちゃって

たしかナイフを突き刺されかけたが擦れ傷ですんだ

俺が避けたんだろう

このあと俺は児童養護施設に行き幸せだった

友達もできて学校にもまともに通えたはずだったのに

今ではなんか...あれ

なんで俺、学校通わなくなったっけ

なんで通わなくなってこんなことなってるのか分かんなくなって

罪悪感で冷や汗がいっぱいでる

最初は鬱じゃなかった

なかったのに休んだ

考えるのも苦手

考えるのや~めた

こんなに会うのは不自然な気もする

でも...どうでもいいや

俺は少し呆れたように言う

昨日会った頃とは別人のように爽やかな少年

心をすぐに開いてくれたのかな

まぁ...俺も心開いてるかもしれないし

そう言って小指を出すりうら

俺はそれを察して小指を出して絡ませる

りうらの言葉が昔の俺に向けての言葉のように思えてきて心に少しグッときてしまう

ついにテスト期間残り3日

今日は早めに保健室を開けてもらって復習中

そして俺はテストを保健室で受けることになった

テスト開始

担任の先生に見られながらテストを受ける

結構自信あるぞ...

もうできたし

見直し...見直してると不安になるんだよな...

でも完璧

先生に「できた？」って言われ

と答える

りうらは今頃解けているんだろうか...

不安でいっぱいだろうな...

解けているといいけど...

これが今日は3回あった

1日にテストは3時間で3枚

明日もこれが続く

その次の日またりうらは保健室に来た

約束だから

りうらは俺の両手を包むように手を握る

今更思うと顔が整っていてかっこいい

優しいしドジでイケメンなりうら

モテるに決まってるのに

俺と一緒に居てくれるのはなんでなんだろう...

俺にしてはもったいない

優しい...な

もう少しだけ居てほしい

少しそう思う自分が居た

急に振り向いて微笑むりうらがただただ嬉しかった

またもやテストが開始

国語...少し苦手だな

分からないけどりうらと1位目指すって言ったから

絶対に間違えたくない

絶対に

時間ももうあと少ししかない

タイマーが鳴ってしまう

できた！

そう思った瞬間タイマーが鳴る

またまたこれがあと2時間続いた

りうらの得意科目とかよく分かんないけどできてるといいな

テスト期間最終日...

飛ばして飛ばして飛ばしまくって放課後

順位！出てる！

...どこ？

あ...

結果は12位

1位には程遠い順位になってしまった

悲しいけど嬉しい

毎日りうらと勉強してよかった

保健室戻ったらりうらいるよね

戻って報告しよう

...

返事は帰ってこないし静かな保健室

いつもは「ないくん！」と元気に名前を呼んでくれる

ちょっぴり...気になる人

りうらの担任の先生にでも聞いて確かめよう

そうするしかない

まただまた酷い視線を浴びなきゃいけない

他のクラスだから余計に

よく分からない

じゃあなんでずっと俺に構ってくれたの？

毎日保健室に来てくれたの？

本当に無理してたんだ

異変に気づかないくらい

怖いな...

りうらと俺の関係ってなんだろう

考えたことなかったけど

友達ってはっきり言える立場な気がする

優しい笑顔で素敵な人でよかった

そこには疲れ果てた酸素マスクをつけたりうらがいた

考えると少しずつ涙が出てくる

涙をいっぱい出して真っ赤になった目でりうらを見る

だって失敗したのに失敗したのに...

褒めてくれるの初めてだから

心拍数がどんどん酷くなっていくのを今気づいてもっと泣きたくなってしまう

急に告白されてよく分からない感情になるけど

もっと気づいてればもっと幸せだったかなって思ってしまう

大好きな友達

もう今は大好きな彼氏

その半年後に新しい保健の先生が来た

ないくんって呼んでくれて

ポンパドールで

赤髪で

勉強を教えてくれるけど分かんなくて

ドジな人

そして...

ちょっぴり...気になる人