メリークリスマス! attention mrnk iris
黒
待ち合わせ10分前
少し早かったか
ふるふると髪に乗る雪を落とす
黒
マフラーに顔を埋めるが 体感気温は変わらない
暑がりの俺でもさすがにちょっと寒すぎる
右腕にぶら下がった紙袋
彼は喜んでくれるだろうか
黒
キラキラと輝くイルミネーションが
確かにこの夜を照らしていた
青
黒
前方に揺れる青髪
赤くなった頬と鼻に ふんわりと微笑む彼の目元
青
お揃いのマフラーは 何故か彼の方が大人っぽく見える
黒
す、と隣に並べば
あっという間に手は彼のポケットの中
青
ほかほかと暖かい体温に 自然と心まで温まった気がした。
黒
幸せな、クリスマス
青
黒
なんて 行く場所はもう決まっていて
青
それを彼は分かってくれる
だから 俺が少し手を引く方向に合わせて
ゆっくり、嫌がること無く 着いてきてくれる
黒
青
青
黒
来年も、か
彼の自身は 一体何処から来るのやら。
まぁその自身たっぷりな発言に 救われているのも事実である
青
はぁ、とため息を着く彼の久々な愚痴
彼の愚痴は嫌いじゃない
むしろ聞かせて欲しい。 溜め込ませたくないし。
黒
青
仕事の事が大半なその話に
俺も普通に苛立って共感する
青
黒
青
黒
全力で答えれば 彼もまた 全力で話してくれる
そんな時間が 楽しくて、楽しくて。
黒
話も終わって 満足そうに歩く彼に話しかける
青
ずっと右腕にかかっていた紙袋
これの存在を忘れていた
壊れる前に、渡しておかなくては。
黒
青
凄く大切に受け取って
キラキラした目でこちらに問う
青
黒
青
ほんま わかりやすいなぁ
嬉しそうな彼に こちらまで嬉しくなる
青
青
黒
恥ずかしいし。(まじで)
ちょっと躊躇っていたが 手紙をそっとしまう
そして取り出された箱
丁寧に ラッピングを剥がす
青
出てきた中身は
青
シンプルな黒の腕時計
金色のギリシャ数字が少しお洒落。
青
青
大事に、大事に時計を抱きしめ
すっと静かに俺を見つめる
愛おしい、と言わんばかりに。
黒
そんな目で見んなよ
なんて言えないし、言いたくない、けど
なんとなく 恥ずかしくて。
青
嬉しそうに目を細める彼が可愛らしい。
黒
黒
黒
青
ワタワタと下を向いている どうやら上手くいかないようで。
黒
青
カチッ
黒
青
その白い腕にピッタリと付けられた腕時計
幸せそうに 空に掲げる
黒
青
青
本音を零せば 嬉しそうに口角を上げた
黒
嬉しそうなこの笑顔
あと何年 隣で見られるだろう。
青
青
黒
青
青
青
青
青
悪戯っぽく笑う
不意をつかれて 少し 固まってしまった
青
ぎゅぅ、と触れる体温
めいいっぱい抱きしめられる感覚
暖かくて、優しくて、安心する。
黒
大好き。
飛び出しそうな言葉は 喉で止まってしまった
恥ずかしくて
素直に伝えられない自分に嫌になる
青
満足そうに笑って 頬にそっと口付け
黒
耳まで赤くなる感覚に もう慣れてしまった自分がいた
青
黒
ストン、と膝を着く彼に 何事だろうと目を見張る
黒
は、と小さく吐息が漏れてしまった
出てきたのは小さな箱
それをまろは差し出す
青
黒
涙で滲みそうな視界を必死に見つめる
映画のように美しい今を
青
青
青
その瞬間、どうしようも無い感情が 駆け巡った
黒
鼓動が速くなって 鼻がツン、として
青
思いっきり彼に抱き着く
膝を着いているからか、今は自分の方が 背が高くて
黒
黒
青
黒
そんなもの、決まっているのに
黒
青
緊張が解けたような彼の表情
黒
抑えきれない感情を動力に変えて
チュッ
青
彼は驚いたように目を見開いた
でももう
恥ずかしいなんてどうでも良かった
黒
青
彼は立ち上がって、俺の手を取って。
黒
ピッタリのサイズ
キラキラと控えめな幸色を放つリング
黒
この上ない「幸せ」を噛み締めて
心の底から溢れる愛を。
黒
彼に届けと微笑んでみせる
青
初めて見る、彼の表情
幸せそうで、幸せそうで
もう、この顔が見られるなら 何でもいいと
言いたくなるくらい
青
ぽろぽろと零れる涙は 美しく 儚い
黒
もう一度抱きつけば もう一度抱きしめてくれる。
日本ではきっとまだ
同性の結婚は認められないだろう。
それでも。
応援してくれたメンバーだけで
なんならもう
2人だけで。
心だけでの結婚を。
形に出来なくても。 きっとそれより幸せだから。
黒
青
また零れそうな彼の涙を拭って
腕から離れる
黒
青
後ろを向いた、その目線
わぁ、と瞳が輝いて
青
ぱっと光る大きなクリスマスツリー
道を彩る様々な色彩
イルミネーションによく映えていた
黒
黒
黒
照れくさくて笑ってみせる
手を取られたその薬指で
リングがキラリと光っていた
青
黒
何回やんねん、なんて 今回ばかりはつっこめない。
ただ今になって。 冷静になって 恥ずかしさが込み上げてくる
黒
青
青
黒
青
ばか、心臓ばっくばくやし。
黒
黒
青
へらっと歩き出す彼に引かれ 俺も歩き出す
冷たい風も
何だか今は 俺らを歓迎しているようで。
青
黒
少し 申し訳なさそうに
彼は小さく口を開く
青
青
黒
もちろん俺も手伝うよ!と焦ったように 付け加えてくる。 そんな彼が
黒
青
空いている手でガッツポーズを作る
その笑顔は 何にも変え難い
黒
青
黒
家に材料あったかな、と考えながら また歩く。
家への帰り道
だけど今日は
1人じゃない。
青
黒
青
黒
青
嬉しそうに 見えない尻尾を左右に振る
それがまぁ可愛くて。
犬系ってこういう事? いや、彼は猫では…なんて どうでもいい事を考えてしまった
黒
「帰るか。」
青
青
メリークリスマス また来年まで。
コメント
4件
初コメ失礼します! 神作にコメントしないのは失礼な気がしてコメントさせていただきました! 刺さりすぎてやばいですw フォロー失礼します!
めっちゃ噛み締めながら何回も何回も見てたらこんなに経っちゃって〜😭 なんか感動しすぎてリアル泣きでした〜(இдஇ`。)最高〜!!!!!!!!
はぁぁぁぁぁぁ……あまねさま……神作ありがとうございます……あまねさまのおかげでまろにきどハマり中です……ほんとに尊敬します!表現が凄すぎて…魅入られます……最高のクリスマスプレゼントありがとうございますm(*_ _)m