主
開けて頂き
ありがとうございます
ありがとうございます
主
「これは想定外です」
14話になります
14話になります
5:00
夢の部屋
鈴谷夢
もう朝かぁ
鈴谷夢
ん…
鈴谷夢
最近、目をつぶったらすぐ朝になってる気がする…
鈴谷夢
夢を見てないだけかぁ…
鈴谷夢
睡眠導入剤も飲んでないのに…
鈴谷夢
…
鈴谷夢
とりあえず準備しなきゃ
鈴谷夢
お弁当作って貰っちゃってるし…
鈴谷夢
私のママはバドミントン選手だった
鈴谷夢
才能もあって、オリンピック最終選考に残るくらいの人だった
鈴谷夢
最終選考が始まる前に妊娠がわかって引退してしまったけど…
鈴谷夢
その時生まれたのが私と双子の姉の華
鈴谷夢
私達は物心つく前からラケットを握っていた
鈴谷夢
華はママ譲りの才能があった
鈴谷夢
私と違って優秀だった
鈴谷夢
華に1度も勝てたことが無かった
鈴谷夢
それでも華は私を見下したりしなかった
鈴谷夢
優しいお姉ちゃんだった
鈴谷夢
小学二年生の雨の日
鈴谷夢
私は練習帰りに傘を回して遊んでいた
鈴谷夢
騒ぎながら遊んでいたから後ろから来る車に気がつかなかった
鈴谷夢
車に気がついたのはヘッドライトに照らされてから
鈴谷夢
もう死ぬんだと思った
鈴谷夢
でも、私は死ななかった
鈴谷夢
華が私を突き飛ばしてくれたから
鈴谷夢
急いで救急車を呼んだけど華は助からなかった
鈴谷夢
私の代わりに華は死んだ
鈴谷夢
ママはそれまで以上にバドミントンに必死になった
鈴谷夢
「死んだ華の分も夢が」
鈴谷夢
って口癖のようにいつも言っていた
鈴谷夢
私も必死に練習した
鈴谷夢
華を死なせてしまったから
鈴谷夢
華の分も私が全部しなくちゃいけないから
鈴谷夢
でも、私は華に勝てたことがなかった
鈴谷夢
華の代わりになれるわけなかった
鈴谷夢
試合で負けた日はママは何かに取り憑かれたように暴れた
鈴谷夢
その勢いで私を叩くこともあった
鈴谷夢
試合に勝てば前みたいに喜んでくれる
鈴谷夢
試合に勝てば優しいママに戻ってくれる
鈴谷夢
そう信じて練習するしかなかった
鈴谷夢
小学五年生の時
鈴谷夢
パパとママが離婚した
鈴谷夢
パパはもう耐えられなかったらしい
鈴谷夢
私はパパに引き取られた
鈴谷夢
私は今まで以上に練習に打ち込んだ
鈴谷夢
上手くなって大会で優勝すればママが観に来てくれるって信じていたから
鈴谷夢
次の年
鈴谷夢
パパは再婚した
鈴谷夢
ママとは違う、知的で大人しそうな人だった
鈴谷夢
その人はバドミントンを応援してくれた
鈴谷夢
愛情を注いでくれてるのは感じてた
鈴谷夢
でも「ママ」とは呼べなかった
鈴谷夢
私の中で「ママ」は1人しか居ないから
鈴谷夢
代わりに「お母さん」と呼ぶようになった
鈴谷夢
そう呼ぶとその人は泣いてくれた
鈴谷夢
「ありがとう」って言いながら
鈴谷夢
本当に大事に思ってくれてるんだとわかったし、私も嬉しかった
鈴谷夢
それからは距離も近付いて
鈴谷夢
敬語じゃなくても話せるようになった
鈴谷夢
多少は甘えられるようにもなった
鈴谷夢
中学生になり、大きな大会で優勝することも増えた
鈴谷夢
その度に観客席にママを探したけど
鈴谷夢
結局1度も見つけることはできなかった
鈴谷夢
高校生になった
鈴谷夢
部活に入ると虐めが始まった
鈴谷夢
きっかけは「吃(ども)る」からだった
鈴谷夢
虐めは次第にヒートアップしていったけど、私は耐え続けた
鈴谷夢
耐えていればいつか飽きてくれると思っていたから
鈴谷夢
でも、そうはいかなかった
鈴谷夢
切られた靴紐に気づかず膝に大怪我をした
鈴谷夢
もう、選手を続けられなくなった
鈴谷夢
努力しても、耐えても、報われなかった
鈴谷夢
私は華になれなかった
鈴谷夢
その晩、夢を見た
鈴谷夢
ママが夢の中で叫んでいた
鈴谷夢
「お前のせいで華が」
鈴谷夢
「お前が死ねばよかったのに」
鈴谷夢
「何もかも全部お前のせいだ」
鈴谷夢
私の心に重くのしかかった
鈴谷夢
その日から毎晩同じ夢をみるようになった
鈴谷夢
次第に寝るのが怖くなっていった
鈴谷夢
寝てもすぐに目が覚めるようになり
鈴谷夢
睡眠導入剤が欠かせなくなった
鈴谷夢
その睡眠導入剤が無くても寝れた…
鈴谷夢
少しづつママと華のことを忘れてきているのかもしれない
鈴谷夢
絶対に忘れてはいけないのに
鈴谷夢
私だけ楽しい思いをしていいはずがないのに
鈴谷夢
私は苦しまなくちゃいけないのに
鈴谷夢
…
鈴谷夢
忘れちゃだめ…
鈴谷夢
泣いちゃだめ…
ドアがノックされる
夢の母
夢ー?
夢の母
起きてる?
鈴谷夢
…うん
鈴谷夢
大丈夫、起きてる
鈴谷夢
着替えてから行くね
夢の家 リビング
鈴谷夢
おはよう
夢の母
おはよう
夢の母
ちゃんと寝れた?
鈴谷夢
…
鈴谷夢
うん、大丈夫
鈴谷夢
早くからお弁当ありがとう
夢の母
どういたしまして
夢の母
朝ごはんのおかずはお弁当のおかずでもいい?
鈴谷夢
うん
夢の母
(なんか元気ないな…)
夢の母
朝ごはん食べて元気だして行きなさい
鈴谷夢
うん
鈴谷夢
ありがとう、お母さん
6:45
稲荷崎高最寄り駅
鈴谷夢
(1本早く着いちゃった…)
鈴谷夢
(早く行ってモップかけ手伝おう…)
鈴谷夢
(なんか今日人少ないような気が…)
稲荷崎高校 体育館前
鈴谷夢
(鍵かかってる…)
鈴谷夢
(中に誰もいないし…)
鈴谷夢
(もしかして今日って朝練休み…?)
鈴谷夢
(連絡…って言っても角名君のLINEしか知らないし…)
鈴谷夢
(朝から迷惑かな…)
LINEの通知が鳴る
鈴谷夢
(誰…?)
すな
おはよう
すな
朝からごめん
すな
もしかして体育館行っちゃってる?
夢
おはようございます
夢
体育館の前に居ます
すな
嘘…
すな
ごめん伝達ミス
すな
今日は朝練休み…
すな
急いで行くから教室行ってて
夢
ありがとうございます
夢
1人で大丈夫です
夢
教室で課題の見直ししておきます
すな
いや
すな
行くから教室で待ってて
稲荷崎高校 2年3組
鈴谷夢
(1時間半も何しよう…)
鈴谷夢
(やっぱり課題の見直しかな…)
7:40
角名倫太郎
っ…
角名倫太郎
鈴谷さん、ほんとにごめん
鈴谷夢
角名君、おはようございます
鈴谷夢
だ、大丈夫ですよ…
鈴谷夢
私の確認不足なので…
角名倫太郎
いや、俺が伝えとくって引き受けたのに…
角名倫太郎
これ、さっきコンビニで買ってきたんだけどよかったら
鈴谷夢
だ、大丈夫だって…!
鈴谷夢
私、朝ごはん食べてきたから角名君が食べて…!
角名倫太郎
…もしかして甘いもの嫌い?
鈴谷夢
えっと…
鈴谷夢
甘いものはむしろ好きです…
角名倫太郎
よかった
角名倫太郎
じゃあ一緒に食べよ?
鈴谷夢
は、はい…
鈴谷夢
角名君、もしかして寝起きのまま急いで来てくれたの…?
角名倫太郎
えっ…
角名倫太郎
やっぱバレる?
鈴谷夢
髪がいつもよりモフってしてるから…
角名倫太郎
まじか
角名倫太郎
…ちょっと鏡見てくる
鈴谷夢
(慌ててる角名君見慣れないからすっごく新鮮…)
7:50
澤村空音
いっちばん乗りー…
澤村空音
じゃなかった
鈴谷夢
空音ちゃん、おはよう
澤村空音
夢!おはよ!
澤村空音
今日早いね?
澤村空音
朝練早く終わったの?
鈴谷夢
朝練休みだったんだけど癖で早く来すぎちゃって…
角名倫太郎
俺が伝え忘れたせいです
澤村空音
角名!?
澤村空音
待って何時から居たの?
角名倫太郎
鈴谷さんが7時、俺が10分前くらい
澤村空音
角名お前…
澤村空音
夢、大丈夫?
鈴谷夢
大丈夫、私の確認不足だから
角名倫太郎
ほんとに申し訳ないです
角名倫太郎
ごめんなさい
澤村空音
…夢が許しても私は許さない
鈴谷夢
空音ちゃん、本当に大丈夫だから
鈴谷夢
…ね?
澤村空音
…角名は夢の寛大な心に感謝しなさい!
角名倫太郎
はい
鈴谷夢
本当に大丈夫だから…
主
14話を読んで頂き
ありがとうございました
ありがとうございました
主
過去は追追、と言いつつもう出しちゃいました
主
夢は心の奥に重いものを抱えながら頑張って生きてる子です
主
自己肯定感が低いのも過去が原因です
主
バレー部に出会って前向きになれるように
主
前向きに生きていけるように、道筋を立てていきます
主
毎日更新を目指してましたが、土曜日は予定が詰まってることが多いので
主
土曜はお休みにします
主
毎日更新とかほざいておきながら申し訳ないです
主
感想等コメント頂けると喜びます
主
ありがとうございました
主
引き続き宜しくお願いします






