エンジェリックボーイ

由伸の家

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

泣きながら俺の名前を呼んでくる颯一郎が玄関に立っていた

あーそう言えば付き合ってたな

俺はそんなん福也さんからも泰輔からもよく言われることだ

普通じゃないの？

　引きつった笑顔

今の俺にはその気持ちがよくわかる

小学生みたいな颯一郎

好きなんだ

あ、俺何言ってんだろ

颯一郎から距離置かれるし福也さんと泰輔からのいじめ悪化するじゃん

ほんと何やってんだろ……自分

""ボゴｫｯｯ……"""

　俺は颯一郎のことが大好きだ

だけど嫌いだ

簡単に言ったら

好きだけど俺は颯一郎が憎い

助けて欲しかった

颯一郎なら俺の味方になってくれて俺を助けてくれるかなって思った

「あーおっけ」？何それ

助けてくれないの？

心配の言葉もないの？？？？

最低だ

でも颯一郎の顔はイケメンで男の俺でも惚れてしまうほどだ

だから嫌いだけど好きだった

""グリぃぃぃぃ"'

颯一郎のお腹に足を突き刺してぐりぐりしてたら颯一郎の顔がだんだん青白くなってくるのが面白い

俺はこの日から毎日福也さんと泰輔さんからの束縛のイライラを颯一郎にぶつけていた

1週間後

ユニホームを着にロッカーに来た

ユニホームが切り刻まれている ただの紙みたいになっている

今回はどっちの仕業だろう

福也さんか、

何言ってんだこの人 頭おかしい

急な大声にびっくりして目をつぶった瞬間に顔に蹴りを入れられた

ﾄﾞｺﾞｫｯ""

顔面骨折してるだろってレベルで痛い

顔を押えて床に倒れ込みたいとこだがそんなんしたら余計に抵抗できない体制になりやられるのはわかっている

顔が痛すぎて上手く喋れない

福也さんは無言で部屋を出ていった

試合開始30分前

トイレみたいな狭くて1人で入れる場所が1番安心する

"'ﾊﾞｯｼｬｧｧｧｱ!!!!

え？水？

上からバケツを持った泰輔がこっちを見て笑っていた

　俺には居場所なんかないんだ

結局この日は監督にお腹が痛いと言ってすぐに家に帰った

最近暴力ばっか振ってきたから颯一郎は俺の声を聞くだけでビクビクする

正座しながら目をつぶり俺の名前を呼ぶ颯一郎の顔はとっても綺麗だった

この顔が俺はだーいすき

颯一郎は俺のこと好きだよね？

だから俺のためにいっぱい虐められてね