目を覚ましたら
白い部屋に閉じ込められていた
白い壁紙
安そうなパイプベッド
小さなテーブル
小さな椅子
窓には鉄格子
蓮
俺は…
確か…昨日
昨日は
裕二達とバイクで遊びに行って
19時頃に解散して
それから…
雛乃
蓮
雛乃は同じクラス
中学校から一緒…
仲の良い女子で
俺の初恋だ
雛乃
何してるの?
蓮
雛乃
バイクに乗っているの
初めて見た
蓮
雛乃
蓮
学校以外で会うと緊張する…
雛乃
終わりだね
蓮
雛乃
蓮
雛乃
思い出ちょうだい?
蓮
雛乃
違うからね?
蓮
普通の顔だし
雛乃
雛乃
蓮
雛乃
少しで良いからさ
蓮
雛乃
北公園で待ち合わせしよ
蓮
雛乃
ヘルメット借りてくる
蓮
雛乃
雛乃
蓮
強引な待ち合わせ…
呆れながらも
期待している自分がいた
雛乃
蓮
悪びれる様子も無く
雛乃は 俺のバイクの後ろに跨る
蓮
雛乃
蓮
雛乃
蓮
雛乃
蓮
蓮
雛乃
夜の街をバイクで走った
雛乃は俺に掴まりながら
俺の背中に頬をくっつけて 笑っていた
心臓が早く脈を打つ
こんな気持ち
初めてだった
雛乃がリクエストした 展望公園は
都心なのに 少し小高い丘の上にあって
夜景を一望できる…
所謂 デートスポットだ
雛乃
人が少ない
蓮
雛乃
蓮
雛乃
蓮
蓮
雛乃
雛乃
蓮
それって…まさか
雛乃
雛乃
蓮
雛乃
蓮
蓮
か細い声で俺が答えると
暗がりの中でも分かるくらい
雛乃が嬉しそうに笑った
それから
それから何も覚えていない
何でこんな場所に居るんだ!?
雛乃はどうなった?
蓮
コンコン
蓮
蓮
蓮
女性
蓮
女性
蓮
女性
蓮
蓮
蓮
女性
俺の言葉に
目の前の知らない女は どんどん無表情になった
それから
ドアを開けて足早に外に出ると 鍵を閉めた
ガチャ
蓮
蓮
蓮
ガチャ
蓮
またドアが開いた
先程の女と一緒に
50代くらいの男が 部屋に入ってきた
白衣を着ている
男性
蓮
蓮
蓮
男性
残念ながら
蓮
どこにいるんだよ!
男性
蓮
蓮
男性
蓮
何でこんな事をっ!
男性
女性
蓮
男性
女性
男性
試してみよう
女性
蓮
蓮
蓮
男性
蓮
女性
男性
女性
男からの命令で
女が自分のポケットから 手鏡を出した
それを俺に渡す
蓮
男性
男性
蓮
言われた通り
恐る恐る…
手鏡を覗き込む…そこには
蓮
蓮
蓮
男性
蓮
蓮
そこには
白衣を着た男と
同い年くらいの男がいた
髪の毛は白髪混じりで 伸びきっている
髭も伸びきっていて
歯はボロボロだった
蓮
蓮
蓮
男性
あなたが切る事を
拒否しましてね
男性
そのままです
蓮
男性
蓮
男性
男性
17歳のまま…
男性
夏休み最後の日に
閉じ籠もっています
蓮
男性
男性
公園へ向かった
蓮
男性
男性
公園まで行きましたね?
蓮
男性
夜景を楽しんだ後…
蓮
男性
蓮
男性
蓮
やめてくれ!!!
男性
男性
男性
男性
蓮
男性
助かりましたが…
蓮
男性
蓮
蓮
蓮
蓮
蓮
男性
男性
蓮
男性
男性
死なせてしまった
罪悪感に耐えかねて
男性
繰り返しました
男性
ご両親がこの病院に
あなたを入れた…
蓮
女性
蓮
蓮
蓮
蓮
女性
男性
雛乃…
思い出したよ
ごめんね雛乃
ごめん…
愛しているよ
女性
女性
大丈夫ですかね?
男性
女性
男性
また夏休みに戻るよ
女性
男性
薬を飲ませるように
女性
男性
髪と髭を剃ろう
女性
女性
女性
無いのでしょうか
男性
女性
可哀想です
女性
お見舞いに来ないし…
男性
10年前だったかな
女性
男性
寂しくないよ
女性
男性
男性
男性
逢えるのだから…