そうして、私達は楽しい一時を過ごした
ゆうか
あ、もうすぐ12時だ。ふわあ〜…。帰るね
みのり
うん気をつけてね。
ゆうか
じゃあまたね!
みのり
うん。また結婚式かな?
ゆうか
うん!!
みのり
またね
ゆうか
またね〜
ゆうかはそう言って城を出ていった。
みのり
(あくびが目立ったような…。箱入り娘にこの時間はキツかったかな…。)
家でもこき使われてるんだろうし、がんばってるな…
みのり
あ、ガラスの靴探しに行かないと
私は椅子から立ち上がり部屋を出た。
誰も居なくなった部屋に私の足音だけが響いた
私は大広間からすぐ近くの階段を見に来た。
みのり
(この辺かな…?)
私はゆうかが置いていったであろうガラスの靴を探す。
みのり
(まあ普通の場所にはないよね)
みのり
(ゆうかが置きそうなところ…)
みのり
あ、あった
月の光をキラキラと反射するガラスの靴に思わず目を奪われる。
みのり
(センスがいい。ゆうからしいな)
私はその靴を拾い、大広間に戻った
みのり
あの
お城の人
はい。おや、それはなんでしょうか
みのり
先程の娘が置いていった靴です。彼女、12時までに帰らないと家族に叱られるようで、帰って行きました。慌てていて靴を落としてしまったのでしょう
みのり
私はあの娘と結婚したいのですが、あいにく顔しか知らないので、この靴を使って探してきていただけませんか?
お城の人
分かりました
ゆうか
はあ…はあ……
ゆうか
片足だけヒールで走るの大変だったな…
ゆうか
魔法も解けちゃったし…
ゆうか
あ、ガラスの靴だけ残ってる
ゆうか
思い出にとっておこっと。
ゆうか
掃除しておかないと怒られちゃう
私は靴を履き替え箒を持つと掃除を始めた
お義母様
ただいま
義姉
ただいまぁー
義姉
ただいま〜
ゆうか
おかえりなさいませ
義姉
王子様イケメンだった…!
義姉
ね〜
ゆうか
(当たり前じゃん)
義姉
そういえばね、遅刻してきた子がいたのよ!
義姉
そうそう!なのに王子様に声かけられて〜
お義母様
ずるいわよね。うちの子の方がかわいいのに
義姉
ホントに!目立ちたいのかしら
ゆうか
へえ〜そうなんだ…
この人たちはそれが私だということに気づいていない
ゆうか
(良かった…)
コンコンッとドアのノック音が家に響いた。
私が待ちわびていた瞬間だ。
お城の人
あの、この家に舞踏会に参加された娘さんはおられますか?
お義母様
はい。いますが
お城の人
このガラスの靴を試し履きして頂きたくて…
王子様が気に入られた方が履かれていた靴なので丁寧に扱ってください
王子様が気に入られた方が履かれていた靴なので丁寧に扱ってください
お義母様
まあ!分かりました!こちらへどうぞ
お城の人
娘さんはどちらに?
お義母様
二人ともー!
義姉
はーい!
義姉
はーい!
お義母様
この靴を履いていた娘を探しているそうよ!
義姉
そうなの!?絶対履かないと
義姉
履く履く!
お城の人
では順番にお願いします
お義姉さんのうちの一人が試しに履いてみた
義姉
おかしいわね…。小さくて入らないわ
お城の人
分かりました。次の方
義姉
はい!
義姉
(絶対に履いてやるんだから)
もう一人のお義姉さんが履いてみた
義姉
何よこれ。あと少しが入らないわ
義姉
ぐぬぬ…
お城の人
無理に履かれたら壊れます!
義姉
むぅ…
お城の人
他にはおられませんか?
ゆうか
あの…私も履いてみたいのですが…
義姉
シンデレラは舞踏会に行ってないでしょう?
義姉
それなのに履いてみたいだなんて、度胸あるわね
お義母様
入るわけないのだから安心しなさい
ゆうか
(酷い言いようだな…)
私は心の中で「お願いします」と願ってから足を入れた
お城の人
は…入った……!
ゆうか
やった!
お城の人
あなたこそが王子様が探し求められたお方です!
義姉
なんでー!
義姉
おかしいわ!
お城の人
お城までご同行願えますか?
ゆうか
はい!
ゆうか
みのりちゃ〜ん!
みのり
ゆうか!
ゆうか
やった!ハッピーエンドだよ!
みのり
ホント、良かった…
みのり
結婚式までってことかな?
ゆうか
そうかもね
みのり
行こう
ゆうか
うん!
ゆうか
終わった〜!緊張したよ〜!
みのり
そうだね。いくら劇って言ったってね
ゆうか
いつ戻るんだろうね
みのり
そういえばそうだね。いつだろ
ゆうか
そのうち戻るかなあ?
みのり
多分…?
お城の人
陛下〜!