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彩恵

腕を切って、誰も抱けないように

彩恵

脚を切って、どこにも行けないように

彩恵

目をくりぬいて、何も見えぬように

彩恵

耳を切って、甘い言葉に惑わされないように

彩恵

あなたは私だけのもの

彩恵

歪んだ愛を咲かせましょう…

歌が聞こえる…

透き通った、あの子の声…

彩恵

さぁ目を覚まして

彩恵

起きる時間よ

正人

はっ!

正人

ここは?

見知らぬ場所、見知らぬ現状

ただ一つ、見知ったあの子

正人

彩恵!

正人

どういうつもりだ!

彩恵

別に、なんでもないじゃない

彩恵

あなたがどこにもいかないように

彩恵

手足を縛っただけよ

正人

おかしいだろ!

正人

俺はどこにもいかない

正人

縄を解いてくれよ!!!

彩恵

彩恵

私、嘘つきは嫌いなの

あの子はハサミを持ち上げた

正人

やめてくれ!!

彩恵

嫌だわ、何もしないわよ

ふふふふ

綺麗な笑い声

聞きなれたあの子の笑い声

正人

俺が悪かった…

正人

俺が悪かったよ!何度も謝ったろ?

正人

縄を解いてくれ!

彩恵

二度目よ

正人

彩恵

二度もあなたはそういったわ

彩恵

縄は解かない

彩恵

これでもうどこにも行けないわね

正人

本当に、俺が悪かったって

正人

でもさ

正人

嫌なら別れればいいだろ?

正人

こんな浮気性な男を

正人

縛って閉じ込めておく理由なんてないだろ!

彩恵

嫌ね…開き直り?

彩恵

あなたのそういうとこ…

持っているハサミを振り上げる

彩恵

大嫌いだわ…

静かに、俺の腕に刺した

正人

あぁぁぁぁ!!!

彩恵

嫌いなところはもっとあるわ

彩恵

でもね

彩恵

好きなのよ

正人

くっふぅ…

彩恵

嫌いなところ全部含めて

彩恵

あなたが大好きなの

彩恵

もう離さないわ…

正人

狂ってる…

彩恵

そうね、狂ってる

彩恵

でも狂ってるのは私じゃないわ

正人

じゃぁ誰だよ…

彩恵

あなたに決まってるじゃない

正人

俺は狂ってない!!!

彩恵

二度も妹に手をだしておいてよく言うわね…

正人

なんのことだよ!

正人

妹?

彩恵

そうよ、私の妹よ

彩恵

気づいていなかったなんて、相当のバカね

正人

うそ…だろ…

正人

俺はお前の妹に…

彩恵

私のこと、そんなに好きなのね

彩恵

瓜二つの双子の妹に手を出すくらい

正人

そんなこと…ありえない…

彩恵

でもそんなの関係ないわ

彩恵

今日からはずっと一緒

彩恵

大好きよ…愛しいあなた

優しい声で脚を刺すあの子

ふふふふ

もうこれで歩けないわね…

治ったらまた刺して

刺して

刺して

あの子のところには行かせない

正人

やめてくれ…

半年後

彩恵

気分はどう?

正人

べつに、どうってことないさ

正人

あやめは、どう?

正人

げんき?

彩恵

元気よ、あなたとずっと一緒に居られるのだもの

正人

そっか、よかったな

正人

きょうはさすのか?

彩恵

ええ、傷も治りかけてきたでしょう?

彩恵

今日はいつもと違うところを刺そうと思っているの

彩恵

どこだと思う?

正人

め、だろ?

正人

あのうたはもうききあきた

彩恵

あら、正解

彩恵

痛いかもしれないけど、我慢してね

正人

いいよ、わるいのはおれだ

彩恵

反省してくれてるのね…

彩恵

じゃあ、まずは左目

痛みしかない

でも、なんでもよかった

俺が悪いのだ、俺が

彼女の妹とも知らずに手をだしたから…

彩恵

痛いわよね、ごめんなさいね

彩恵

でも、あなたのためだから…

俺のため、そう言うあの子を

もう右目でしか見えない

彩恵

好き、好きよ

彩恵

愛してるわ

彩恵

まさ…

ひと、が聞こえなかった

ついに耳を切られたのか

そう思ったが痛みはなかった

???

正人!!!

???

大丈夫!?!?

透き通ったあの子の声の代わりに聞こえたのは

彼女の声…

???

正人!!!正人!!!

???

見える?私のこと見える?

正人

あっ…あや…

正人

彩恵!!!

あぁ、彩恵だ…

本物の彩恵だ…

彩恵

そうよ!

彩恵

しっかりして正人!!

???

な、なんでここにいるのよ…

胸をつかれたあの子は

口から血を流して彼女を見る

正人

どう言う…こと?

彩恵

その子は私の妹よ!

彩恵

あなたを独占するためにあなたを監禁したの!

彩香

くっな…なんで…

あの子はこと切れたのか

もう一言も喋ることはしなかった

彩恵

彩香は私のふりをして

彩恵

あなたが浮気していた人は妹だと信じ込ませて

彩恵

憔悴させてどこにも行けないようにしたの

彩恵

よかった、正人が無事で!

なんで、そのことを知ってるのだ…

そう感じた時には全てがどうでもよくなって

そのまま眠ってしまった

どこからか、あの子の歌が聞こえた

彩恵

あの子は、サイコパスよ

彩恵

あなたを好きなあまり

彩恵

閉じ込めて、傷つけたのだもの

でもね、世の中にはもっと

もっと恐ろしい人がいるのよ

例えば

姉の彼氏と浮気しているという嘘を

姉本人に伝える人とか

愛する人の愛する人を妹だと嘘をつく人とか、ね

狂ってるのはあなたでも、姉でもないわ

彩香

私よ…

彩香

愛してるわ、正人…

これであなたは私のものよ

歪んだ愛を、咲かせましょう

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