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山田
山田
山田
山田
山田
あの日の夜
一生に3回しかない高校生の夏休みに
俺達は山にキャンプしに来ていた
少年
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少年
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テントを建てた場所からかなり離れたところまで来た
少年
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そこには汚れていてとても読みにくいが「立ち入り禁止」と書かれた木製の看板があった
少年
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俺達は看板を無視し、上に続く階段を登った
少年
少年
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少年
悲しみや疲労感、そして何かを決心した彼の瞳が俺を見る
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少年
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少年
そう言って俺の腕を掴み階段を駆け上がる
少年
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少年
少年
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少年
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無言の時間が流れる
そして何かを決心したような彼が口を開く
少年
あれから記憶がない
今、何月何日なのかもわからない
あの少年の名前も顔も思い出せない
そしてここはどこなのだろうか
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とりあえず起き上がってみると左腕に付いていた何本かの管が取れた
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見渡してみるとここはどうやら病室のようだ
どうして俺はここに…
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そう思い立ち上がるとすぐに蹌踉めき病室の床に座り込んでしまった
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身体が思うように動かないことから、どうやら相当長い間眠っていたらしい
病室にあった鏡に患者衣を着て座り込んでいる俺が映る
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そのことを頭で理解したと同時に激しい頭痛と吐き気に襲われる
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そしてベットの横にナースコールを見つけた俺はボタンを押す
ナースコールをしたおかげで体調は少し回復した
でもあの時、医者に驚いたような反応をされた
もしかしたら自分が思っている以上に長い間眠っていたのかもしれない
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色んな疑問が浮かんでいる中病室のドアが開く
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2人が珍しく泣いているのを見た俺はびっくりして声が出なかった
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そう言ったきりやんは涙腺が崩壊したらしくその後の言葉が全く聞き取れなかった
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そう呟いたきりやんは目を伏せる
この表情の真実を俺はまだ知らなかった
時間が過ぎる
面会時間も終わりを迎えた
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2人は出て行く
話を聞いたところ俺はしばらく退院できないらしい
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何もわからない
今の俺は何を見て何を聞いて何を考えているのだろう
俺の知った真実は本当に真実なのだろうか
なんでこんな疑問が浮かんでくるのかもわからない
考えれば考えるほど頭の中がぐちゃぐちゃになって何を考えていたのかさえわからなくなってしまった
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何も考えたくない
少年
少年
少年
少年
少年
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起きてしまった
まだ朝の4時半だ
また眠りにつこうとしても眠れない
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脳では何も理解できていないけど
何故かすごく冷や汗をかいていて身体が震えてる
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目が冴えてしまってもう一度寝ることができない俺はベットの横にある棚に手を伸ばした
するとそこには2冊の本があった
一つは哲学系統の本でもう一つは小説のようだ
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スマホは落ちた衝撃で使い物にならなくなってしまったようだしこの暇な時間はこの小説を読むことにした
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時間が過ぎ去る
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この時間が楽しい
ずっとこのままがいいなんて我儘を神様は聞いてくれないんだろうな
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そんななんでもないような日々が続く
そして毎晩夢に出てくる少年の輪郭がくっきりしてきたような気がする
まだぼんやりしていて鮮明には見えないが、その少年はどこかで見たような雰囲気を纏っていた
それに伴って激しい頭痛や吐き気、立ち眩みといった症状が目立ち始める
それでもきりやん達が来た時はそのことを隠して出来るだけ笑顔を作っていた
目覚めてから数週間
今日はなかむ以外の全員が初めて揃った
色んな話をしてると唐突に…
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段々と症状が悪化して平然を装うのが難しくなってきた
今、皆と話してるこの間も頭が痛くて気持ち悪い
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もう嘘付けないのを察した俺は白状した
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俺はあの少年の夢と体調の悪化は関係あるんじゃないかと思って話した
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全員の顔が引きつったのがわかった
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明らかに目を逸らしたスマイルを見て察した
こいつらは俺に隠し事をしている
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俺ってこんなキャラだっけ?
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何その話、全然知らない
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俺は…きんとき?
確かに最初、鏡で見た時の姿に違和感を感じた
あの日の記憶の欠片
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言葉が詰まる
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君は優しく相槌を打つ
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俺の言おうか迷っていた言葉に対してきんときは動じなかった
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それどころか優しい声色で俺に質問してきた
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俺は言葉を濁した
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それ以上は詮索してこなかった
数秒の静寂がとても長く感じた
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予想外の言葉に一歩後ずさる
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その言葉を聞いた俺は
緊張と不安から一気に解放されて
足の力が抜けた次の瞬間
さっきまで見ていた景色がぐらっと揺らぐ
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きんときの伸ばした手に反射的に自分の手を伸ばして掴んだ
だが、きんときの身体だけでは俺を支えられずそのまま2人で落ちていった
落ちていく時間が長く感じた
俺は…
なかむだったのか?
そうか夢の中に出てきた少年も記憶の中にあった少年も全部全部…俺…なかむだったのか
じゃあきんときを殺したのは…
俺、なの…か?
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ベットの横の棚に果物ナイフがあった
きっとシャークんがりんごを持ってきていたからそれと一緒に持ってきたのだろう
俺はそれを手に取る
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そう言った俺は目を瞑って自分の胸に向けて果物ナイフを刺す…?
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…痛くない?
俺は恐る恐る目を開ける
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スマイルが俺のナイフを静止させようとしてナイフの刃の部分を素手で握っていた
赤い液体が皮膚を裂いて浮き出ている
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ここまで感情的になったスマイルを見たのは初めてかもしれない
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だって…俺が全部悪いから
死んで償わなきゃ…
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病室の開いていた窓から突然風が吹き込んできた
きんときに頑張れって背中を押されたような気がした
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そしてその風は一枚の赤い花びらを運んできたようだ
きっとこれは彼からの贈り物だろう
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心地よい風が俺の頬を撫でる
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先にいなくなってごめんね
夢を叶えるまでそばにいられなくて
ごめんね
君に伝えたいごめんねがいっぱいある
でもね
それ以上にありがとうも伝えたいんだ
俺と仲良くしてくれてありがとう
幸せな思い出を作ってくれてありがとう
俺を助けようとしてくれてありがとう
俺の最期の記憶
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落ちるなかむを助けないとの一心で手を伸ばす
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なかむが俺の手を掴んだまではよかった
だが重心が傾き地面についていた足が離れる
俺となかむはそのまま落ちていく
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落ちている間なかむは包むように俺を抱き寄せた
俺のことを少しでも守ろうとしているかのように
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このままだとなかむが下敷きになってしまう
そう思った時にはもう遅かった
鈍い音が辺りに響く
俺は落ちた衝撃で頭を強くぶつけたようだ
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意識が朦朧とする中彼の名を呼ぶ
返事は返ってこなかった
とりあえず立ち上がった俺は自分のスマホで状況を皆に伝えた
身体中痛いけどなかむが守ってくれたおかげでまだ俺は歩けるようだ
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なかむの身体の損傷は目で見ただけで嫌でも治療不可能なことを物語っている
でも、まだ呼吸はある
そこで俺は思いついた
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もう目の前が何も見え…
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目が覚めるとそこには青い空が広がっていた
そして少し向こうには病院があった
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とりあえずあのあとなかむがどうなったのかが知りたくて病院に向かう
病院の窓越しからなかむ達の姿を見つけた
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そうだよ
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君が風を受ける帆なのであれば
俺が船を動かすための風になりたい
その気持ちが現実になった
その風は病院の花壇に咲いていた赤いガーベラの花びらを運んでいく
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〜𝑇𝐻𝐸 𝐸𝑁𝐷〜
𝐒𝐮𝐛 𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲
(ぶるーくが病院で言いかけてたシーン)
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シャークんの手が小刻みに震えているのがわかった
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無言の時間が流れる
それを遮るように2人のスマホの通知音が響く
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その時僕達2人の元に強い風が吹いた
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コメント
9件
時差コメ失礼します……やっぱれぬさんの物語ほんとに好きです…れぬさんの物語で泣いたの3回目です…"大好きです…
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい←うるさい めっちゃ感動したんだが? 読みやすかったから大丈夫だよ〜 ズッ友が…ヤバい←語彙力紛失