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狐の嫁入り【咎人】

第1話 - 第1話縁

151

2025年07月22日

#咎人

#時代劇

#ちょいBLありかも

#くろのわ微あり

なし

剣持刀也

…ふぁあ…。

剣持刀也

ん…朝か…起きよ…。

冬の寒さが膜のように僕にくっつく。

さて、今日はガク君と会う約束がある。

剣持刀也

早く準備しないと…

剣持刀也

遅れちゃう…

そう思って、僕は急いで準備を済ませた。

向こうに橙色の目立った髪が見える。

ガクくんだ。

剣持刀也

あ！ガクくん！早いね

伏見ガク

…ここに来るのは慣れてるからね〜

伏見ガク

…あ、ごめん！とーやさん、ちょっとお手洗い行ってきて良い？

剣持刀也

あぁうん、全然いいよ

伏見ガク

ごめん！

剣持刀也

…綺麗だなぁ…

散りきれない桜が日に照り、

花びらの先には眩い光が有った。

春の残り香はほんのり暖かく、何か懐かしい気分になる。

言語化出来ない美しさ、日向、

僕は何だか眠たくなった。

過去を思い出して…

…何処だ、ここ…、

あれ…？声がする…

？？

__-やさん……？

…聞いた事ある様な…、

？？

…なんで…、

剣持母

狐様、此方本日のお食事で御座います

狐様

…あぁ、いつも有り難うな

何だ…？

幼い剣持

母さん、いっしょ遊ぼぉよ！

剣持母

ちょっと！…申し訳ございません…

狐様

いや、良い。

狐様

坊や、名前は何ていうの？

幼い剣持

ぼく？ぼくはね、えっとね

幼い剣持

とーや！けんもちとうや！ん〜、おじさんは何ていうの？

狐様

おじさん！？はは、そうかもね

狐様

…何ならお爺ちゃんより年上だろうけど。

狐様

俺は…何だろう。名前はないよ

幼い剣持

えぇ、何でないのぉ？僕にはあるよ？

剣持母

ちょ、ちょっと…！本当に申し訳ございません、狐様

幼い剣持

…きつねさま？

狐様

…あぁ、そうだね。俺は狐。

幼い剣持

きつねなの？おもしろいね！きつねさまっ！

狐様

…！そぉ？面白い…なんて、初めて言われた

狐様

…とーやさん、よろしくね

幼い剣持

うんっ！きつねさま、よろしくねっ！

剣持母

敬語を使いなさい！

剣持母

狐様、うちの息子が無礼を…、

狐様

いや、良いよ。…何だか運命を感じる

剣持母

…運命…？

狐様

…とーやさん、一緒に遊ぶ？

幼い剣持

…うん！いっしょあそぼ！

それから、狐様はまるで子供の様に遊んだ。

幼い剣持

きつねさま、どうして狐なの？

狐様

…、ん〜、分かんない

狐様

でも、考えたって仕方がないから

幼い剣持

きつねさまのお母さんもお父さんも、みんな狐？

狐様

…そうだったのかもね。見た事ないから分かんないや

狐様

ただ、とーやさんのお母さんは、母の様に思ってるよ

幼い剣持

？見た事ないの？

幼い剣持

僕お母さんと一緒に住んでるよ？

狐様

…じゃあとーやさん俺と一緒に住んでよ

幼い剣持

ん〜、僕、きつねじゃないから…家族になれない…、

幼い剣持

でも、けっこん…?したら家族になれるって、聞いたことあるよ！なら…！

幼い剣持

あ、でも僕まだ小さいから出来ない…

狐様

…じゃあ、大きくなったら俺と結婚する？

幼い剣持

うんっ！したらきつねさまも家族になれるよ！

剣持母

ちょ…、刀也！

狐様

…それなら、確かに家族になれるね

そうして、下らない約束を交わした。

幼い剣持

おまつり…

剣持母

わぁ〜、提灯綺麗だねぇ

幼い剣持

うん…、

剣持母

あ、屯食売ってるよ？

剣持母

食べる？

幼い剣持

うん…

剣持母

あ、じゃあえっと…これかな

剣持母

はい、何銭…

幼い剣持

きつねさま…

幼い剣持

きつねさまどこ…？

幼い剣持

はぁ、はぁ…ここ、どこ…？

幼い剣持

わ、ぁ…そら、くらい…

？？

アァ…？

？？

…ここの子か？

幼い剣持

え…う、ん…、おに、いさん…は

？？

あぁ、俺はヴァンパイアなんだけど…ここで言う鬼？ってやつか？

？？

何か違くねぇか…？まぁいいか

幼い剣持

お、おに！！…やだ！たべな、食べないで

？？

はぁ？食べる？…まぁ、でも今ちょっと貧血だから丁度いいか。

幼い剣持

やだ、きつねさま…たすけてっ

？？

んじゃ、いただきま

狐様

近づくな！！

？？

…おっと…は、まさか神か？わざわざ外にまで…

？？

…何でこんな子供如きに

狐様

巣に帰れ、今すぐに。出来なければ死ね。

？？

…は、とことん嫌われるな。俺

狐様

…吸血鬼が好きな物好き何ぞ、何処に居ると言う

狐様

少なくとも俺は嫌いだ。

狐様

子供に手を出す恥知らずはな！！

？？

あぁそうだな。俺も神は嫌いだ

？？

だがまぁ…今は戦う時じゃない

狐様

待て！！逃げるな！

？？

じゃあな、狐様？

そして、彼はいつの間に消えていった。

狐様

はぁ、はぁ、何なんだ…

幼い剣持

狐様っ！

幼い剣持

ぼく、僕…、すごく怖かったの…っ

狐様

…おいで？

幼い剣持

うん…、でも、ぼく、強いんだよ？

狐様

…そうなの？

幼い剣持

でも、狐様居ないとふあんだから、だから

幼い剣持

狐様の…巫女さんになる！

狐様

…！ひひ、ひひひっ

狐様

…何で？♡

幼い剣持

狐様にいつでもあえるでしょ？

狐様

…！//

狐様

…あいたいの？

幼い剣持

うんっ！だって狐様強いんだもんっ！

幼い剣持

また一緒に遊びたい！…いい？

狐様

…、ひひっ、じゃあお母さんのところが行ってからにしようか？

幼い剣持

うんっ！

狐様

かわいいなぁ…

遠くで祭りの音が鳴り響くなか、

僕らは少しだけ不思議な雰囲気に包まれていた。

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