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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 天使パロ⚠️
rara🎼
rara🎼
rara🎼
__それは、ほんの僅かな“歪み”だった。
光で満ちるはずの天界に、その日、ふとした影が落ちていた。
それは誰かが意図したものではない。
ただ、静かに、しかし確実に心の奥に入り込んでくる“揺らぎ”だった。
いるまは、自室の窓辺に腰掛けていた。
展開の空は澄み渡っている。
白く、柔らかく、まるで全てを包み込むような光。
けれど、その空を見上げるいるまの目には、わずかに曇りが差していた。
いるま_ドミニオン
思わず呟いた声が、自分でも驚くほど小さかった。
窓の向こう、遠くに見える塔の先端。
そこはかつて、なつと並んで飛び交った場所だった。
笑い合い、語り合い、時には祈りを交わしながら、確かにあの空を共にしていた。
だが__もう、なつは居ない。
いるま_ドミニオン
いるまは拳を握った。
いるま_ドミニオン
その先の言葉を、喉が拒んだ。
口にしてしまえば、それが“願い”になってしまいそうで。
__お前が、戻ってきて欲しい
そう願うことは、自分の“立場”を揺るがせる。
天使であること、役割、使命。
それらの全てが、いるまを縛っていた。
いるま_ドミニオン
つぶやきは、窓の外の風にさらわれていく。
その声を聞いた者は、天界には、もう誰もいなかった。
その頃、こさめは庭園の奥の祈りの小径を歩いていた。
いつもは香の花が咲き乱れるその小径も、今日は少しだけひんやりとしていた。
こさめ_アークエンジェル
小さく呟いた声は、足元の草に吸い込まれていく。
その名を呼ぶ度、胸の奥が締め付けられる。
あの日、突然姿を消した先輩。
笑顔で振り返り、「また明日な」と言った、その言葉が、最後になった。
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
祈りでは届かない距離になってしまったけれど、どうしても手放せなかった。
すち_ヴァーチャー
不意に背後から声がかかった。
振り返ると、すちが手を振りながら駆けてきた。
いつものように元気な様子だったが、どこか焦りが滲んでいる。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
すち_ヴァーチャー
問われて、こさめは目を伏せた。
すちはその沈黙を肯定と受けとり、そっと肩に手を置いた。
すち_ヴァーチャー
こさめ_アークエンジェル
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
すちの言葉は、どこか幼さを残していた。
けれど、それは確かな“痛み”だった。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
こさめ_アークエンジェル
ふたりは、暫く黙って空を見上げた。
そこにはいつもと同じ天界の空が広がっていた。
けれど、その光が、少しだけ遠くに感じられるのは何故なのだろう。
塔の最上階。
風の強い場所で、らんはひとり、立っていた。
白く、広く、そして静かなその場所。
天使たちの中でも限られた者しか立ち入ることのできない場所。
らん_ソロネ
遠くを見つめながら、らんはぼそりと呟く。
何も見えない。
けれど、感じる。
いるまの祈りが、以前より僅かに濁っていること。
なつと再会してから、明らかに心の均衡が崩れ始めている。
らん_ソロネ
らん_ソロネ
けれど、何も言わなかった。
同じ階級、同じ役目。
干渉すべきではないと、そう思っていた。
らん_ソロネ
白い羽が一枚、風に乗って飛び、空の彼方へと消えていった。
らんの瞳には、ふと過去の光景が浮かんでいた。
あの頃、まだ六人が揃っていた頃────
地上・夜。
廃れた教会の中、なつは壁際に腰を下ろしていた。
冷たい石の床、崩れた祭壇、埃にまみれたステンドグラス。
それでもなつはそこに、微かに残る“祈り”を感じていた。
なつ_ソロネ
呟きながら、手を前に差し出す。
その手には、かつて天界の光を宿した痕跡が、微かに残っていた。
完全に堕ちた者には、現れない“温かさ”。
────まだ、戻れるのか?
違う、と自分で否定する。
なつ_ソロネ
けれど、その“足掻き”が、人を救っていることもまた事実だった。
なつ_ソロネ
夜風が、崩れた窓から吹き込んできた。
なつは目を閉じ、ただ静かにその風を受けた。
天界の風とは違う、重く、湿った空気。
でも、それが今の自分の場所だった。
そして、なつの足元にもまた、小さな“境界”が広がっていた。
天使と堕天使。
救いと絶望。
祈りと呪い。
そのどちらにも、完全には染まりきれない自分がいる。
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
その先の言葉を、夜が呑み込んだ。
────祈りはまだ届かない。
けれど、それでも、誰かが祈り続けている。
そして今、それぞれの中に芽生え始めた“揺らぎ”は、ゆっくりと境界を壊し始めていた。
第5話・了
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡60
rara🎼
rara🎼