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rara🎼
nmmn注意⚠️ 天使パロ 誤字脱字注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️
rara🎼
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────天使だった時間は、光に包まれていた。
けれどその光は、触れれば壊れそうな程に、脆く、柔らかかった。
天界に、霧が流れていた。
普段は澄み切った空に、薄くかかった白い霧。
それは空の向こう側にある何かが、ほんの少しだけ遠ざかっているようにも思えた。
石造りの大講堂。
高く掲げられたステンドグラスの天窓から、柔らかな光が射していた。
けれど、その光を受けているいるまの影は、ほんの少し、歪んでいた。
いるまは、祈りの為に開いた書板を前に、何も書けずにいた。
言葉が浮かばない
祈りの定型文などいくつも覚えている。
それでも今の自分が綴る言葉に、意味があるとは思えなかった。
────今更、祈りなんて
あの夜、なつと再会してからというもの、心の奥がざわめいて仕方がない。
“まだ完全には堕ちきっていない”
そう思ってしまった自分の甘さを責める反面、それでもあいつの奥にある光を信じたくなってしまった。
そんな心の揺れこそが、堕天の始まりなのだと、誰より自分が分かっているはずなのに。
いるま_ドミニオン
書板の端を、指先がぎゅっと握りしめる。
その震えを抑え込もうとしたとき────
すち_ヴァーチャー
後ろから、すちの声がした。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
いるまはすぐには振り返らず、少しだけ視線を落とした。
いるま_ドミニオン
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
すちの声は、普段よりも少しだけ柔らかい。
まるで、いまのいるまを壊さないようにと、そっと近づいてくるような響きだった。
すち_ヴァーチャー
いるま_ドミニオン
答えのないいるまに、すちはさらに歩み寄って椅子の隣に腰を下ろした。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
その言葉に、いるまの喉が一瞬動いた。
こさめがそんなこと言ったのか。
いや、きっと言ってない。
ただ、すちが感じ取ったのだ。
いるま_ドミニオン
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
その返答は、いるまの胸に静かに響いた。
いるま_ドミニオン
ぽつりと、いるまは言った。
その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。
それは認めたくなかった“弱さ”ではあるけど、どうしようもなく“正直”だった。
すちは、何も言わずに隣に座り続けてくれた。
言葉よりも、その沈黙が心に滲みてくる。
同じ頃────
霊域では、らんが鋭い視線をみことに向けていた。
らん_ソロネ
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
らんの声は、決して怒鳴り声では無かった。
けれど、確かに“強い”。
芯が通っている。
らん_ソロネ
らん_ソロネ
らん_ソロネ
みことは唇を噛んで、小さく頷いた。
その後、らんはふっと視線を遠くに逸らした。
らん_ソロネ
その“あいつ”が誰を指しているのか、みことは聞かずとも分かっていた。
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
口調は淡々としていたが、らんの目に宿る色は、どこか悔しげだった。
らん_ソロネ
らん_ソロネ
祈祷堂の奥、こさめは跪いて祈っていた。
正規の儀式ではない。
ただ、己の内側にあるものを吐き出すような祈り。
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
手を組み、ぎゅっと閉じた目から、一粒だけ雫がこぼれた。
祈りは、届かなくてもいい。
ただ、せめて────
こさめ_アークエンジェル
それが、いまこさめにできる全てだった。
────地上。
なつは、崩れた教会の床に腰を下ろしていた。
目の前には焚き火。
木片を集めて起こした、それはただの“人間的”な火。
けれど、その炎に、なつはどこか“祈り”のようなものを見ていた。
なつ_ソロネ
炎が揺れる度、誰かの面影が脳裏を過った。
────過去のことだった。
白い花の咲く天界の庭園。
やわらかな陽に包まれ、ふたりで空を見上げていた。
いるま_ドミニオン
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
いるま_ドミニオン
なつ_ソロネ
いるま_ドミニオン
なつ_ソロネ
いるま_ドミニオン
なつはそこで吹き出した。
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
いるま_ドミニオン
それでも、ふたりは握手を交わした。
それが、何よりも強く、深い絆になっていたはずだった。
────でも、今は。
なつ_ソロネ
なつは、炎の中に自分の手をかざした。
まだ、ほんの少しだけ“光”が残っている。
それが自分の弱さでもあり、願いでもあった。
なつ_ソロネ
呟きは、炎に溶けた。
なつの瞳には、もう天界の光は映っていなかった────
けれど、完全に消えてもいなかった。
────過去と現在が、静かに重なっていく。
言葉にされなかった約束。
心に残った熱。
交わした視線。
すれ違った祈り。
そのすべてが、いま、静かに交差し始めている。
第6話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡70
rara🎼
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