Lina
ねぇ、今日もまた1日何もしないで寝てた笑

Takuya
そっか、明日はお見舞いに行けると思うんだ。最近仕事が忙しくて、ごめんな。明日は泊まりの用意して行くから、待っててくれ

Lina
そんないいのに、せっかくの週末。そろそろ拓也も楽しんで来なよ、もう半年もわたしに付き添ってる

Takuya
俺は、お前の側に少しでもいたいんだよ☺️

Takuya
あ、お前の好きなぶどう買ってきてやるからな〜〜とびっきり高いやつ探してくるから!!笑

Lina
ねぇまってwwwもう冬ですけど

治る病、始めはそう言われていたが、入退院を繰り返して約半年が経とうとしている。
Takuya
退院おめでとう!!

Lina
まだ退院してないよ!やめて〜笑

Takuya
外出許可か!少し早めだけど、今日は2人でクリスマスデートだな!店も予約してあるんだ!会社18時には上がれるから、莉奈の家の近くの公園の前に19時集合!

Lina
了解しました🙆🏻♀️💗

Lina
ごめん!!気合い入れて支度してたら、ちょっと家出るの遅れちゃった!!

Lina
今急いでる💦💦

そう思い呼吸を整えると久しぶりに見るからだろうかこの街が少し違く思えた
Lina
(あ、拓也だ…

莉奈は気づかれないよう、街頭に沿ってそっと近づき脅かそうとしていた。にやにやが止まらない
Lina
たーくやっ!!

Lina
なんで振り向かないの!!

Lina
もうねぇちょっと!!

Lina
…え…??

拓也は莉奈の知らない別の女の人のところへと駆けっていった
雪なんて降ってきて、映画の世界のようなシュチュエーションに莉奈は頭が追いつかなかった
Lina
幸せそう…良かった…

Lina
あれ、なんでそんなふうに思うんだろう…

止まらない涙を拭いて、幸せそうな2人をじっと見つめ、これで良かったのだと思った瞬間に、莉奈はようやく思い出した
神さま
これで良かったのか?

Lina
はい、、、本当に本当にありがとうございます

神さま
全て思い出したか?

Lina
はい、私あの日、通り魔にあってしまったのですよね。病院に運ばれるも、死んでしまった。そこで泣き崩れている拓人を後ろから抱きしめ慰めていたのを今でもよく覚えています。

Lina
私は天国に行けず、未練の残った霊になってしまい、拓人の側にいました。

Lina
最愛の彼女をなくし、自殺しようとしていた彼を心の底から助けたいと思い、私は神さまにお願いをしたのですよね。

神さま
なんで、新しい彼女を彼に与えてやれと。しかも彼のそばから離れない選択だってできたはずなのに、莉奈は彼の元を離れこちらにきたのだ

Lina
私は彼の幸せが幸せなんです

Lina
ただ、天国にきてからもずっと彼が本当に幸せになれたのか不安でした。だから、彼がもし幸せになれたら、私はそれを確認したかった。そう、全て思い出しました。少し切なくて泣いてしまいましたが、記憶の戻った今は、心の底から嬉しいです

神さま
君がこちら側に来てからの彼を特別に教えてやろう。全ては無理じゃよ。

Lina
え…

神さま
彼は君のことをとても愛していた。愛しているがあまり、自ら命を断とうと何度したことか。その度に莉奈の願いが報われなくなってしまうの阻止するのに大変じゃった。彼はとても問題児だったな。けど、とても優しい心の持ち主でもあった。

神さま
毎月命日にはお供えに似合わない大きな花束を

神さま
そして、大好物のぶどうを

神さま
結局、鳥に食われてしまうのに、健気な少年だった。

神さま
あの彼女と出逢わせても、付き合うのに5年もかかったんじゃ。彼女も、莉奈のお墓参りをしてくれるような心の優しい娘じゃ

神さま
亡くなって2年、出逢って5年、彼は今30歳じゃ

神さま
っほっほっほ

Lina
涙が止まりません。私、来世でも拓也の事を想い、側にいられる存在でいたいです。また来世でも出逢いたい

神さま
後50年後、来世への便が発車する。そこで莉奈と拓也を隣の席にしてやろう、きっとまた出逢える

病を持った莉奈、だが奪われた命は、通り魔によるものだった