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朝見たら怖くないのに夜になったら急に怖くなるわこれ()
栞里
◆注意点◆ ◦通報禁止 ◦怖いのが苦手な方は見ない事をお勧めします。 ◦運営様愛してる♡
栞里
本編スタート
~仲良くなりたい~
俺が住むマンションには、エレベーターが1基しかない。 それもなんだか薄暗いし、定員は5人までとなっているが、3人も乗ると窮屈に感じるような手狭なものだ。 だから気持ちはわかるのだが、他の住人と乗り合わせるときに、嫌な顔をしたり、混んでいるとあからさまに舌打ちする奴もいて、それはどうなんだって思ってしまう。 俺が内心狙っている、清楚な感じの女子大生っぽい女の子がいるんだけど、彼女なんか扉が開いて、俺が中に乗っているのに気付くと、すごい顔で見てくる。 俺がなんか悪いことでもしたか? と聞きたくなるが、視界にもいれたくないとばかりにこっちに背を向けてしまう。 毎回、足早に降りる彼女の背中を見送るたびに、俺がそんなに気に食わないならエレベーターを使わなきゃいいのに……と思うのだが、10階である彼女としてはそうもいかないのだろう。 俺は心に決めていた。いつか、ちゃんと彼女に声をかけよう。話しかけて、会話を交わせばきっかけになる。経験から分かっていた。 その日は、3階に住むカップルと7階の老夫婦と一緒だった。彼女も2人きりじゃなければ良いのか、こちらを睨むようなことはなかった。 彼女は、自分が住む最上階まで乗らず、夫婦の後を追うように7階で降りてしまった。 俺は思わずそれを追いかける。 非常階段を降りる彼女に、下から声をかける。 「なんでそんなに僕を避けるんですか?」 「ねえ、あなたと仲良くなりたいんです。」 「僕が何かしましたか?」 「聞いて下さいよ。見えてるんでしょ?」 結局彼女は、俺と会話を交わしてはくれなかった。 なんだ、ルールをしってたのか。
~解説~
最上階に住む彼女がエレベーターを下りていく背中を見送っている=「俺」が最上階まで上ったエレベーターから降りてないこと、「定員5人」のエレベーターに「彼女」「カップル」「老夫婦」と乗っても定員オーバーになっていない事から、「俺」がこの世のモノではないことはすぐに分かります。 『ポイント』は、「俺」がそれを自覚しているということ、死んだことに気づいていないのではなく、意図して彼女をこちら側に引きずり込もうとしていると、最後の一行で分かります。つまり「怪異と会話をしてしまう事が、引き込まれるきっかけにになる」というルール。 彼は自身が怪異の呼びかけに応えてしまった経験から、それを知っていたのでしょう。
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