夜 19:15
なつ
いるま
すち
LAN
もうそんな時間なんだ……
すち
すち
LAN
こさめとみことを連れてこないとな〜…
みことの部屋
コンコン__.
みこと
ガチャッ_____
LAN
みこと
……テレビが付けっぱなし…だけど、みことは体ひとつも動かしてない…
LAN
ガタッ__.(座る
みこと
LAN
みこと
…結構鬱状態なんだな……
鬱状態とは精神的や身体的ストレスなどを背景に脳が上手く働かなくなる状態。
日常生活にきたす支障は眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの症状がある。
LAN
みこと
LAN
鬱の時は体が石のように重たいとよく聞く。
俺は鬱の症状になった事がないから、みことの感じてる感覚は分からない。
その中でも俺がみこと達のためにしてあげられることをする。
LAN
LAN
みこと
LAN
スッ…(スマホを渡す
みこと
LAN
みこと
みこと
ありがとうって伝えたい…ッ
LAN
みこと
まって…ッ
ガチャッ___
みこと
何も言えなかった。俺が迷惑かけてるのに……ッ
みこと
動けない…身体が重たくて…ッ
ザーッザー……__(テレビ
みこと
俺は何をしてるんやろ…ッ?
テレビの音も全て右から左に流れてく……ッ
あぁ…ッいやだ…ッ
すべてがきもちわるい…ッ よこになって倒れてる俺も……
何も出来なくて、無能な俺が存在してることも…ッきもちがわるいッ…ッ
みこと
ガシャンッ___!!(コップを割る
思考が混ざって気持ち悪くなることが俺は度々ある。
だから、その気持ちを紛らわすため物を割ったり壊したりして気を紛らわす。
みこと
みこと
血がでてる…ッどうしよぅ…ッ
それに、部屋もよごしちゃった…ッ
みこと
感情の制御が上手くできなくて、理由もなく泣き出すことが多い。だけど泣いてる理由を考えることも出来なくて。
みこと
ここに住む前までは、母さんと父さんとの3人暮らしだった。
父さんは酒に溺れていて、なにか気に入らないことがあったら母さんにも俺にも手を出してきた。
だけど、そんな父さんからいつも母さんは守ってくれた。
お"いッ!どこ"だッ!!早く出てこいッ!
みこと
みこと
家では怒鳴り散らして怒っている父に怯えている俺を、優しく包んで和ませようとしてくれた。
でも、そんな家庭環境のせいなのか俺はこの時
双極性障害
と呼ばれる精神疾患病になってしまった。
みこと
体が思うように動かなくて、部屋を移動するのにもいつもよりも時間が掛かるから母さんは俺をとても心配してくれていた。
みこと
最初母さんは俺を否定せず、優しく接してくれた。
だけど、やっぱり母さんも最後には俺を置いていった。
みこと
まだ幼かった俺には首を吊って死んでる様子を目の辺りにするだけで苦しかった。
みこと
みこと
俺にはあんな父親と生きていける気がしなかった。
だからこそ、かあさんは俺の中で生きていく希望だった。
だけど、その希望が……自分のせいで壊れた。
その事実だけが母さんが居なくなった今でも頭の中に残り続けている。
そこから俺が壊れていくのは簡単だった。
父さんは俺の病気のことを知らなかった。だから俺が動けなくなってるときは殴られたり蹴られたりもした。
何年かときが過ぎた頃には小さな俺の体には数え切れないほどの傷ができていた。
みこと
食べ物もろくに食べられなくて手足は枝と同じくらいに細くなっていた。
そんな手足で何処に行こうとしても、父さんからは逃げることが出来ないと思ってた。
LAN
みこと
みこと
もう永遠に俺は学校も行けず、親の機嫌取りだけして生きていくと思ってた。
だけど、らんらんと偶然会うことが出来た。
LAN
みこと
あんなやつの手元から逃げられるならなんだって良かった。
これからの俺の人生に希望を抱いた初めての日
ここからの俺が見る世界は違った。
だけど、初めて見る光景で俺より苦しんでる子がいて。
LAN
なつ
みこと
俺はこの時気づいた。 「俺しかいない世界」を今まで見てたんだなって……
そんなとき好奇心で見てしまった小さな隙間から見るいつもの人。
みこと
LAN
グサッ……グサッッ
暗い部屋の中、いつもの背中だけが見えるその光景で俺は目を疑った。
みこと
何かを刺してる音が怖かった。
前に父さんに、背中を刺されそうになって誰かが助けてくれた。
その時に聞こえた音が、頭の中で響いて…ッ声も出なかった。
LAN
みこと
LAN
目の焦点も合ってなくて、どこを見ているのかも分からなくて怖かった。
初めて見たらんらんはいつも見ている優しいらんらんではなかった…
この後の記憶はもう無い。もしかしたら夢だったのかも。
気づいた時には、日が昇っていていつものらんらんが隣に居た。
みこと
LAN
みこと
LAN
LAN
さっきのは夢…ッ?
みこと
LAN
みこと
こんな優しいらんらんがあんな風になることないよね…?
LAN
みこと
LAN
みこと
ガチャッ____
…ポタッ…ポタッッ……(血
LAN
LAN
LAN
刃が出されたままのカッターから垂れて落ちる赤黒い液体は、床に雨のようにポツポツ垂れていく。
LAN
他人事のように感じているが実際にそれをしているのは俺だ。
LAN
みこと
夢なんかじゃなかったらしい。
みこと
人なんて簡単に信じるものじゃない。 父親の場所にいたらこんなこと学べなかったかもな……
らんらんは息を吐くように相手にとっていいような嘘をつく。
みこと
……どうせ俺には関係ない。
らんらんがそうやって生きてるだけなんだから。
昔はそんなことを思っていた。
だけど今はもうらんらんの助けがないと生きていけない。
みこと
体を動かすことも難しくなって、上手く話すことも出来ない。
おまけに俺は頭も悪い。運動もできない。
……何も出来てないじゃんボソッ
みこと
あの時言った言葉が今の俺に深く刺さる。
あの時はらんらんの下手な嘘に向けて言った言葉だった。
だけど、何もできてなかったのは俺だった。
みこと
かあさん、らんらん…ッごめん…ッ
こんな…ッ出来損ないでッごめん……ッ
ずっと、ずっと後悔してる。
こんな俺が母さんの元に生まれてきてしまったこと、
誰かの…ストレスの原因となることも、俺の存在が誰かを傷つけるのも…
みこと
躁状態の俺も、鬱状態の俺も
……ずっと苦しんだままなのかな…ッ?
みこと
……逃げ出してしまいたいッ。
誰彼も置いていって、独り地獄にでも落ちてしにたい。
みこと
「唹れヲ狐絽乄」
コメント
4件
みこちゃん"んん"ん"~ッ!!! (? 大丈夫かぁ!?!?そんな過去があったなんて、、、辛かっただろうなぁ、、😭 ( ? 上手すぎる〰️🫵✨