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小 夜

お姉ちゃ ー ん 、
行ってくるね

慣れないメイクをして 手に光り輝くモノが乗っている 。

今日は可愛くしなくちゃ いけない理由があった 。

君に可愛いって思ってもらわなきゃ

夏野くんの為に 頑張ったのだから 。

真 夜

あれっ 小夜が可愛い

真 夜

もしかしなくとも夏野くんかぁ 、

孫を見る祖母の目をし乍 、 何時もと少しだけ違う私を

上から下迄ゆっくりと眺めた 。

真 夜

大丈夫だと思うけど

真 夜

気を付けていってらっしゃい !

玄関ドアを勝手に開けて 私の背中を押し 、送り出す 。

お姉ちゃんの圧が ほんの少し強くて一歩が容易だ 。

もう少しで苗字が変わるお姉ちゃんが

何処と無く綺麗に見えた 。

視界の半分以上は 魚で埋め尽くされている

名前は解からないけれど 、

取れも此れも美しいと思う 。

視界の残り半分は 夏野くんしかいなかった 。

水槽をぐるり 、と見廻し 視界の全てを夏野くんで埋めた 。

少し眺め 、夏野くんも此方を向いた

視線がぶつかる 。

夏野くんは創ったのか 、 自然なのか解からない笑みを浮かべ

私の指先を絡ませた 。

じんわり伝わる熱が 、 私も握り返してしまう

夏 野

手 、冷たいね

小 夜

緊張してたからかな

前にいるお客さん達の後ろで 水族館とは関係無い会話をした

否 、君となら何でも良いや

夏 野

あの水槽の近くなら
1人分空いてるよ

夏野くんが誘導しようとしたのは 此処からほんの少し離れた所

私に言ってるって事はきっと

君は此処で 眺めるつもりなんだろう

折角繋いだ手がするりと 抜けていく

其の感覚は考えただけで不快だ 。

小 夜

行かなくてもいいかな

夏野くんに聞こえればいいや

其れを考え 何時もより小さく呟いた 。

そして手の熱が 限界値に辿り着くよう

また強く握り返してみた 。

夏 野

そうだね

夏 野

俺も離れたくないや

其の倍は強く握ってくれる君を 永遠に愛したい

なんて重いかな 、? 笑

小 夜

送り迎え本当にありがとね

デートへ向かう時には 恥ずかしくて黙ってしまった 。

少し会話が弾んで感謝も伝えられた

ほんの少しの達成感が 私は君を好きになる

夏 野

じゃあ 、お返しとか
お願いしていい?

急なお願いに目を丸くした

夏 野

俺ともっと沢山の所行こう

そんな事は簡単で 、 お願いをする迄も無いのに

小指を差し出す夏野くんは 愛おしいの 。

小 夜

色んなとこに私を連れてってね

そして2人分の小指が絡む 。

距離が何の位進もうと 、 お互い離れない

お互いが離さない

夏 野

今日小夜ちゃん可愛いよね

絡んだ小指を見つめ乍 口角を上げてしまった 。

気付いてくれないと思ってた所を 純粋な眼で褒めてくれた 。

矢っ張り大好き

小 夜

ちょっとだけ頑張った

夏 野

其れは俺の為?

少しだけ視線が此方へ向いた

そして笑って私に問う 。

嗚呼狡いな 、 なんて君には伝えてあげない

小 夜

そうかもしれなくもない

夏 野

勝手に勘違いしておくね

其の勘違いは私の大正解かもね

そんな言葉は伝わらなくても きっと解ってしまうよね

だって顔がずっと火照ってる

君という熱に炙られたもの 。

夏 野

はい 、到着です

纏め始めた荷物を 夏野くんも手伝ってくれる

紳士だなと最後迄知り尽くした 。

小 夜

有難う 、また行こうね

そう言ってドアノブに手をかけた 。

筈なのに優しく引っ張られて 夏野くんの方を向いていた

そして気がつけば 顔が近くにある 。

瞬きの間に唇が重なっていた 。

夏 野

もう約束したからね

唇が離れて直ぐ 、 飛び出すように出てしまった

でも手は小さく振っている 。

冷めた筈の熱は燃え盛り 、 疑問が脳を支配し乍も

帰路を辿った

其の後家で直ぐ 目を合わせたお姉ちゃんに

顔が紅い理由を追及されたのは また別の話にしていたい

fin

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コメント

8

ユーザー

悶えポイント見事全てでにやにやしました(( 時雨の結婚式とか生で見たい( は いやー、えー、、天国ですか????

ユーザー

ぐぁ無事尊死(( もう少しで苗字が変わる、見た瞬間目を見開いてニヤけた🫠( 何ですかこの可愛いを極限まで具現化したカップル(?) 手繋いでるとこの気持ちもきゃわ‪︎💞 夏野くん色々とスマートすぎるっっ?! そして’小夜ちゃん’呼びで完全にやられた😇満足すぎました!!

ユーザー

(絶命

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