小 夜
慣れないメイクをして 手に光り輝くモノが乗っている 。
今日は可愛くしなくちゃ いけない理由があった 。
君に可愛いって思ってもらわなきゃ
夏野くんの為に 頑張ったのだから 。
真 夜
真 夜
孫を見る祖母の目をし乍 、 何時もと少しだけ違う私を
上から下迄ゆっくりと眺めた 。
真 夜
真 夜
玄関ドアを勝手に開けて 私の背中を押し 、送り出す 。
お姉ちゃんの圧が ほんの少し強くて一歩が容易だ 。
もう少しで苗字が変わるお姉ちゃんが
何処と無く綺麗に見えた 。
視界の半分以上は 魚で埋め尽くされている
名前は解からないけれど 、
取れも此れも美しいと思う 。
視界の残り半分は 夏野くんしかいなかった 。
水槽をぐるり 、と見廻し 視界の全てを夏野くんで埋めた 。
少し眺め 、夏野くんも此方を向いた
視線がぶつかる 。
夏野くんは創ったのか 、 自然なのか解からない笑みを浮かべ
私の指先を絡ませた 。
じんわり伝わる熱が 、 私も握り返してしまう
夏 野
小 夜
前にいるお客さん達の後ろで 水族館とは関係無い会話をした
否 、君となら何でも良いや
夏 野
夏野くんが誘導しようとしたのは 此処からほんの少し離れた所
私に言ってるって事はきっと
君は此処で 眺めるつもりなんだろう
折角繋いだ手がするりと 抜けていく
其の感覚は考えただけで不快だ 。
小 夜
夏野くんに聞こえればいいや
其れを考え 何時もより小さく呟いた 。
そして手の熱が 限界値に辿り着くよう
また強く握り返してみた 。
夏 野
夏 野
其の倍は強く握ってくれる君を 永遠に愛したい
なんて重いかな 、? 笑
小 夜
デートへ向かう時には 恥ずかしくて黙ってしまった 。
少し会話が弾んで感謝も伝えられた
ほんの少しの達成感が 私は君を好きになる
夏 野
急なお願いに目を丸くした
夏 野
そんな事は簡単で 、 お願いをする迄も無いのに
小指を差し出す夏野くんは 愛おしいの 。
小 夜
そして2人分の小指が絡む 。
距離が何の位進もうと 、 お互い離れない
お互いが離さない
夏 野
絡んだ小指を見つめ乍 口角を上げてしまった 。
気付いてくれないと思ってた所を 純粋な眼で褒めてくれた 。
矢っ張り大好き
小 夜
夏 野
少しだけ視線が此方へ向いた
そして笑って私に問う 。
嗚呼狡いな 、 なんて君には伝えてあげない
小 夜
夏 野
其の勘違いは私の大正解かもね
そんな言葉は伝わらなくても きっと解ってしまうよね
だって顔がずっと火照ってる
君という熱に炙られたもの 。
夏 野
纏め始めた荷物を 夏野くんも手伝ってくれる
紳士だなと最後迄知り尽くした 。
小 夜
そう言ってドアノブに手をかけた 。
筈なのに優しく引っ張られて 夏野くんの方を向いていた
そして気がつけば 顔が近くにある 。
瞬きの間に唇が重なっていた 。
夏 野
唇が離れて直ぐ 、 飛び出すように出てしまった
でも手は小さく振っている 。
冷めた筈の熱は燃え盛り 、 疑問が脳を支配し乍も
帰路を辿った
其の後家で直ぐ 目を合わせたお姉ちゃんに
顔が紅い理由を追及されたのは また別の話にしていたい
fin
コメント
8件
悶えポイント見事全てでにやにやしました(( 時雨の結婚式とか生で見たい( は いやー、えー、、天国ですか????
ぐぁ無事尊死(( もう少しで苗字が変わる、見た瞬間目を見開いてニヤけた🫠( 何ですかこの可愛いを極限まで具現化したカップル(?) 手繋いでるとこの気持ちもきゃわ︎💞 夏野くん色々とスマートすぎるっっ?! そして’小夜ちゃん’呼びで完全にやられた😇満足すぎました!!
(絶命