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その言葉を聞いた瞬間、空気が止まった気がした。
僕
自分でも驚くくらい、間の抜けた声が出た。
少年は笑わなかった。
その代わり、少しだけ首を傾げた。
少年
その一言で、冗談という選択肢が静かに潰れていく。
僕はドアの鍵に手をかけたまま、しばらく動けなかった。
湿った空気の中で、時間だけが妙に長く伸びる。
僕
気づけばそう言っていた。
言った後で、自分の声が一番信じられなかった。
部屋は狭かった。 何もない、と言っていいほど何もない。
テレビも、趣味の物もない。ただ生活だけが置かれている空間。
少年は靴を脱がずに一歩入ってから、ようやく視線を動かした。
少年
僕
少年
このやりとりが、妙に現実的で、逆に気持ち悪かった。
さっきまで“心中”とか言っていた相手が、ただの子供みたいに見えてしまう瞬間がある。
そのたびに、さっきの言葉が引き戻してくる。
"僕と一緒に心中してくれる人を見つけるため。"
少年
少年が、ベッドの縁に腰を下ろしながら言った。
少年
僕
少年
何がちょうどいいのか、聞く前に続きが来た。
少年
僕
少年
それは“心中”よりも、少しだけ現実的な響きだった。
でもその分だけ、余計に危うい。
僕
そう聞いた瞬間、少年は少しだけ目を細めた。
少年
僕
少年
それだけだった。
理由になっていないのに、なぜか納得してしまいそうになる。
沈黙の中で、雨の音が強くなる。
そのとき、少年の袖口が少しずれた。
白い腕に、うっすらと痣があった。 僕は視線を逸らした。
見なかったことにするか、一瞬迷った。 でも結局、口が勝手に動く。
僕
少年は自分の腕を見て、それからどうでもよさそうに袖を戻した。
少年
僕
少年
"よくあるやつ"
その言い方が、妙に慣れていて、何も聞けなくなる。
時計の音だけが、部屋に落ちている。 僕はようやく気づく。
この子は、助けを求めているわけでもないし、説明する気もない
ただ、ここにいる。
それだけで完結している存在だった。
少年
少年
その言葉は、甘いのか危険なのか、判断がつかなかった。 ただ一つだけわかったのは――
退屈だったのは、たぶん僕の方だということだった。
インターホンが鳴ったのは、その直後だった。 短く、乾いた音。
僕は反射的に玄関の方を見た。
少年は動かなかった
代わりに、小さく笑った。
少年