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お嬢
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HISAKI𓃠
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コメント
11件
まじですごいですね! 続き楽しみ~!


深い闇の中から、ゆっくりと意識が浮上してくる
俺はハッと目を開き、勢いよく上体を起こした
ゆあんくん
ゆあんくん
慌てて自分の体を見回し、動かしてみる
手も足も、さっきまでのトラックの衝撃や痛みが嘘のように軽かった
ほっと胸をなでおろした瞬間、周囲の異常な静けさに気づく
見渡す限り、どこまでも続く真っ暗な空間
自分の足元だけが、なぜかぼんやりと白く光っていた
ゆあんくん
ゆあんくん
誰もいない闇に向かって声を張り上げた、その時
頭上から、パササッ、と羽が羽ばたくような、軽やかな音が響いた
驚いて見上げると、真っ暗な空間を小さな白い光がひらひらと舞い降りてくる
よく見ると、それは背中に真っ白な羽を生やした、猫ほどの大きさの、小さな男の子だった
天使
男の子の天使は、俺の目の前でふわりと滞空しながら、いたずらっぽく小首をかしげた
あまりにも場違いな軽いトーンの言葉に、ゆあんは思わず声を裏返らせる
ゆあんくん
ゆあんくん
天使
天使
天使
天使は俺の周りを、観察するかのようにぐるぐると飛び回り、呆れたようにため息をついた
天使
天使
天使
天使
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
拳をギュッと握りしめ、いつものように前を向いて歩き出そうとした俺
しかし、その行く手を遮るように、小さな天使がパサパサと羽を鳴らして目の前に回り込んだ
天使
天使
ゆあんくん
ゆあんくん
「何言ってんだ?」と不思議そうに首を傾げる俺を見て、天使はパチンと額に手を当て、呆れたように小さくため息をついた
天使
天使
天使
天使
ゆあんくん
頭を殴られたような衝撃が俺を襲う
声が聞こえない
姿も見えない
それじゃあ、どうやってみんなに「ありがとう」を言えばいいというのか
目の前の景色が、急に歪んでいくような絶望感が押し寄せる
ゆあんくん
ゆあんくん
俺はうつむき、悔しそうに拳を震わせる
そんな俺の鼻先に、天使がふわりと近づき、ニヤリと生意気な笑みを浮かべた
天使
天使
ゆあんくん
天使は俺の周りをひらひらと飛びながら、人差し指を立てて残酷な現実を告げる
天使
天使
天使
天使の言葉が、重く静かな闇に響く
自分の魂が少しずつ消えていく恐怖
二度とみんなと話せない現実
それでも、俺の脳裏に浮かぶのは、最後の通話でボロボロに泣き叫んでいた、大好きな仲間たちの顔だった
自分のせいで、みんながずっと泣いているのは嫌だ
俺がいなくなっても、からぴちには、ずっと笑っていてほしい
俺は深く息を吸い込み、顔を上げた
その瞳には、もう迷いは一切なかった
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ひまわりのように真っ直ぐな、力強い決意の言葉
それを見た天使は、「へぇ、言うねぇ」と楽しそうに笑い、パチンと小さく指を鳴らした
その瞬間、真っ暗だった世界がまばゆい光に包まれ、2人の姿を飲み込んでいく
――消えゆく幽霊の、切なくて温かい「ありがとう」の旅が、今、始まった