わたしは、古典が大好き。
高校一年生の、奥村いぶきです。
その中でも、千年も前に詠まれた
百人一首は、とっても共感できるんだ。
いぶき
(国語の時間ってやっぱり好きだな)

いぶき
(あっ)

女子
はぁーー

女子
今日もカッコよかったよぉーー!

女子
もう、好きすぎて辛い...

女子2
もー!大丈夫。

女子2
あんたホントに好きが溢れちゃってるねー

女子2
頑張ろー!ねっ?

いぶき
(あの子は...)

いぶき
(筑波根の...)

筑波根の みねより落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
いぶき
(あなたを想う気持ちが積もりに積もって)

いぶき
(深い淵となってしまう)

いぶき
(そんな恋だなー)

いぶき
(あっ、あの子は...)

なんて私は、すぐに百人一首の歌と
重ねてしまうんだ。
いぶき
(自分の恋は全然ダメなのになー)

男子
おい、かなた!

かなた
んー?

いぶき
(かなたくん。)

いぶき
(私の恋の相手)

いぶき
(同じクラスだけど、遠い存在)

いぶき
(話すことなんてないだろうなー)

先生
あ、奥村ー。

いぶき
はい?

先生
ちょっとこれを

先生
準備室に運んでくれないか?

いぶき
(うわー、多いな)

いぶき
はい、分かりました。

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いぶき
(やっぱり重たい!)

いぶき
(ちょっと休憩...)

かなた
うわっ!重そー!

かなた
これ女子1人でって無理があるだろ

いぶき
...えっ!かなたくん!?

かなた
先生もバカだよなー

かなた
奥村、俺が変わるよ。

いぶき
ううん!大丈夫どよっ!

かなた
...ぷっ!大丈夫どよってなんだよ

いぶき
(わっ!思いっきり噛んじゃった!)

いぶき
(かなたくんの前で、恥ずかしいよ〜)

かなた
奥村って実は面白いよな!

いぶき
えっ!/////

かなた
って、話が脱線した

かなた
奥村、持つの変わるって!

いぶき
いいよ、いいよ!

いぶき
私が頼まれたんだしっ!

いぶき
大丈夫っ!

かなた
んー、でも奥村は女子だぞ?

かなた
男を頼っていいんだよ?

いぶき
...

いぶき
じゃあ

いぶき
半分だけ持ってください...。

いぶき
そしたら一緒に...

いぶき
(一緒に歩いて行けるから...)

かなた
え?

いぶき
あ、ううん!

かなた
じゃあ半分持ちます。

いぶき
はいっ!

かなた
なんだこれっ笑

いぶき
へへっ!

いぶき
(やばい、どうしよう!)

いぶき
(かなたくんとおしゃべりできちゃった!)

いぶき
(嬉しすぎるよー)

女子3
ねー、かなたー!

かなた
なんだよ

女子3
その音楽、私にも聴かせて!

かなた
おー、いいよ

いぶき
(あ...)

いぶき
(苦しいな)

いぶき
(私のこの想いは絶対に言えない。)

女子3
めっちゃいい曲!

かなた
だろー?

いぶき
(私の恋、百人一首で表すなら)

いぶき
(かくとだに...かな)

いぶき
(伊吹のさしもぐさのように熱く燃える)

いぶき
(私の心なんて)

いぶき
(あなたは、知らないでしょうね)
