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忘れられない恋 第9話

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忘れられない恋 第9話

1 - 忘れられない恋 第9話

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2019年06月21日

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いりな

実は、ずっと
言ってなかったんだけど

いりな

私、引田君と住一君と一緒の中学校だったんだけど………

いりな達が中学二年になった年、

引田と住一は同じクラスで いりなは別のクラスにいた。

それまで何事もなく平和と言っていい程、穏やかな日々だった。

引田翔一(中学二年生)

あれ、マジでよかったよな

(中学二年生)クラスメイト

ほんと、最高だった

(中学二年生)クラスメイト

今度また違う映画、観に行こうぜ

引田翔一(中学二年生)

そーだな

引田は今と同じように、 いつでもクラスの中心にいて みんなをまとめる役割をしていた。

(中学二年生)クラスメイト

しょう!たいへん!

ある日事件が起きた。

(中学二年生)クラスメイト

教室、ヤバイことになってる

引田翔一(中学二年生)

えっ?

ある日の朝、引田達が登校してくると早々にクラスの男子が引田を呼びに来た。

沢木(中学のクラスメイト)

ってめぇ、お前がやったんだろ?

うつみ(中学のクラスメイト)

ほんと、違うんだってば!

うつみ(中学のクラスメイト)

朝来たらこうなってて

沢木(中学のクラスメイト)

いつも朝一番に来るのはお前なんだよ!

沢木(中学のクラスメイト)

お前しかいないんだよ!

うつみ(中学のクラスメイト)

だから………違うっ

(中学二年生)クラスメイト

信じられないよな

(中学二年生)クラスメイト

真面目だと思ってたけど
こんなことするなんてな

(中学二年生)クラスメイト

ほんと、最低だよな

引田翔一(中学二年生)

どうしたの!?

沢木(中学のクラスメイト)

しょう、見ろよ

沢木(中学のクラスメイト)

こいつが教室をこんな風にめちゃくちゃにしたんだぜ

うつみ(中学のクラスメイト)

違うんだよ

うつみ(中学のクラスメイト)

何回言ったら信じてくれるの?

沢木(中学のクラスメイト)

お前のほかに誰がやるんだよ!

教室が何者かによってめちゃくちゃになっていた。

黒板にはひどい文字とぐしゃぐしゃに描かれた絵

教室中の机がチョークの粉で汚され、 あげくにマジックペンで半分以上の机にもひどい言葉が書かれ 教室のそこら中に散乱していた。

住一(中学二年生)

ひどいな………これ………

沢木(中学のクラスメイト)

全部、お前がやったと白状しろよ!

うつみ(中学のクラスメイト)

そんな………

引田翔一(中学二年生)

待って………

引田翔一(中学二年生)

これ本当にうつみがやったのか?

引田翔一(中学二年生)

本人が否定してるのに本当にそれでいいの?

引田翔一(中学二年生)

うつみはこんなことするような人間じゃないことくらいわかるだろ?

うつみ(中学のクラスメイト)

引田君………

沢木(中学のクラスメイト)

はっ?

沢木(中学のクラスメイト)

しょう、こいつのことかばうのかよ?

引田翔一(中学二年生)

ああっ

引田翔一(中学二年生)

だってやってないって本人が言ってるんだよ?

引田翔一(中学二年生)

うつみが嘘をつくなんて絶対ない

引田翔一(中学二年生)

ましてや、このクラスにこんなことする人なんていない

引田翔一(中学二年生)

俺はそう思う。

沢木(中学のクラスメイト)

さっきから聞いていれば

沢木(中学のクラスメイト)

お前は何様だ?

沢木(中学のクラスメイト)

俺達の教室、こんな風にされてんだぞ

沢木(中学のクラスメイト)

犯人がいないのはおかしいだろ?

沢木(中学のクラスメイト)

こいつがやったんだよ

沢木(中学のクラスメイト)

このメガネ野郎が

引田翔一(中学二年生)

決めつけるのはダメだろ

引田翔一(中学二年生)

犯人探しなんて後ででいいから先に片付けよう

沢木(中学のクラスメイト)

ふざけんなよ!

引田の胸ぐらを掴んだ

沢木(中学のクラスメイト)

何いい子ちゃんぶってんの?

沢木(中学のクラスメイト)

お前の頭は平和過ぎるんだよ

引田は頬を殴られ倒れた

沢木(中学のクラスメイト)

前々から思ってたけどお前目障りなんだよ

沢木(中学のクラスメイト)

俺は正義のヒーローです

沢木(中学のクラスメイト)

平和が好きです

沢木(中学のクラスメイト)

みたいな顔してさ

沢木(中学のクラスメイト)

うぜぇんだよなそういうの

沢木(中学のクラスメイト)

でしゃばるな!偽善者!

沢木(中学のクラスメイト)

何もできないのに、みんなからチヤホヤされて

沢木(中学のクラスメイト)

ほんと、うぜぇ

住一(中学二年生)

もうよせよ!

住一(中学二年生)

沢木もいったん落ち着こう

(中学二年生)クラスメイト

片付けよう……か……

(中学二年生)クラスメイト

そう、だね……

沢木(中学のクラスメイト)

ちっ、覚えておけよ

引田の耳元で小さく吐いていった。

住一(中学二年生)

しょう、大丈夫か

引田翔一(中学二年生)

ああっ

引田翔一(中学二年生)

ありがとう

引田は住一に 保健室へと連れられて行った

沢木の目つきが頭から離れられず、 殴られた左頬にはアザができ、 唇も少し切れて血が出ていた。

住一(中学二年生)

とりあえず、俺も教室片付け手伝ってくる

住一(中学二年生)

沢木も冷静になれば落ち着くだろ

引田翔一(中学二年生)

ああっ

住一が保健室から出ていく

引田はそれまでこらえていた涙を流した。

引田翔一(中学二年生)

俺、あんな風に思われてたんだ………

保健室の先生

引田君、どうしたの?

引田翔一(中学二年生)

ぜんぜん知らなくて………

引田翔一(中学二年生)

俺、偽善者だなんて………

保健室の先生

引田君?

引田はそのまま走り出し、 学校から飛び出していった。

自分のしてきたことが 間違いだったのか

自分はただ、みんなとずっと笑顔でいたいだけだった

それの何が悪かったのか

事件から三日後、 あれから休んでいた引田は 住一に連れられ学校へと登校した。

住一(中学二年生)

大丈夫だ

住一(中学二年生)

みんな普通だったし、教室もキレイになった

住一(中学二年生)

沢木も落ち着いてて

住一(中学二年生)

しょうに謝りたいってさ

引田翔一(中学二年生)

うん、ありがとうな

引田翔一(中学二年生)

すみ

引田が靴を下駄箱にしまい シューズを取り出すと シューズの中に画ビョウが沢山入っていた。

引田翔一(中学二年生)

なんで………

住一(中学二年生)

えっ………

言葉を失う二人。

二人は無言のまま教室へと向かった。

教室には沢木とその他10人位が二人をにらみながら立っていた。

沢木(中学のクラスメイト)

よおー、偽善者

その言葉に引田は顔を歪ませた。

沢木(中学のクラスメイト)

洗礼はどうだった?

住一(中学二年生)

沢木!お前!

住一が突っかかろうとすると引田が止めた。

沢木(中学のクラスメイト)

お前の机、きれーいにしておいてあげたから

引田は自分の席の方を見ると走り出しどこかへ行ってしまった。

沢木(中学のクラスメイト)

ざまー、ねぇーなー

(中学二年生)クラスメイト

沢木のおもてなしが効いたか

住一(中学二年生)

お前、しょうに謝りたいって言ってたのに

住一(中学二年生)

どーして

沢木(中学のクラスメイト)

そーでも言わなきゃ

沢木(中学のクラスメイト)

俺のおもちゃは来ないと思ったから

沢木(中学のクラスメイト)

サンキュー、住一

住一は沢木を睨み付けると引田の走って行った方へと追いかけて行った。

住一が引田を探していると階段の踊り場の隅で小さくなっていた引田をみつけた。

住一(中学二年生)

しょう悪い、本当にごめん。

住一(中学二年生)

まさか沢木がお前を誘き寄せる(おびきよせる)ためにとは知らなくて

引田は泣いていた。 住一の声も聞こえていないくらい泣いていた。

そこへ心配そうに うつみが歩み寄ってきた。

うつみ(中学のクラスメイト)

引田君、僕のせいでごめんね

うつみ(中学のクラスメイト)

僕を庇わなかったらきっとこんなことには

うつみは引田の耳元で小さくささやいた。

うつみ(中学のクラスメイト)

でも、ありがとう

うつみ(中学のクラスメイト)

引田君のおかげで助かったよ

うつみ(中学のクラスメイト)

教室、汚したの僕なんだ

うつみ(中学のクラスメイト)

引田君、ほんと鈍いよね

住一へと顔を向けるとうつみはニコッと笑いこけた。

うつみ(中学のクラスメイト)

引田君には本当に感謝してる

うつみ(中学のクラスメイト)

ありがとう

引田は震えていた。

いりな

引田君、それからずっと学校には来なかったの

いりな

部屋に引きこもり、誰とも会わないようにしていたみたい

いりな

でも、唯一心を許していたのは住一君だったから彼がいつも引田君の家に行って引田君を何度も学校へ来させようとしていたみたいなんだけど

いりな

駄目だった。

いりな

引田君、かなりまいってたみたいで鬱みたいになってたらしくて

いりな

病院に通院していたみたいなの

いりな

たぶん今も時々遅刻して来る時は病院へ行ってから学校来てるんだと思う

いりな

高校では誰にもその事を知られてない。

いりな

私も住一君に口止めされていたから

いりな

引田君、裏切られていじめされかけたから人を信じられなくなっていたの

いりな

私は当時、噂でしか聞いてなかったから詳しくは知らないけど高校に入る前に住一君と話をして三人で秘密にしようって。

いりな

引田君、彼は高校で変わろうと努力したから

いりな

その努力を無駄にしないようにって

いりな

でも、ふみには伝えておく

いりな

引田君を好きになったのなら

いりな

あなたも引田君をこの学校で守る義務があるから

いりな

本当は引田君、本人の口から直接聞いた方がよかったのかもしれないけど

いりな

私はふみを信じてるし、ふみの恋を応援するから

ふみは泣きながら何度もうなずいた。

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