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知ってしまった意外な事実 【白赤】

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知ってしまった意外な事実 【白赤】

1 - 知ってしまった意外な事実 【白赤】

♥

260

2022年07月16日

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※短い

赤side

ほとけ

えへへぇ、しょーさーん//

初兎

うわ...いむくん酔っとんな

りうら

止められなかった...

とある居酒屋での事。

俺、初兎ちゃん、ほとけっちの子供組と呼ばれる三人は俺の家の近くにある居酒屋に集まった。

理由としては__俺と初兎ちゃんが恋人関係になったことを、ほとけっちに伝えるため。

ほとけ

だって、初兎ちゃんとりうちゃんがようやく付き合ったんだよ?!

ほとけ

ほんっと遅いよ!

ほとけ

僕がどれだけ二人の相談乗ってる途中で『早くくっつけよ!』って考えたと思ってるの?!

初兎

...その件に関してはホンマに

りうら

お世話になりました...

早速ほとけっちへと報告を行うと、 彼は今まで吐き出すことの出来なかった言葉を、今ならとジョッキ片手に叫び続ける。

俺たち二人は、お世話になった人に言い返しは出来ず、 ただ謝罪を繰り返した。

既に赤く染まった顔を机に押し付けると、ほとけっちは小さく唸って 酒の力によって溢れ出す思いを ただ連ねていく。

ほとけ

うぅ...僕だって恋した事はあっても、誰かと付き合った事は無いのに、『相談乗って』って言われても良い答えなんて返せるわけないでしょ...

ほとけ

だいたい二人は鈍感すぎるんだよ

ほとけ

鈍感が擬人化して歩いてる様なないちゃんでさえ、二人が両片想いなの気付いてたんだから!

ほとけ

いふくんとか兄貴だって__

りうら

(あっ、これ面倒なやつ...)

相談に乗ってもらったのに悪いとは思うが、ぐちぐちと両片想い期の事を語り出すほとけっちに少しばかりそんな事を思う。

時折ほとけっちの方から匂ってくる酒の匂いを誤魔化すために、 酒と共に頼んだポテトを摘んで口に放り込んだ。

初兎

あー...俺、ちょっとトイレ行ってくるわ

りうら

あ、うん。行ってらっしゃい...

りうら

(初兎ちゃん...逃げたな)

気まずそうに立ち上がった初兎ちゃんにぎろりと睨む視線を送って、 俺は大きくため息をつく。

ただでさえ酔った大人達の世話などした事ないのに、完全に酔っ払ったほとけっちの相手など 務めることが出来るのだろうか。

喉に流れないポテトを お茶で流し込みながら、 俺は机の上に項垂れるほとけっちに 水の入ったコップを進める。

りうら

ほら、水飲みな?

ほとけ

...ん、ありがと

ジョッキと入れ替わりにコップを持ったと思ったほとけっちは、 なぜか水の水面を見ながら ボーッと動かない。

不思議に思った俺は、 ほとけっちに尋ねる。

りうら

どうしたの、ほとけっち

ほとけ

...ねぇ、りうちゃん

ほとけ

告白ってどっちからだった?

りうら

...へぁっ?!//

ほとけっちの質問に、 今度は俺の顔が赤く染まる。

ぼんやりとした瞳で俺を見上げる彼に、俺は羞恥心の中ボソリと呟いた。

りうら

...初兎ちゃんから//

ほとけ

...そっか

なぜだかほとけっちは優しく微笑む。

それから力を抜いていた体を起こして、俺にいつも見せる笑顔のまま教えてくれた。

ほとけ

いやね、初兎ちゃんって今まで自分から告白した事ってなかったんだよ

ほとけ

大体好きになった人がいなかったと言うか...

ほとけ

...だからりうちゃんが初めてなんだよ

ほとけ

初兎ちゃんにとって、初恋であり初めての恋人なんだ

りうら

俺がはじ、めて...

するとほとけっちは視線を机に送り、 片手に握った一杯の水を 一息で飲み切る。

その間俺は初兎ちゃんの事を脳内に思いながら、顔を俯かせた。

初兎

おっすおーっす...ってりうちゃん?

初兎

なんや顔赤いなぁ...あっ、もしかしていむくん、りうちゃんに酒飲ませた?!

ほとけ

んな訳無いでしょ...

酔いの冷めてきたほとけっちは、 睨んでくる初兎ちゃんに ため息をつきながら ポテトを一本箸で摘んで口に入れる。

そんな彼を見ながら、 初兎ちゃんは俺の隣に腰を下ろした。

初兎

でもホンマに大丈夫?

初兎

体調悪いなら帰ろうか?

りうら

だ、大丈夫、だから...//

ヤバい、 初兎ちゃんの顔が直視できない。

彼の可愛らしい顔を見るたびに、 ほとけっちの言葉が思い出される。

ほとけ

『初兎ちゃんって今まで自分から告白した事ってなかったんだよ』

りうら

(...それでも、勇気出してくれたんだ)

顔の温度が冷める事なく、 むしろどんどん上がっていく。

彼に見られない様にとそっと腕で顔を隠すと、「やっぱり体調悪い?」と 初兎ちゃんにすぐ腕を退かされた。

彼の顔がすぐ間近にやってくる。

__そういえば、 告白された時もこんなポーズだった。

嬉しさで赤くなった顔を思わず隠した 俺の腕を彼は退かして真っ直ぐな瞳で、俺に愛を伝えてくれた。

ほとけ

『初兎ちゃんにとって、初恋であり初めての恋人なんだ』

ほとけっちの言葉が、 再び脳内で再生される。

りうら

(俺も...なんだよな)

だから片想いだった時に 彼に告白する勇気が、 あと一歩の勇気が出なかった。

それでも初兎ちゃんは その一歩を怯えながらでも踏み出してくれた。

初兎

『好きやで、りうちゃん』

今度は彼が俺に告白してくれた、 夜の帰り道を思い出す。

__少しずつ収まり始めていた頬の緩みは、気づけば意識しても 直せないくらい緩んでいた。

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コメント

1

ユーザー

初コメ失礼します!( ˇωˇ )(尊死)

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