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毎日は淡々と過ぎていき、いつの間にか11月半ばになっていた

修学旅行も間近に迫っていた

先生

班は前決めた通りの班な。

先生

今日は班に分かれて自主研修の予定を決めてもらうぞ

先生

じゃ、始めろ

担任はそう言うと椅子に座って仕事を始めた

奏達

(自由だな)

俺は6班でメンバーは俺と俺の友達2人と歌織と歌織の友達2人だ

歌織は班になった友達2人にだけは病気のことを明かしている

途中までは隠していたが、やっぱり親友には隠し事はしたくないらしい

班メンバーA

奏達〜お前どこいきたい?

班メンバーB

歌織もどこいきたい?

奏達

俺は、ここだな

歌織

私はどこでも

班メンバーC

え〜それじゃ寂しいよ〜

班メンバーD

みんな行きたいところを挙げようか

班メンバーC

賛成〜ほら、歌織も!

歌織

えっと、そうだなぁ

急に振られて慌てた歌織は少し考えて俺と同じところを指した

班メンバーA

お前らってほんと似たものだよな

班メンバーB

確かに。喧嘩する時とかないの?

歌織

結構あるよ?

奏達

あぁ、買い物の時とかな

班メンバーB

なになに〜聞きたい〜

歌織

え〜じゃあ1番長く喧嘩した時でいい?

班メンバーC

やった〜聞くきく〜!

修学旅行の話からかわり、俺たちの喧嘩した時の話になった

歌織は思い出すかのようにゆっくり話しだした

歌織

あれは私たちがまだ8歳の時で

9年前

幼き時の歌織

そうた!かくれんぼしよう!

幼き時の奏達

いいよ!

休みの日はよく俺の家で一緒に遊んでいた

その日も一緒に遊んでいた

奏達の妹

さくらも一緒にやる〜!

幼き時の奏達

わかった!俺が鬼ね!いくよ!

幼き時の奏達

いーち、にーい、さーん、しーい

幼き時の奏達

……じゅう!

幼き時の奏達

どこだろう?

しばらく探して妹のさくらを見つけた

けど歌織は見つけられず諦めて出てきてもらうことにした

幼き時の奏達

歌織の勝ち!どこー?

幼き時の歌織

ここだよ〜!

幼き時の奏達

そんなところに隠れていたの?

幼き時の歌織

ふふ、次は私が鬼!いくよー!

幼き時の歌織

いーち、にーい、さーん、しーい

幼き時の奏達

早く隠れないと!

幼き時の奏達

よし、ここならバレない

幼き時の奏達

今度こそは負けないもん

俺はお母さんの部屋に隠れた

かくれんぼが始まってから数分が経過した

幼き時の奏達

まだ来ないなぁ

と、退屈を持て余している時、ガチャと歌織が部屋に入ってきた

幼き時の奏達

(きた!)

幼き時の歌織

そうたもさくらちゃんもどこだろ?

幼き時の歌織

全然見つからないよー

幼き時の奏達

(バレてない!)

ソワソワしながら歌織が出ていくのを待っていた時

幼き時の歌織

わっ!!

幼き時の奏達

うわっあ!!

歌織が机をのぞいてきたのだ

幼き時の奏達

あっ!

ガシャーン!と、何かも一緒に割れてしまった

見るとそれはお母さんが大事にしていたネイルで割れて中身が飛び散っていた

きっと驚いたはずで机を下から叩いてそのはずみで落ちたのだろう

幼き時の歌織

あ……

幼き時の奏達

(ど、どうしよう)

幼き時の奏達

(お母さんに見つかったら怒られる)

幼き時の奏達

ど、どうしよう

お母さん

奏達?何してるの?私の部屋で

幼き時の奏達

あ、お母さん

幼き時の奏達

えっと、その

お母さん

!その、ネイル

バレた俺たちはお母さんからこっぴどく怒られた

お母さん

どうしてネイルを割ったの?

お母さん

お母さんの部屋には入らないでとなんども言っているでしょう!

幼き時の奏達

ごめんなさい

幼き時の歌織

ごめんなさい

怒られた俺たちはリビングで大人しくしとくと言う罰をもらった

歌織のお母さんもこっちに向かっているそうだ

幼き時の奏達

元はと言えば歌織のせいだもん

幼き時の歌織

なんで!

幼き時の奏達

歌織が脅かさなければ怒られなかったもん

幼き時の歌織

そうたがお部屋に入ったからだもん!

幼き時の奏達

でも歌織のせいだもん!

幼き時の歌織

そうただもん!

しばらく互いに言い合って睨み合って、ついには

幼き時の歌織

もういい!そうたなんか知らない!

幼き時の歌織

ぜっこーだから!

幼き時の奏達

こっちだって歌織なんか知らない!

幼き時の奏達

ふん!

幼き時の歌織

ふん!

と、喧嘩をした

歌織

てゆう喧嘩

班メンバーA

なんかしょーもないことで喧嘩してんな

歌織

あの時は1週間ぐらい口をきかなかったよ

班メンバーB

1週間も?あはは、すごいね

班メンバーD

結局どっちが謝ったんだよ

奏達

それを見かねたのか母親同士で話して

歌織

で、一緒にどこか出掛けて楽しんだの

歌織

そしたらいつのまにか仲直りしてた

班メンバーC

まじ?仲直りの仕方すご

班メンバーA

それより長い喧嘩はないのか?

奏達

ないよ

歌織

あれが1番長かったの

奏達

今思えばさくらに申し訳ないな

歌織

2人に挟まれてたもんね

班メンバーC

つまりはただ仲が深まった喧嘩と

歌織

あはは、てゆうか話し合いに戻ろう

班メンバーA

そうだな

奏達

……

あの頃は一緒にいるのが当たり前と感じていた

いつも一緒でどんなに長く喧嘩をしても時間が解決してくれた

けど今はそうじゃない

時間は有限。喧嘩したからと言って待っていては終わりが来る。喧嘩したまま終わってしまう

この楽しい生活も終わりが来る

奏達

(それが俺は怖いんだ)

いつまでも一緒にいたい。そう考えるのは欲張りなんだろうか

奏達

(…なんて)

奏達

何を考えてるんだろうな

決められたことはもう取り消せないのに

奏達

あっぶねー

奏達

水筒忘れたまま帰るとこだったわ

班メンバーC

えぇ!?

班メンバーB

歌織、修学旅行行けないの?

奏達

!!

歌織

あ、うん。実はそうなの

班メンバーC

そんなぁ

班メンバーB

じゃあ新井くんも行かないの?

歌織

ううん。奏達はいくよ

班メンバーC

そうなの?

歌織

うん。だから、私抜きで楽しんできて

班メンバーB

歌織は寂しくないの?

歌織

どうして?

班メンバーC

だって、歌織、泣いてるじゃん

歌織

!え、うそ

班メンバーB

もう一度聞くね。

班メンバーB

歌織は、寂しくないの?

歌織

……っ。寂しいよ寂しいに決まってる

班メンバーC

じゃあなんで

歌織

だって、私のせいで奏達の楽しみまで消したくなかったの!

班メンバーB

……歌織

歌織

ここ最近、ずっと体調が悪い

歌織

定期検査に行っても元気にしているのが奇跡だって言われる

歌織

だから、もうすぐ入院生活が待っている

歌織

もし修学旅行前に入院して、奏達に寂しいって、行かないでって行ったら

歌織

奏達は、その通りにしちゃう

歌織

私の願いを叶えようとしてくれる

歌織

でもそのせいで高校の最初で最後のイベントを無くさせたくはないの

歌織

だから、寂しいなんて、言えない…

班メンバーC

歌織……

班メンバーB

……もし元気だったとしても行かないの?

歌織

行けない。旅先で倒れたら迷惑がかかる

歌織

……っ。だからさ、私のことは気にせずにみんなで楽しんできて!

班メンバーC

でも……!

歌織

私からのお願い!ねっ、いいでしょ?

歌織

親友なら叶えてよ、ねっ!

班メンバーB

……わかった。楽しんでくる

班メンバーC

ちょっと、!

班メンバーB

でもその代わり、帰ってくるまでは勝手にいかないでね。約束

歌織

ふふ、そんな早くには行かないよ

班メンバーC

も〜仕方ないなぁ

歌織

ふふありがとう。さすが親友

奏達

……

奏達

なんで、なんで

奏達

なんで話してくれないんだよ

奏達

そんなこと思ってたんなら

奏達

あの時約束なんかしなかったのに

奏達

奏達

歌織のバカ
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