TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

10日目、昼

前日同様に、私達は手がかりを探していた

狂月 悠羅

うーん、特に手がかりは無し…か

私は食堂に来ていたが、これといった手がかりは見つけられなかった

長髪の女性

悠羅ちゃんお疲れ様

長髪の女性

ジュースいる?

ボブの女子

りんごジュースにオレンジジュース、ぶどうジュースなんかもあるよー

食堂でいつも料理を振舞ってくれる2人は、ペットボトルに入ったジュースを見せた

狂月 悠羅

じゃあ…オレンジジュースを貰います

ボブの女子

りょーかい

ボブの女子

はいどーぞ

狂月 悠羅

ありがとうございます…

パキッと音を鳴らしてペットボトルを開け、オレンジジュースを飲んだ

ボブの女子

お〜良い飲みっぷり

狂月 悠羅

まあ…喉乾いてたので…

執拗に話しかけてくる苛立ちか、手がかりが見つからない腹いせか、少しぶっきらぼうに答えた

狂月 悠羅

ジュース、ご馳走様でした

私はまだ半分ほど残っているペットボトルを食卓に置き、その場を去ろうとする

すると、話し声が聞こえた

長髪の女性

うーん、やっぱりピリついてるね

ボブの女子

まあ、手がかりっていう手がかりはまだそんなに見つかってないだもんねー

その言葉を背に聞きながら食堂を出ようとすると、妙にはっきりとした声で話しかけられる

ボブの女子

ねぇ、そろそろ次の手がかり欲しくない?

狂月 悠羅

っ…?!

私は驚いて、勢いよく振り返る

ボブの女子

あ、こっち見た〜

ボブの女子

そんなに離れてると話せないから、おいでよ

ボブヘアーの女子は、手招きをして私を呼んだ

狂月 悠羅

……

私は渋々その言葉に渋々従う

狂月 悠羅

手がかり、教えてくれるんですか?

私が尋ねると、長髪の女性が言う

長髪の女性

もう、地下は行った?

地下、それは昨日祐穂が通して貰えなかったところだ

狂月 悠羅

…昨日、話だけなら聞きました

狂月 悠羅

『団員のプライベートに関わるから通せない』…と

長髪の女性

なるほど…あの子はそう説明したんだね

ボブの女子

あーあー、そんなこと言ったら試験者達が条件達成できないじゃーん

長髪の女性

まあ、あの子アドリブ苦手だからね〜

狂月 悠羅

……??

困惑していた

“あの子”が“説明”した?

試験者達が条件を“達成できない”?

“アドリブが苦手”?

でも、1つ明らかなことがあった

狂月 悠羅

地下室と団員のプライベートは…関係ないってことですか?

私が尋ねると、2人は何かを含んだような笑顔でこちらを見た

そのうち、ボブヘアーの女子の笑顔に既視感を覚えた

狂月 悠羅

(あれ?この顔、つい最近も見たような…)

ボブの女子

“あれ?どうしたんですか?悠羅さん”

笑顔を見ながら考える私に、目の前の少女は狙ったように声をかける

狂月 悠羅

っ…!

声、口調、表情

そのどれもが記憶の中のとある人物と重なった

狂月 悠羅

貴女…由乃と関係があるの…?

恐る恐る、だけど確信を持って、目の前の少女に尋ねた

ボブの女子

あ、気付いた?

狂月 悠羅

……やっぱり、関係が…

私が呟くと、少女は胸に手を当てて名乗る

ボブの女子

私は雨葉由叶(あまたにゆと)

雨葉 由叶

キミも知ってる、あの由乃の双子の姉だよ

長髪の女性

ちなみに私は吹嵐咲希(すいらんさき)

吹嵐 咲希

カメレオン演劇団の4期生だよ

狂月 悠羅

4期生…

狂月 悠羅

由叶は、由乃の双子ということは、同じ8期生?

雨葉 由叶

その通り!

吹嵐 咲希

さて、地下室のことだったね

吹嵐 咲希

実は、地下室へは、とある“鍵”が無いと行けないんだ

吹嵐 咲希

団長達は、“偶然で条件を達成”することを望んでないからね

狂月 悠羅

鍵が必要…か……

私は若干落胆した

手がかりを得られたのはいいが、そこへ行くためには別の手がかりが必要なのだから

そんな様子を見たかどうだか、由叶が言う

雨葉 由叶

安心してよ

雨葉 由叶

鍵の“片割れ”は、既に見つかってるよ

吹嵐 咲希

さ、悠羅ちゃん達も頑張ってるし、私達も夕方のために仕込みしないとね!

雨葉 由叶

という訳だ

雨葉 由叶

引き続き頑張ってよ

2人はそう言うと厨房へ戻って行った

私はチラリと時計に目をやる

時刻は14時

狂月 悠羅

(こんな時間から仕込みだなんて…)

狂月 悠羅

(何人分の夕飯を作るつもりなんだろう)

食堂を出てしばらく歩いていると、祐穂に呼び止められる

清本 祐穂

あ、悠羅、ちょうど良かった

狂月 悠羅

祐穂?どうしたの?

清本 祐穂

昨日悠斗がクロスワードを見つけただろ?

狂月 悠羅

ああ、あの解答用紙だね

清本 祐穂

それの問題部分を見つけたんだ

狂月 悠羅

ほんと?

清本 祐穂

既に悠斗と健斗が解き始めてる

清本 祐穂

会議室へ行くぞ

狂月 悠羅

わかった

私達は会議室へ向かう

ガラガラ

扉を開けると、ホワイトボードにメモを書きながらクロスワードを解いていた

鏡狂 悠斗

あ、悠羅、来たか

神谷 健斗

クロスワードが見つかったから、解いてるところだ

狂月 悠羅

うん、祐穂から聞いた

狂月 悠羅

今はどこまで進んでるの?

鏡狂 悠斗

これが問題なんだが…

鏡狂 悠斗

今は縦の2問目まで解いたところだ

①答え:カメレオン演劇団(KAMEREON)

②答え:妖術師(YOJUTSUSHI)

神谷 健斗

で、こんな感じだな

TH??E??????L?V?

清本 祐穂

それじゃあ、3問目から続けて解いていこう

狂月 悠羅

そうだね

鏡狂 悠斗

吹雨希悠穂は演劇団の何か…

鏡狂 悠斗

団長だな

団長⇒DANCHO

神谷 健斗

4問目、村人を第1陣営とした時、妖狐は…第3陣営だな

第3陣営⇒DAISANJINEI

狂月 悠羅

あれ?何か単語が見えてきてる…かも…

狂月 悠羅

DEAD…AL…VE…ALIVE?

清本 祐穂

問題自体は簡単だし、解いて埋めた方が早いかもな

清本 祐穂

5問目は…人間だな

清本 祐穂

狂信者は人狼陣営だが、人間として数えられるからな

人間⇒NINGEN

狂月 悠羅

次は横だね

狂月 悠羅

1問目…この答えは私だね

狂月 悠羅

1番最初、4日目に友花に黒を出した

狂月悠羅⇒KURUTUKIYUIRA ※狂月(くるつき)の「つ」が「TSU」ではないのはミスです

鏡狂 悠斗

2問目、3日目夜に襲撃されたのは…晴輝だな

渡畑晴輝⇒WATAHATAHARUKI

※この問題の11文字目と、縦1問目の1文字目が接触しているのはミスです

神谷 健斗

3問目、真賢者は俺だな

神谷健斗⇒KAMIYAKENTO

清本 祐穂

4問目、俺の役職は霊能者だな

霊能者⇒REINOSHA

狂月 悠羅

最後、妖狐は莉奈だね

風谷弥莉奈⇒FUYAMIRINA

解答⇒THEDEADAREALIVE

狂月 悠羅

この文字って…

鏡狂 悠斗

やっぱり、そういう意味…だよな…

私達は導き出された文字を見て言葉を失う

それはそうだろう

だって、その文字は 「The dead are alive」

「死者は生きている」という風にしか読めないのだから

神谷 健斗

仮に生きてたとして、どこに…

健斗が呟き、私はそれをきっかけにとある言葉を思い出す

なるほど…あの子はそう説明したんだね

そんなこと言ったら試験者達が条件達成できないじゃーん

地下室へは、とある“鍵”が無いと行けないんだ

“偶然で条件を達成”することを望んでないからね

─鍵の“片割れ”は、既に見つかってるよ─

狂月 悠羅

狂月 悠羅

まさか、鍵ってこれのこと…?

悠羅が呟くと、悠斗達が目を見開く

鏡狂 悠斗

鍵って、どういうことだ?

狂月 悠羅

えっと、実は食堂の団員に──

私は、先程のことを説明した

鏡狂 悠斗

……なるほどな、確かに、その話ならこのクロスワードが鍵だということなのかもしれないな

神谷 健斗

1度このクロスワードを持って地下行ってみるか?

清本 祐穂

それがいいかもしれないな

清本 祐穂

“鍵”を持っていないと通して貰えないなら、これを持って行ったら通してくれるのかもしれない

狂月 悠羅

そうだね、行ってみよう

私達は、祐穂に案内されながら、地下室へ向かった

地下室に到着すると、そこにはツインテールの女子がいた

ツインテの女子

あ!試験者さん達!

ツインテの女子

こんにちは!

清本 祐穂

どうも

清本 祐穂

この先へ進みたいんだが…

祐穂が言うと、ツインテールの女子は申し訳ないと思っているのか、顔が曇る

ツインテの女子

ごめんなさい、この先は団員のプライベートで──

言いかけた時、私が持っていた紙に目が留まる

ツインテの女子

あ、それはクロスワード?

そう、私が持っていたのは解き終えたクロスワードの解答用紙だ

狂月 悠羅

そうです

狂月 悠羅

手掛かりを探したいので、奥に進んでもいいですか?

私が尋ねると、ツインテールの女子は笑顔になる

ツインテの女子

もちろん!

ツインテの女子

案内するよ

私達は、ツインテールの女子に案内してもらい、奥へと進む──

案内されてやってきたのは、寮のような場所だった

ツインテの女子

悠羅ちゃんはこの部屋に入ってね

その言葉に従って部屋に入ると、ツインテールの女子と祐穂達3人は別の場所へ行ってしまった

と同時に、声が聞こえる

??

悠羅ちゃん

??

悠羅ちゃん!!

聞き覚えのある声

声のした方を見ると、そこには見知った2人がいた

狂月 悠羅

莉奈…陽菜…

それは、人狼ゲームで死亡したはずの風谷弥莉奈と秋谷陽菜だった

狂月 悠羅

生きて…たんだ…

動揺があってか、気まずさがあってか、2人を直視することができずに、部屋を見渡す

表紙が黒で塗りつぶされた冊子に紅茶やコーヒーが入ったティーカップ

筆記用具ににティッシュケースやメモ用紙

それは正しく“生きている人間の生活”そのものだった

風谷弥 莉奈

ねぇ悠羅ちゃん

風谷弥 莉奈

私ね、苦しみながら死んだの

風谷弥 莉奈

心臓がギュッて締め付けられたようで…

風谷弥 莉奈

すごく、痛かったの

風谷弥莉奈:4日目襲撃 死因:賢者に占われたことによる呪殺

秋谷 陽菜

ねぇ悠羅ちゃん

秋谷 陽菜

私は、首を吊られたんだよ

秋谷 陽菜

首は縄が締め付けられて痛いし自分の体重でどんどん締まっていくし

秋谷 陽菜

すごく苦しかった

秋谷陽菜:6日目処刑 死因:絞殺

秋谷 陽菜

ほ、首に縄の痕が残ってるの

陽菜は赤黒い縄の痕を見せつける

狂月 悠羅

ひっ!

風谷弥 莉奈

ねぇ悠羅ちゃん

風谷弥 莉奈

なんで私は死ななきゃいけなかったの?

秋谷 陽菜

なんで私達は死んだのに、悠羅ちゃんは生きているの?

2人は私に徐々に詰め寄ってきた

狂月 悠羅

そんな…そんな……

狂月 悠羅

死にたくないのは私も一緒だったから!!

狂月 悠羅

だから、私にできることを精一杯頑張っただけ…

かつて仲良くしていた人から恨みのようなものを向けられ、私は恐怖で声が震えてしまっていた

私の言葉を聞いた2人は、少し黙った後、微笑んだ

秋谷 陽菜

そうだよね

秋谷 陽菜

悠羅ちゃんもみんなも、頑張っただけだもんね

風谷弥 莉奈

うんうん、そのくらいは、ちゃんとわかってるよ

その声は、先程までの問いかけるような声ではなく、宥めるような優しい声色だった

狂月 悠羅

莉奈…陽菜…

その声色に、私は落ち着きを取り戻した

秋谷 陽菜

悠羅ちゃん

秋谷 陽菜

もう察してるかもしれないけど…

秋谷 陽菜

この試験、死者は出てないんだよ

狂月 悠羅

てことは…全員、生きてるってこと?

風谷弥 莉奈

そうだよ!

風谷弥 莉奈

私達も、他のみんなも、全員生きてる

ほんとに死んだ人はいなかったという事実に安堵しつつ、私は疑問が1つ浮かんだ

狂月 悠羅

一体、どうして死を演出する必要があったんだろう…

狂月 悠羅

緊迫感とかなら、この方法じゃなくてもできたと思うんだけど…

私の質問に、2人は少し悩んだ

秋谷 陽菜

実は私達も考えたんだけど…

風谷弥 莉奈

明確な理由は思いつかなかったんだよね

狂月 悠羅

そっか…

2人としばらく話していると、部屋の外から声が聞こえる

清本 祐穂

悠羅、ちょっと来てもらっていいか?

狂月 悠羅

あ…わかった

狂月 悠羅

それじゃあ、私そろそろ行くね

風谷弥 莉奈

うん、わかった

秋谷 陽菜

また後でね

狂月 悠羅

うん

狂月 悠羅

(……ん?後で?)

少し疑問を抱きつつ、私は祐穂の元へ向かう

祐穂に連れられ会議室に到着すると、そこには悠斗に健斗、そして悠穂団長と舞婪がいた

吹雨希 悠穂

揃ったようだね

悠穂団長がポツリと呟いた

或那 舞婪

さあ、君達は“鍵”を見つけられたかな?

狂月 悠羅

狂月 悠羅

鍵って、これのこと?

私は舞婪にクロスワードの解答を見せる

或那 舞婪

お、そうだよ

或那 舞婪

ちゃんと見つけられたみたいだね

舞婪はニヤリと笑う

すると、悠穂団長が口を開いた

吹雨希 悠穂

君達は、その“鍵”を使って地下室まで向かったよね

清本 祐穂

まあ…あれを“使った”と言うならそうだな

鏡狂 悠斗

クロスワードを見たら、通してくれたよな

吹雨希 悠穂

うんうん、やっぱりそうだね

吹雨希 悠穂

地下室にいたあの子には、“クロスワードを正しく解けていたら奥へ通すように”伝えていたからね

狂月 悠羅

じゃあ、やっぱり由叶達が言っていた“鍵”って、クロスワードのことで合ってたんだ…

吹雨希 悠穂

あ、食堂のあの子達から聞いてたんだね

狂月 悠羅

はい…それがなにか?

吹雨希 悠穂

いいや?何も無いよ

吹雨希 悠穂

あの子達には、“試験者達が行き詰まっていたらヒントを与えるように”言ってあったからね

清本 祐穂

ヒントを?

清本 祐穂

どうしてわざわざ…

吹雨希 悠穂

そりゃ、君達には“条件”をクリアして貰わないと困るからだよ

鏡狂 悠斗

そうだ、条件…

鏡狂 悠斗

条件って一体なんなんだ?

悠斗が問うと、悠穂団長は人差し指を口に当てて、少し勿体ぶるように言う

吹雨希 悠穂

鍵であるクロスワードを解き、地下室へ行って、死者が生きていることを知る…

吹雨希 悠穂

これが条件だよ

神谷 健斗

ということは…

吹雨希 悠穂

うん

吹雨希 悠穂

これで君たちは入団における試験を全て合格したことになる

鏡狂 悠斗

……なるほど

清本 祐穂

良かった…

2人が安堵する中、私は疑問を抱いていた

きっとそれは、難しい顔で何かを考えていた健斗も同じだろうか

狂月 悠羅

待って

狂月 悠羅

私達は合格だとして…

狂月 悠羅

地下室にいた人達はどうなるの?

私が問いかけると、舞婪が指を鳴らして言う

或那 舞婪

おっ、良い目の付け所だね

或那 舞婪

なら説明しなきゃだね

吹雨希 悠穂

そうだね

吹雨希 悠穂

……実は、この採用試験、“形だけの試験”…と言っても過言では無いんだ

鏡狂 悠斗

どういう…ことだ?

吹雨希 悠穂

この採用試験に選ばれた15人は、合格内定者なんだ

吹雨希 悠穂

試験の本当の目的は、その内定者の実力調べと、入団意志の確認

吹雨希 悠穂

入団希望者達は、この試験を経て初めて、我がカメレオン演劇団の演技力の秘訣を知ることになる

吹雨希 悠穂

それを知っても尚、この劇団に入りたいと思ってくれるかを確認するんだ

鏡狂 悠斗

なるほどな…

清本 祐穂

確かに、人によっては狂ってると判断して入団の意志を失う可能性もある

祐穂の意見には納得した

現に私も、試験中に何回も「狂ってる」と感じたのだから

狂月 悠羅

ということは、莉奈と陽菜達…ゲームでの死者は…

吹雨希 悠穂

もちろん、入団の意志さえあれば合格だよ

或那 舞婪

そろそろ到着する頃かな?

舞婪が言うと、会議室の扉が開く

ガラガラ

雨葉 由乃

団長、副団長、連れてきました

入ってきたのは、由乃と、その背後に陽菜達がいた

狂月 悠羅

莉奈…陽菜…

清本 祐穂

奏太…

人狼ゲームで共に命を懸けた…つもりで戦った仲間達が7人いた

狂月 悠羅

(…少し、人数が足らない気がする)

私が、一人一人の名前を思い出しながら数えていると、同じことを思ったであろう悠斗が呟く

鏡狂 悠斗

4人ほど足りないな

或那 舞婪

お、気付いたみたいだね

吹雨希 悠穂

そうだね、さっき俺、「試験の目的は入団意志の確認」だって言ったよね

神谷 健斗

神谷 健斗

まさか…

吹雨希 悠穂

そう、そのまさか

吹雨希 悠穂

ここにいない4人は、この劇団の裏側を知って、入団を辞退した…ということだよ

清本 祐穂

それは、本当に辞退したんだな?

或那 舞婪

と言うと?

清本 祐穂

まさか、死んでるわけではないよな?

吹雨希 悠穂

そんなまさか!

吹雨希 悠穂

流石に法までは犯さないよ

吹雨希 悠穂

俺らはこの試験で“死の演出”はしたけど…ほんとに殺すことはしていない

吹雨希 悠穂

正真正銘、彼らは自分の意思で帰って行ったよ

清本 祐穂

なら、良かった

吹雨希 悠穂

さて、最終試験前も聞いたけど、もう一度聞こうか

吹雨希 悠穂

君達は、無事最終試験を終えたけど…

吹雨希 悠穂

“この劇団に入団する気はあるかな?”

その質問を聞いて、私達は各々考え出す

私も、胸に手を当てた

最初は純粋に、高い演技力に心を奪われ、「私も…」と憧れを抱いた

そして試験が始まり、人の命を奪うような内容で、「狂っている」と、何回も思った

それでも尚、垣間見える演技の数々に魅力を感じた

そして今

同じ試験を通過したであろう団員達が魅せる演技を思い出し

由乃や舞婪の死に怯える演技を思い出し

悠穂団長の殺しに対して何も感じていないような演技を思い出し

どのような練習が、この魅力を生み出すのかと、胸が高ぶる

狂月 悠羅

(きっと私は、何があったとしても意見は変わらなかっただろうな…)

私は、意志を胸に抱え、口を開いた──

──1ヶ月後

大きな荷物を持って、ビルを見上げる

狂月 悠羅

……試験を思い出すな…

呟くと、背中に衝撃を感じる

狂月 悠羅

……?!

風谷弥 莉奈

わわっ…ごめんなさ──

パチッと目が合う

風谷弥 莉奈

悠羅ちゃん!

狂月 悠羅

ふふっ、初めて会った時と同じだね

風谷弥 莉奈

えへへ、そうだね

直後、私と莉奈は肩を叩かれる

秋谷 陽菜

おはよ!悠羅ちゃん!莉奈ちゃん!

風谷弥 莉奈

陽菜ちゃんおはよう!

狂月 悠羅

おはよう

秋谷 陽菜

ついに今日から私達も、カメ劇の団員だね!

風谷弥 莉奈

そうだね!

狂月 悠羅

頑張ろうね

私達は、少しの間ビルを見上げ、新たな1歩を踏み出すように、ビルの中へと入る──

──fin.

この作品はいかがでしたか?

18

コメント

1

ユーザー

『人狼ゲーム〜命懸けの採用試験〜』 完結でございます。 ご愛読ありがとうございました。 この作品は、「ホルン67」(限 るいの67)で投稿していた初作品、『人狼ゲーム』及び続編の『脱出ゲーム』のリメイクとなっております。 また、この作品以外にも度々リメイクをしていこうかなぁなどと考えております。 今後も澪彩作品をよろしくお願いします! ……と本垢から失礼しました

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚