カチカチッ
太宰さんと国木田さんの 喧嘩をBGMに、
慣れた手つきで キーボードを打つ。
事件の報告書、 依頼の整理。
細かい作業をコツコツ 進めるのが好きな私には、
適職と云えるだろう。
そんな事を頭の片隅で 考えながらマウスを握る。
すると、ころりと 足元に何かが転がってきた。
其れは私の苦手な、
甘い甘いキャンディだった。
江戸川乱歩
江戸川乱歩
そう声がして顔を上げると、
手いっぱいにお菓子を持った、
私の苦手な彼の人。
葵波翠璃
すぐに謝ってキャンディを お菓子の山に積むと、
彼は頬を膨らませながら 席に戻るのだった。
私は葵波翠璃(22) 職業 武装探偵社事務員。
社内で二番目に偉い 江戸川乱歩(26)が、
少し苦手です。
社の設立時からいる 古株なだけでなく、
異能力「超推理」で どんな事件も解決してしまう
探偵社を支える支柱。
そんな凄い人なのに、 否、凄い人だからか、
常に上から目線で 子供っぽいところがあった。
そこが少し、苦手だ。
カラコロと音を立てながら、
先刻のキャンディを 口で遊ぶ彼を横目に、
私は小さくため息を吐いた。
コメント
11件
最高です!!🫶🩷 てまり様の言葉選びホントセンスあり過ぎて尊敬したりないくらい尊敬してます!!💓👍 乱歩さんがいっぱいお菓子抱えてるの想像しただけで可愛いですね、大量出血案件です🩸😇
てまりさんの作品ほーんと! 好きです!書き方や、キャラを そっくり再現してて、 本当に尊敬します! 続き楽しみです!!!
初っ端からにまにましてしまいました … !! 冷たくした後に頬を膨らませて席に戻っていくって考えただけで可愛いのは罪です 😸✌🏻 もう本当にてまり様の文章力とか天才的すぎて最高です (> <՞ ՞♡