ティーチャー
今日は待ちに待った
終了式ですね!
明日から夏休みです!
皆、荷物は持ち帰ったー?
終了式ですね!
明日から夏休みです!
皆、荷物は持ち帰ったー?
子供
はーい!!!!!!!!!!!
ティーチャー
では、また二学期、
みんなに会えるのを
楽しみにしてます!
みんなに会えるのを
楽しみにしてます!
ティーチャー
帰りましょー!
きりーつ
きおつけー
さよーーならっ!
紺
(やば…
なんにも持ち帰ってない…)
なんにも持ち帰ってない…)
恋夏
紺ー??
なにしてんの?
なにしてんの?
紺
…
恋夏
すごい荷物だねw
紺
ああ…うん。
ティーチャー
紺、すごい荷物ねぇ…
頑張ってね…
頑張ってね…
紺
あ、ハイ。
恋夏
しょーがないな〜
恋夏
こなつたんが
手伝ってあげる!
手伝ってあげる!
紺
…いいよ。自分で
もてるから。
もてるから。
恋夏
こんのぉ…
紺
スタスタスタスタ
恋夏
💢💢💢💢💢
恋夏
まてぇぇぇえ!!!!!
紺
スタスタスタスタ……
紺
…………
紺
やばい…
紺
お、重すぎる…
恋夏
こーーんーー!!!!!
紺
や、やめて…
紺
(恋夏の前で
ここまで弱々しい
姿を見せるのは
屈辱でしかないが…
それにしたって荷物が
重すぎる………。)
ここまで弱々しい
姿を見せるのは
屈辱でしかないが…
それにしたって荷物が
重すぎる………。)
恋夏
やっぱり、
駄目だったんだねwww
駄目だったんだねwww
紺
…悪かったか?
恋夏
んーん、
全然?
全然?
恋夏
やっぱ紺には
あたしが必要ってこと!(ニコ
あたしが必要ってこと!(ニコ
紺
っ…//
恋夏
あれ?暑すぎて
赤くなった?
赤くなった?
紺
違うって…
結局半分、 恋夏に持ってもらった。
紺
重いだろ?
やっぱいいよ。
やっぱいいよ。
恋夏
イヤ!!!
あたしが持つ!!!
あたしが持つ!!!
紺
(やっぱ、
こういうところ
好きなんだよな…)
こういうところ
好きなんだよな…)
そう、俺こと高比良 紺は、 幼なじみの 田中 恋夏のことが好き なのだ。 天真爛漫で優しく、 素直な、俺にはないところに 惹かれていくように なって、これで5年目。 つまり、6、7歳の時から 好きなのだ。
でも、その思いは 伝えられずにいる。
振られて、 今の関係まで なくなったら もっと悲しいから。
紺
やっとついた…
恋夏
はー!
お家だー!
疲れたね!
お家だー!
疲れたね!
紺と恋夏は 同じマンションに 住んでいるよ★
紺
(ぽちっ)
ピンポン♪
藍
あ、おかえり、
紺、恋夏ちゃん。
紺、恋夏ちゃん。
紺
ただいま…
恋夏
こんちはー!
藍
ちょっと、紺!!
恋夏ちゃんに
荷物もたせて来たの?!
恋夏ちゃんに
荷物もたせて来たの?!
紺
ち、違っ…
恋夏
違うってwww
恋夏
あたしが勝手に
持ったの!
持ったの!
紺
(良かった…)
藍
そー…
藍
ま、恋夏ちゃん今、
お母さん居ないでしょ。
お母さん居ないでしょ。
藍
ジュースでも
飲んできな。
飲んできな。
恋夏
やったぁあ!!!!
紺
(喜び方、
露骨だな…w)
露骨だな…w)
こんなふうに 恋夏と帰って、 姉ちゃんに小言を 言われて、 それを流して、 それから
ゲームして
トランプして
喋って
この細やかな しあわせ
これが今日から 途絶えるなんて
全く知らなかった
恋夏
ねぇー!
宿題やだよー!!!!
宿題やだよー!!!!
紺
俺だってそうだよ。
恋夏
…でもやだ!
紺
(引…………)
恋夏
もう、宿題なんて
捨てちゃえー!!!
捨てちゃえー!!!
バサバサッ
恋夏は本当に マンションの7階から 夏休みの宿題を 全部、全部落とした。 流石に引いて、 慌ててしまう。
紺
ちょっ、恋夏!!!
恋夏
?
紺
どーするんだよ!
恋夏
大丈夫大丈夫!
全部ウソの
コピー用紙だから!!!
全部ウソの
コピー用紙だから!!!
紺
(そういう問題じゃ
ないんだけど、
まぁ、いいか。)
ないんだけど、
まぁ、いいか。)
紺
ん?
紺
でも、
【僕らの夏
(夏の友、夏の生活みたいな、
夏休みのワーク)】
は?
【僕らの夏
(夏の友、夏の生活みたいな、
夏休みのワーク)】
は?
紺
落ちてくの、見えたんだけど。
恋夏
えっ?!
恋夏
…あ。
紺
おい…
恋夏
でっ、でも!!!
恋夏
ほら、あそこに
引っかかってるだけだし、
取れるよ!
引っかかってるだけだし、
取れるよ!
恋夏
んっ!
あ゛ーーーー!!!!
とどかないーー!!!!!!!
あ゛ーーーー!!!!
とどかないーー!!!!!!!
紺
(呆…)
紺
やろっか?
恋夏
嫌だ!!
紺に恩売ったら
何になるか!!
紺に恩売ったら
何になるか!!
恋夏
あ!とどいた!!!!
恋夏
紺
恋夏!!!!!!!!!!
恋夏
えっ?
恋夏の体はすでに、 バランスを完全に 崩していた。
恋夏
嫌ぁっ!!!!
俺が恋夏の手を 掴むより早く、 彼女は落ち始めた。
そのまま、 マンションの 下まで落ち続け、
グシャッ
【ナニか】が 落ちた音がした。
だれか
キャーーーツ!!!
子供が!!
子供が!!
だれか
誰か、救急車を!!!
だれか
血の量が…
子供
ママ?
母親
見ちゃだめよ!!!
その夜
俺は恋夏の 訃報を聞いた。