りおん
うっわー次の授業実験か…
拓哉
いやなん?
りおん
イヤ!
りおん
実験苦手やねん…。
風雅
俺はいつも他の人にやってもらってるで。
カイジ
そうそう、こいついつも俺にして〜って言ってくるねん!
りおん
あはは🤣
りおん
りおんもそーしちゃおっかな〜
風雅
え、やめとき。
カイジ
笑笑
拓哉
俺はちゃんとしてるで!
りおん
じゃ、拓哉よろしくね!
拓哉
はあ〜?
理科室
拓哉
おー!席神!
りおん
…りおんは
りおん
カイジと、せいなちゃんと…
りおん
ゆーとだ!
拓哉
俺は風雅とれいあとさくら!
風雅
やってな、拓哉。
拓哉
なんでなん?
風雅
え、だってカイジと離れたから。
カイジ
いや笑笑
りおん
笑笑
実験中
カイジ
あ、りおん。
カイジ
それ火使うから危ないよ?
カイジ
俺やるから、こっちにいて。
りおん
あ、うん。
りおん
ありがとう!
斗亜
うわぁっ!めっちゃ火出てるってゆーと!
ゆーと
火や〜!これに何注ぐんやっけ?
斗亜
は?
ゆーと
えっと…これか!
斗亜
ちょ、それアルコール!
ブワーッと火は広がった。
放送
2階の理科教室で、火災報知器が作動しました
放送
今すぐ避難してください
りおん
ゲホッ、ゲホッ。
カイジ
りおん大丈夫!?
教師
全員早く避難しろ!
拓哉
カイジ行くぞ!
カイジ
りおんが
風雅
早く逃げろ!
斗亜
わぁっ
ゆーと
…。
カイジ
り、りおん!
私は人ごみに飲まれて踏まれて
ほぼ燃え尽くされた校舎の中にいた
りおん
はあ…はあ…
りおん
だ、だれか助けて…!
一酸化炭素が充満してる
どうしよう…
死んじゃう…!
風雅
りおん!
りおん
…風雅
りおん
なんで…
りおん
逃げ…ないの…
風雅
避難したけど、校庭にりおんがいなかったから!
りおん
カイジは
風雅
とにかく行くぞ!
風雅は私をおぶって階段を降りた
こんな時に思うことじゃないけど
その横顔が綺麗だった。
風雅
…何見てんだよ
りおん
いや…なんも。
風雅
ホンマはカイジ、来たいって言ってた。
風雅
でもアイツ、階段から落ちて怪我してたから
風雅
俺が代わりに来た。
りおん
…うん。
りおん
ありがとう。
風雅
でもな
風雅
俺が1番守りたいのも
風雅
カイジや拓哉が守りたいのも
風雅
お前だからな。
りおん
…ありがとう。
風雅
容体が落ち着いたら
風雅
返事、聞かせて。
風雅
多分もう
風雅
決まってると思うけど…。
やっと校庭についた。
拓哉
りおん!
教師
大内!
斗亜
りおんちゃん!
カイジ
…りおん
カイジ
良かった…!
りおん
カイジ、どうしたの?
カイジ
ちょっと、人混みに飲まれて階段から落ちて
カイジ
右腕脱臼しちゃったわ
りおん
え…!
カイジ
だからごめんな、俺行けなくて。
りおん
う、ううん!
りおん
風雅もありがとう!
風雅
…別に。
拓哉
本当に、りおんが無事でよかったよ。
りおん
ありがとう!
ゆーと
お、大内…。
ゆーと
ごめん。カイジも、ごめん。
カイジ
俺はいーよ。
カイジ
こんなん、慣れっこ慣れっこ。
りおん
わ、私も大丈夫!
りおん
でも先生の話、聞いといてよ?
ゆーと
うん、本当にごめん。
ゆーと
許してくれてありがとう。
りおん
うん。
りおん
…カイジ。
りおん
あのさ、耳、貸して。
カイジ
うん。
風雅
…拓哉、行くぞ。
拓哉
おう。
りおん
私、カイジのこと…
りおん
大好き!
カイジ
…俺も、りおんが好き。
カイジ
俺が守りたくて
カイジ
傷付けたくなくて
カイジ
1番隣にいて欲しいのは
カイジ
それは
カイジ
りおんだよ!
あのあと風雅たちと合流して
みんな祝福してくれて
あれから
10年たった。
私の頰には
あの時の火傷の跡があって
カイジの右腕には
脱臼の跡がある
それも、大切な思い出と化した。
かけがえなく
甘酸っぱい青春の匂いが
今でもまだ
するように…