女子1
萌愛〜聞いてる?
聞いてるよ、どういうこと?
女子2
あの時の海奈怖くて逆らえなかったというか…
女子1
そうそう、萌愛可哀想だったけど私達じゃどうにも出来なくて…
女子2
いいチャンスだよ!あんな子捨てちゃいな!
そんな事、出来ないよ!
と、ノートに書き残して教室を出ていく。
女子1
そんなにうちらが嫌なんだー、
女子2
やっちゃう?
そんな事を言った様な気がした。
けど別にどうでもよかった。
ずっと昔感情は深い海の底に沈めたはずだから。
休み時間が終わって教室に戻ると案の定机には
裏切り者を庇ったバカ女
と、書かれていた。
女子2
ほーら、海奈を庇うからだよ?
女子1
ほら、まだ間に合うよ?私達と…連まない?
私はいい!
と、ノートに書く。
それからも海奈より酷いいじめが続いた。何かって?
学校に行くと靴箱と上履きには落ち葉が入ってるし教室に行けばクラスの子の笑い声や話し声が止まるのは当たり前、
机には消しても消しても毎日のように落書き、机の中にはゴミや悪口の書かれた紙、切り裂かれた私のノートや教科書が入っているから
ほぼ全ての持ち物を持ち帰るようにしていた。
ついに私も追い込まれて学校を休むようになった。
数年後
萌愛(もあ)
本当に大丈夫だから!
萌愛(もあ)
それじゃ、いってくるね!
私は場面緘黙症を乗り越えた。
元々保育士になりたかったし汚れる遊びにも慣れたかったから必死に勉強した。
お母さん
なんかあったら連絡しなさいよ!
萌愛(もあ)
も〜お、分かってるよー
萌愛(もあ)
今日から海奈とシェアハウスだから
ってお母さんから連絡してこないでよね!
ってお母さんから連絡してこないでよね!
と、手を振った。
この世界は汚い。
憎い。などと相変わらず思う事もあるけれど変わった事もある。
理不尽だったりする事もあるかもしれないけど全てそうじゃないかもだ。
それが今の私に言える事だ。







