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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

美希

はぁ……憂うつ……

美希

お父さんの仕事の都合の転勤だからしょうがないけど、こんな三学期の中途半端な時期に転校とか、本当に憂うつだよ

美希

しかもここの土地、めちゃくちゃ寒いし、なによりまた友達関係とかやり直さなきゃいけないじゃん

美希

しかも、家からバス停までちょっと歩くし……あれ、誰かいる

美希

(えっ! ちょっと待って!! あの人めちゃくちゃカッコいい! ていうか、最近めっちゃ人気が出てきたイケメン俳優にそっくり!)

達也

んっ?

美希

えっ?

美希

(えっ、何あの人。一目散にこっちに向かってくるんだけど! イケメンが走ってくる〜〜!!)

達也

お前、ここら辺の人間じゃないだろ

美希

ど、ど、どうして……

達也

ここに住んでる奴でこの時期にダウンジャケットを着てない奴はいないからな。これやるよ、ちょっとはあったかいと思う

美希

カイロ……

達也

明日からは厚着して来いよ。その制服、うちの学校だろ。これも先輩から優しいアドバイスだからな

美希

あ、ありがとうござい……ます

達也

おぅ、またな

美希

(イケメンな上に優しいだなんて、なんて素敵な人なの……! 転校先も悪くないかも!)

バスの中

奈美

あれ? 知らない子がいる。うちの学校にこんな可愛い子っていたっけ?

美希

おはよう……

美希

(突然話しかけられてビックリしたー! 田舎だから私みたいに転校してきた子は目立つのかな?)

奈美

ねっ、隣座っていい?

美希

もちろん!

奈美

よかったー! 同い年の子ってこの辺りから通学する子は少なかったんだよね! 友達ができて嬉しいー!

美希

私も! 今日転校してきたばかりなの! 仲良くしてね!

奈美

当たり前じゃん! よろしくね!

美希

(よかった……朝からイケメンな先輩に優しくしてもらえたし、仲よくなれそうな友達もできて、私ってばめちゃくちゃついてる!)

美希

(それに話も合うのか、いくらでも喋れちゃう。あっ、そろそろ降りるバス停だ)

達也

いつまで喋ってんだー。降りそびれても知らねーぞ

奈美

もう着いたの?! あっぶなーい、ありがとう! たっくん

美希

(たっくん……?)

達也

奈美はマジで抜けてるからな

奈美

もう、たっくんヒドイ!

美希

(えっ……この人たちすごく仲良い……もしかして彼氏と彼女?)

達也

あっ、あんたも。カイロ、ちゃんと貼っとけよー

美希

は、はい!

奈美

美希、私たちも降りよ

美希

う、うん。ねぇ、今の人って……

奈美

たっくん? お兄ちゃんだよ

美希

へっ? お兄ちゃん?

奈美

うん、お兄ちゃん。たっくんって呼んでるのは昔からそう呼んでるからだよ

美希

な、なんだぁ……そうだったんだ……

奈美

美希、もしかしてたっくんのこと、気になる?

美希

ひぇ! そ、そういうわけでは……

奈美

たっくんカッコいいからなー。一目惚れしちゃった?

美希

……うん、それに優しい

奈美

なるほどね。それなら協力してあげる

美希

協力……?

奈美

朝のバス、一緒に座れるように仕組んであげる。美希、いい子だもん。美希みたいな子だったら、たっくんの彼女にぴったり!

美希

あ、ありがとう……奈美の気持ち、めちゃくちゃ嬉しい!

奈美

いいのいいの! 任せて! 転校早々、恋も友情もゲットしちゃえ!

美希

うん! 頑張る!!

二週間後

美希

達也先輩!

達也

おー、美希ちゃんおはよ。今日も早いな

美希

えへへ……

美希

(達也先輩に会うためなら、苦手な早起きも全然平気だよ。それに今日こそ……告白するんだ)

美希

(そのためにこの二週間、必死に仲良くなれるために頑張ってきたんだから!)

達也

美希ちゃん、どうした?

美希

えっ? どうしてですか?

達也

さっきから俺のこと、チラチラ見てる。そんなに見られると照れるな

美希

そ、それはですね、先輩……!

達也

あっ、バスが来た

美希

私……って、あっ、本当、ですね。バス来ちゃった……

美希

(あーもー! こんな時にバスが来るなんて! 時間通りなのはありがたいけど、今日だけはちょっとくらい遅れてくれてもよかったのにー!)

達也

美希ちゃん、乗ろっか。寒いもんな

美希

そうですね……

美希

(あぁ、このままだといつものように他愛ない話をして終わりだ)

美希

それじゃいけない

達也

美希ちゃん?

美希

運転手さん、もうちょっとだけ! もうちょっとだけ待ってて下さい!

達也

どうした? 美希ちゃん忘れ物?

美希

は、はい! 忘れないように今、言います! しっかり聞いてください!!

達也

わ、わかった!

美希

(先輩も緊張してるみたい。私も手汗すごい……でも、頑張るんだ私!)

美希

た、達也先輩!

達也

は、はい!

美希

私、達也先輩のことが好きです! 一目惚れです! 転校初日のカイロをくれた時に恋に落ちました! 私と付き合って下さい!!

美希

(はぁ、はぁ、はぁ。思いっきり叫んじゃった……バスの運転手さんもビックリしてこっち見てる……)

美希

(達也先輩も驚いてるよね……だって顔が真っ赤だもの)

美希

私じゃ……いけませんか?

達也

えぇ……ま、マジで?

美希

マジです!

達也

うわ……すげぇ。まさか美希ちゃんから告白されるなんて……

運転手

お客さーん、早く答えてあげなよ。お嬢ちゃんがかわいそうだよー

美希

(うわわ。バスの運転手さん、すっごく楽しそうにこっち見てる……先輩もずっと顔が真っ赤になって固まってるし……)

美希

ご、ごめんなさい! 私じゃダメですよね!

達也

へっ?! 違う違う! ダメじゃない! 絶対にダメじゃない!

美希

でも、先輩固まって困ってるし

達也

いや、これは……そう、嬉しくて固まっていただけで……幸せを噛み締めてた

美希

えっ、それじゃあ……

達也

実は俺も美希ちゃんに一目惚れしてた。じゃなきゃ、わざわざ駆けよってカイロなんか渡さないよ。何かきっかけが欲しかったんだ

美希

ほ、本当に…?

達也

うん、俺の方がよろしくって感じだよ。好きだよ、美希ちゃん

美希

達也先輩……!! ありがとうございます!! 私もこれからずっとよろしくお願いします!!

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