それからはまたいつも通りの 日々を過ごしていた
多少ぎこちなさはあるものの みんな変わりなく接してくれている
僕も時を渡り、困っている人々を 助ける日々を送っていた
姉
宇宙、大丈夫?
いつの日だったか、 お姉ちゃんがそう聞いてきた
宇宙
うん、なんとか……
忘れられるのは辛い
宇宙
(だけど、まだ大丈夫)
宇宙
(お姉ちゃんが覚えていてくれたから、僕は僕でいられた)
そんな考えが顔に出ていたのか お姉ちゃんは僕を抱きしめた
姉
私は、絶対に宇宙を忘れたりしないから
宇宙
うん、ありがとう
ある日、時を渡っている時のこと
時の狭間から落ちてしまった
幸か不幸か、すぐに戻って来れた
そしてその日を境にまたしても 異変が起こった
関わった人達全ての人が僕に 関する記憶が無くなってしまった
そして今度は
姉
どちら様でしょうか?
宇宙
え……
お姉ちゃんも、僕のことを忘れていた
姉
私は、絶対に宇宙を忘れたりしないから
宇宙
(いつか、こうなるとは思っていたけれど)
宇宙
やっぱり、辛いなぁボソッ
姉
あの……?
宇宙
あ、ごめんなさい
宇宙
僕はーー
そしてある事に気づいた
前と違い、関わった人達は1年経てば記憶がリセットされる事に
僕が誰かを話すと納得してくれるが、 謝られるのは居心地が悪かった
だから最初は元気に、 気丈に振る舞っていた
でも、誰もが知らぬ顔を するのは慣れなくて
宇宙
……どうして、誰も覚えていないの?
宇宙
どうして、僕だけ……
宇宙
もう、嫌だよポロポロ
宇宙
誰か、僕を
宇宙
"見つけてよ"