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キーンコーンカーンコーン……

生徒

起立、礼!

生徒

ありがとうございました!

6限目が終わった教室。帰る準備をして教室を去る者もいれば、 教室で友人との雑談に興じる者も居る。そんな教室。

しかし、幸斗は何もせずにただぼうっとしていた。 ……それには、きちんとした理由がある。

如月 幸斗

(どうせあいつら来るだろうし待ってるか……。)

授業が終わってすぐ。 幸斗は、自分を呼ぶ声が聞こえて振り向いた。

生徒

おーい、幸斗。

生徒

来てるぞ、いつもの2人。

生徒

ほんとにほとんど毎日来てるけど……知り合いか?

生徒

あ、バンドしてるんだっけ?
もしかしてバンド仲間?

如月 幸斗

……ん、まぁそんなもん。

如月 幸斗

じゃあな。

生徒

はいよ〜。

教室を出ると2人の影が。 それは、幸斗がよく知っている2人だった。

日宮城 神楽

お迎えにあがりましたよ〜。

日宮城 神楽

なんちゃって。

天塚 紬

6限目化学だったの? 大変そー。

如月 幸斗

(……やっぱりな。)

日宮城 神楽

なんかいつもより静かだな……

日宮城 神楽

あ、もしかして眠い?
お眠なんだなゆきちゃんは〜。

如月 幸斗

何も言ってねぇだろ。

如月 幸斗

というか、その言い方……俺がいつもはうるさいとでも言いたいのか?

如月 幸斗

お前らじゃあるまいし、流石にそれはないだろ。

日宮城 神楽

え〜、酷くない!?

日宮城 神楽

俺ちゃん泣いちゃうよ〜。うぇ〜ん!

天塚 紬

なんかアタシにまで飛び火してる。

如月 幸斗

うっせ。早く練習行くぞ。

日宮城 神楽

もっちろ〜ん♪

天塚 紬

舞衣もお迎えいかないとね!

神楽と紬。そしてもう1人……この場には居ない舞衣。 幸斗は、その3人と共にバンドを組んでいる。

日々仲間と共に練習を積み重ね、時にはライブもして。 そんなこんなで、4人の……Wonder・Undergroundは活動開始から 2年ほど経過していた。

……そして、とある大舞台への道を掴み取った。

日宮城 神楽

お〜い。ゆきちゃ〜〜〜ん。

日宮城 神楽

あれ大丈夫? 生きてる?

天塚 紬

ん〜、まぁ生きてるんじゃない?

如月 幸斗

勝手に殺すな。
ちょっと考え事してただけだよ。

日宮城 神楽

じゃ、改めてしゅっぱーつ!

天塚 紬

おー!!

如月 幸斗

(騒がしい……。)

飛遊 舞衣

はぁ……。

ベッドに寝っ転がりながらスマホをいじる舞衣。 ため息をつき、そのままスマホの電源を落とした。

飛遊 舞衣

私も学校に行けたら、もうちょっと皆と居られたのに。

飛遊 舞衣

でも……。

飛遊 舞衣

……ううん、考えるのやめよう!

飛遊 舞衣

学校では一緒に居られなくても、バンドで思い出たくさん作ればいいだけだし!

飛遊 舞衣

……そのためには、練習もしないとだよね。

そう考えた舞衣は、部屋の壁に立てかけてあるベースケースに手を伸ばす。

……ピンポーン

手を伸ばしかけたところでインターホンの音が聞こえた。 驚いた舞衣は、一度その手を引っ込める。

飛遊 舞衣

あ……皆かな?

飛遊 舞衣

そうだ、そろそろ学校終わってる時間だよね。

飛遊 舞衣

……よし、準備して行こうかな!

飛遊 舞衣

はいはーい!

飛遊 舞衣

あ、やっぱり皆だったんだね!
私もすぐ準備して行けるよ!

如月 幸斗

よし、それじゃあ行くか。

飛遊 舞衣

……ごめんね。

飛遊 舞衣

私が学校に行ければ、もっと練習時間が増えるのに。

飛遊 舞衣

それに、皆と居られる時間も──。

天塚 紬

……舞衣は、それでも学校に行くのが辛いんでしょ?

飛遊 舞衣

え?

飛遊 舞衣

えっと……うん、まぁそうだけど……。

飛遊 舞衣

こんなの甘えかなって思って……。

天塚 紬

怖いなら仕方ない!

天塚 紬

舞衣が学校に行けない分、皆で練習頑張ろ!

如月 幸斗

誰も学校に行けないくらいであーだこーだ言わねぇよ。

如月 幸斗

今までもそうだったろ。

日宮城 神楽

そーそー!

日宮城 神楽

本当に嫌だったらとっくに辞めてるし!

飛遊 舞衣

そっか……ありがとう。

飛遊 舞衣

変な話しちゃってごめんね。練習行こっか!

飛遊 舞衣

そういえば、テストどうだったの?

天塚 紬

……それ禁句

如月 幸斗

あ、こいつ今回めちゃくちゃ点数悪かったらしいぞ

天塚 紬

おいコラ何言ってるの

日宮城 神楽

俺ちゃんもテストなんて知らな〜い☆

〜♪

演奏が一通り終わると、幸斗はギターとギターピックを置いた。 そして、そのまま3人の方を向く。

如月 幸斗

……一旦休憩挟むぞ。

如月 幸斗

その間に、お前達に話したいことがある。

日宮城 神楽

なになに?

日宮城 神楽

前ゆきちゃんがチビって言われてそいつとレスバしようとしてた話?

如月 幸斗

違う

如月 幸斗

……いやてかレスバしようとしてなかっただろ

飛遊 舞衣

それで、どうしたの?

休憩という言葉を聞き、舞衣はペットボトルを取り出す。 水分を補給してから幸斗にそう尋ねた。

如月 幸斗

次のライブのことだ。

日宮城 神楽

待ってましたー!

天塚 紬

どこでやるのー?

如月 幸斗

……ステラフェスのルーキーステージ。

如月 幸斗

そこに出ることになった。

飛遊 舞衣

え、ステラフェス!?

飛遊 舞衣

オファーしたの?

如月 幸斗

いや、あっちから言われたんだよ。

如月 幸斗

「ステラフェスのルーキーステージに出ないか」ってな。

日宮城 神楽

マジ!? 超テンアゲじゃん!!

天塚 紬

ルーキーステージかぁ……。

天塚 紬

sky-highとMIRAGEはどうなの?

如月 幸斗

……他の出演者については聞かされていないが、おそらくあの2バンドも出るだろうな。

如月 幸斗

……で、どうする?

飛遊 舞衣

どうする……って、出て演奏するんだよね?

飛遊 舞衣

あ、そういう話じゃなくて……ってこと?

如月 幸斗

sky-highやMIRAGEが出るんだぞ。
本気でどうするか考えないと負ける。

天塚 紬

だから負けないようにどうやって練習するかを考える……みたいな話?

如月 幸斗

そうだ。

如月 幸斗

それに、ルーキーステージの優勝者には本戦出場の権利が与えられる。

如月 幸斗

……こんなチャンス、滅多にないだろ?

日宮城 神楽

よーし、練習しまくって勝つぞ〜!

日宮城 神楽

俺ちゃんの腕の見せどころ〜♪

如月 幸斗

……お前達のことは信頼してる。

如月 幸斗

だからこそ着いてこい。勝つぞ。

飛遊 舞衣

もちろん!

天塚 紬

あったぼうよ!

日宮城 神楽

この4人でなきゃね〜?

如月 幸斗

(1人だけ江戸っ子……)

如月 幸斗

それじゃあ、練習再開するぞ。

幸斗はそう言うと、演奏の準備をして合図をした。 ドラムの音で始まり、練習スタジオに再び4種類の音が響く。

その音達の中に幸斗の歌声が増え──。 それは、“いつも通りのWonder・Undergroundの音”を奏でていた。

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