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七瀬美琴
七瀬美琴
私は憂鬱な気分で準備を始めた
部屋の時計の針が進むたびに 心臓がうるさくなる
七瀬美琴
母
七瀬美琴
私は返事をしたけど その声は無意識にとても震える
私は昔からとにかく人と話すことが苦手で 母ともまともに会話が出来ない
七瀬美琴
母
母
七瀬美琴
私は震える足で教室に入った
高橋亜美
佐々木由実
七瀬美琴
私は亜美ちゃんと由実ちゃんに 声をかけられた
この二人は会話の苦手な私にも声をかけてくれるとっても優しい子
七瀬美琴
でも私は会話をするのが上手くないから 二人と普通に会話をすることは出来ない
高橋亜美
佐々木由実
七瀬美琴
私は短く返事をして 素早く自分の席に着いた
そしてポケットから 耳栓を出して取り付けた
常に誰かから私のことを悪く言われている気がするからその声を遮断するために使う
高橋亜美
高橋亜美
佐々木由実
亜美ちゃんと由実ちゃんが 笑いながら楽しそうに話してるのが見えた
七瀬美琴
二人の会話が聞こえない私は そんな考えが頭に浮かんでしまう
あんなに優しい二人がそんなことするはずなんてないのにそう思ってしまう
七瀬美琴
放課後になり 私は図書室に行き本棚から本を選んだ
選んだのは恋愛小説 私は最近恋愛小説ばかり読んでいる
私は机に座り小説を読み始めた
小説に書いてある恋愛は どれもとっても素敵なもの
恋愛に興味を持ち始めた私は 恋愛小説の世界に没頭した
七瀬美琴
こんなことを思っているけどこんな私が 現実で恋愛なんて出来るわけない
私が恋愛小説を読み始めてしばらく経つと 図書室の扉が開いた
清原健人
七瀬美琴
健人くんは私の一歳年下の後輩
だけど身長が私よりもはるかに高くてスタイル抜群
おまけにかっこよくて明るい性格だから 女の子たちから大人気
性格の正反対な私にも 毎日優しく声をかけてくれる
清原健人
清原健人
七瀬美琴
七瀬美琴
清原健人
すると健人くんは私の隣に座った
清原健人
七瀬美琴
私はこんな近くに人がいると思うと 緊張して震えてしまう
しばらくすると健人くんが口を開いた
清原健人
七瀬美琴
清原健人
七瀬美琴
私は思わず黙り込んでしまった
こんな率直に褒められたことは家族以外になかったから動揺してしまう
清原健人
七瀬美琴
清原健人
すると健人くんは 私の頭の上に手を乗せてポンポンと撫でた
私は驚いて健人くんの方を見ると 綺麗な笑みを浮かべていた
清原健人
七瀬美琴
清原健人
そう言うと健人くんは図書室を出た
私の頭には健人くんの 暖かい手の温もりが残っていた
恋愛小説で男の人が女の人の頭を撫でる場面はよくある
七瀬美琴
私は自分の心臓が いつもより速く動くことが分かった