ひまり
罪を犯した咎人を、正義の名の下に断罪し、処刑することだ。咎人の血肉から抽出されたエネルギーは、人々に確かな活力を与えてくれる。罪悪感など何処吹く風とばかりに、人々は咎人狩りを楽しんだ。
そんな風潮の中、とある男が立ち上がる。男は自らを「スルト」と名乗り、自身の思想の元、咎人を集めた自警団を組織した。彼の下に集まったのは、罪を犯すことでしか生きる価値のない咎人たちだった。
「咎人に人権はない」「死ぬべき時に死に、殺すべきだと思った奴を殺す」といった過激な言動を繰り返す彼は、いつしかこう呼ばれるようになった。「狂犬」あるいは「首切り役人」……
これは、そんな時代の物語である。
咎人になったらまず最初に行うことがある。それは、自分の所属するPTを決めることだ。PTとは咎人が所属する共同体のことであり、所属PTの数がそのまま懲役期間を表す。つまり、咎人はより多くのPTに所属することがより良い懲役生活を送るための必須条件なのだ。そのためにはどうすればよいか?簡単な話だ。強いPTに入ればいい。ただし、そこには当然のように実力のある咎人がいるわけで……そうして、今日もどこかで戦いが始まる。
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