いるま
何か言いたげな眼差し
そんないるまの言葉を遮って…
LAN
LAN
みんなの名前を呼び、俺に視線を向けさせる
LAN
こさめ
LAN
LAN
魔法の言葉「大丈夫」
自分で自分に魔法をかける
これが俺の仮面の被り方
暇72
LAN
みこと
LAN
すち
この、俺の胸の中で引っかかっている"何か"を殺すために。
ごめん、ごめんよみんな。
嘘つきな俺でごめん
部屋が静まり返った中、扉の開く音がする
医者
医者
隣の部屋からでも聞いて来たのだろうか
「大丈夫」
そう言われたら返す言葉は一つしか無い
いるま
LAN
LAN
いるまの否定を肯定に変える
?(医者)
医者
?(医者)
医者
?(医者)
…医者同士で何をやっているのだろうか
多分、ここに居る俺達6人全員思っているだろう
俺達とこの二人は天と地ほどのテンションの差があるだろう
?(医者)
こさめ
いるま
いるまが引き下がってくれた
すち
いるま
?(医者)
二人目の医者と目があってしまった
その直後、目配せをされ、「来い」とでも言われている様だった
医者
医者
いるま
?(医者)
二人の医者が何か話しながら部屋を後にする
みこと
LAN
暇72
そう言い残し、病室の扉を閉じる
白い壁が続く、長い廊下
見慣れた光景
そろそろ飽きてきたな、と一人呟く
?(医者)
?(医者)
LAN
?(医者)
言葉一つ交わさず、医者の後ろを着いて歩いていく
通された部屋は会議室のような、広い部屋だった
?(医者)
LAN
お手洗い、と伝えてしまったから心配して連絡来るかも…
そう思い、いるまに「遅くなる」とだけ送る
LAN
?(医者)
LAN
?(医者)
LAN
?(医者)
LAN
いつもより低めの声のトーンで話を進める
今の時間が…少し落ち着くのは何故だろう
この人の雰囲気なのか、それとも部屋の雰囲気か。
?(医者)
LAN
?(医者)
LAN
この人だけかもしれない
俺の仮面が、少し薄くなるのは。
?(医者)
ただ、仮面が薄いからと言って演じる事に変わりはない
俺はこの数年、この病院に通院している
そして、俺の担当医がこの人
今日は偶々出会っただけ。
不意に、少しばかり失礼な事が頭によぎる
この人ちゃんと仕事してたんだ、と。
別にバカにしてない、してないけど…
普段が…あんなだからな…
?(医者)
LAN
?(医者)
?(医者)
LAN
?(医者)
LAN
この人にはシクフォニの活動の事を話している
その上で理解してくれており、企画などの相談にも乗ってくれる
俺達の配信もたまに見ている、だとか。
この人自身も歌は好きだし、正直言ってクソ上手い
?(医者)
LAN
?(医者)
ふと、すちとみことが頭によぎる
あの二人も…そう呼んでたっけな
俺がこんな事を考えるのは珍しい気がする
LAN
ないこ先生
それが彼の名前
ないこ
LAN
ないこ
LAN
今は厚くない、という意味なのだろうか
まぁ…そう見えているなら良かった
あ、でも
この人は…最初から…
俺の仮面に気づいていたんだ…
そんなつもりは無かったんだけどな
やっぱり、いつも通りだ
この子はいつも他人にあまり関心が無い
たまたま廊下を通った時に、あの病室から声が聞こえて
実は陰からこっそり見ていた
この子が何を考えているか、あの子達がこの子に何を伝えたいのか
俺には苦しいほど分かる
この子はきっと、誰にも関心されたがらない
でもそれを逆にして考えてみたら…
きっと、心の何処かでは「嫌われたくない」という思いもあるはず
それに気づく手伝いをするのが俺の役目。
道はこの子自身で作ってほしい
俺はそっと、陰から応援することしか出来ない
"LAN"としても、"らん"としても
どちらも大切な…一人の命だ
俺が願うのは純粋な思い
この子の笑顔を…見てみたい
数年、この子の担当医をしてみてわかった事
一つ目、この子は自分の気持ちに向き合いたがらない
この子は恐らく、"消えた"という現実に変えたいだけ。
本当の現実を知りたくないから。
そして二つ目、この子は本当に優しい
だって普通そんな考えにならないじゃん。
あの子達が傷つく前に、って。
それ程、あの子達はこの子の中で大きい存在になっていた
この子自身でも気づかないほどに。
いつか、この子が本当の「大好き」を言葉にできる、その日まで
俺はこの子の道を作る手伝いをし続ける
俺よりも小さいこの子を守りたい
だから…
ないこ
コメント
2件
ないこ先生頼もしい😭