詞葉 父
詞葉 父
5年ぶりに会った父の姿は当時のままだった
けど
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
父は母の背中に向けた包丁を見て言う
包丁を少しでも腕を前に出せば母の背中に刺さる距離だった
詞葉 父
詞葉 母
詞葉 母
詞葉 父
詞葉 母
詞葉 父
詞葉 父
父は母に思いっきりビンタした
母の頬は赤く腫れ上がり、父は今まで見たことないくらい冷酷な顔をしていた
私は母を庇うように父の前に立つ
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 母
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 母
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 母
そういうと母は私の前に出て父の方へと向かった
詞葉 母
詞葉 父
母は個性で父の動きを止めた
詞葉 母
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私は窓から家の外に出た
その時だった
ボーン
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私の家は炎で包まれた
本当に一瞬の出来事だった
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
詞葉 父
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
詞葉 父
本当に、何言ってるの?
詞葉 父
お母さんを愛してるんじゃなかったの……?
詞葉 父
ねぇ、お母さんは?
詞葉 父
汚いのはお父さんだよ
詞葉 父
こんな形で早くヒーローになりたかったんじゃない……
私は……
お母さんを守るヒーローになりたかった……
詞葉 父
やだ……
詞葉 父
やめて……
詞葉 父
うるさい……
詞葉 父
私の平和な世界を邪魔したのは……
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私は目の前にいるゴミを指して
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
個性を使った
詞葉 父
詞葉 父
元父は血を吐いて倒れた
父はピクリとも動かなくなり
私は母を探すために
個性で火を消した
その時の私の意識は無意識で
体が勝手に動いてた
家は全焼し、
瓦礫まみれになってた
結局、こいつの言う通り、
ヒーローと警察は来なかった
近所の人は火が燃え広がると思ったのか
みんなどこかへ行ってしまった
残ったのは私と、
母の焼けた死体と、
血を吐いたこいつだけだった
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私に残ったものは
人殺しの敵というレッテルだった
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
もう、みんな嫌いだ
大っ嫌い
大っ嫌────
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私は思いっきり手を払った
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
私に手を差し伸べてくれたのは雪梨だった
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
あぁ……やっぱり好きだよ
そういう期待を裏切らないとこ
でも、ちょっと遅いよ……笑
私もう、汚れちゃったよ……
だから、私は……
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
雪梨から離れないと
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
分かってる
別荘、遠いから走ってきたんでしょ?
雪梨、汗すごいもん笑
私は周りの子より賢いから
それくらいなら分かるよ
ありがとう、心配しに来てくれて
そして、ごめんね
一緒にヒーローには、もうなれない
約束は守れなさそう
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
嘘だよ
その綺麗な顔も、
私に合わせてくれた口調も、
強い個性も、
抜けてるところも、
バニラアイス好きなところも、
私の花言葉の話を聞いてくれるところも、
一緒に海でビシャビシャになって濡れた姿も、
一緒にヒーローになろうとしてくれたところも、
お互い助け合おうとしてくれた約束を守ろうとしてくれたところも、
最初の友達になってくれたことも、
全部、大好き
ううん、
愛してる
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
あ〜……やばい涙出ちゃったよ
雪梨ビックリしてるじゃん……
直接言いたいよ……笑
でも、離れないと
雪梨のために
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
冬月 雪梨(フユツキ ユキナ)
個性をかけると雪梨は倒れかけた
私は倒れかけた雪梨を支えた
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
私は一度、雪梨を寝かせる
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
初めて使った花言葉だから能力の詳細は分からない
けど、この真っ黒なチューリップを解除すれば雪梨が私を思い出すかもしれない
でも雪梨から離れることができるなら、
雪梨に危険がないならそれでいい
私は一生忘れないけど、
雪梨は忘れた方がいい
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
雪梨の記憶から私がいなくなったことが、
こんなに寂しいとは思わなかった
本当は一緒に居たいけど、
雪梨を人殺しの友達にしない為にも
離れるという選択肢は避けられない
雪梨、
最初で最後のお願い
直接これだけは言わせて
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
姫田 詞葉(ヒメタ コトハ)
これで満足だ
直接言えたから
その後、私は雪梨を別荘の近くに連れて行って寝かせた
そして私は
表社会から姿を消した
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
コメント
13件
涙が…(泣) 凄い感動する… お父さんほんまゆるさん💢
今回も最高でした!🥲︎💕︎ 花言葉を個性で使ってる所とか 雪梨ちゃんと詞葉ちゃんの2人の 思い出とか…言葉で表せられない くらい感動しすぎました!😭✨ (語彙力ゴミです、すみません💦)
家庭環境の悪さからうんだこの展開…。お母さんは結局最後の最後までことはちゃんを守りたかったってことがわかったし、ことはちゃんもお母さんを守るためにヒーローになりたいと志していた…。いやまじでその間に入ってきた父親許せんな💢 本当になんか人の命って一瞬にして奪われちゃうんだなってことがわかった。