善逸
はぁ、はぁ
さすがに前世鬼殺隊だったとはいえ、 全力疾走はキツいものがある。
ピンポーン
炭治郎
あ、ぜんいつ!
善逸
お、おう
善逸
ほんと疲れた
炭治郎
ご、ごめんな
炭治郎
走らせちゃって
善逸
いや、良いよ
善逸
それよりどうしたの?
善逸
泣いてたでしょ
炭治郎
いや、あのさ
炭治郎
俺、煉獄さんと付き合って
炭治郎
6ヶ月になるんだ
善逸
え、そうなの!?
炭治郎
う、うん
少しはにかんで答える炭治郎。 だけど音は少し怖がってる? 善逸は今世でも耳が良い。
炭治郎
だから、今日パーティーしようねって
炭治郎
約束したんだぁ
炭治郎
だけど
炭治郎
だけどね
炭治郎
煉獄さん、呑み会があるって
炭治郎
う、うぇぇぇん
唐突に泣き始める炭治郎。 堪えられなかったのか 何粒も何粒も涙が零れ落ちる。 それを見ていると善逸も 心がチクチクと痛くなってきた。
善逸
あのさ、炭治郎
炭治郎
?
善逸
俺んとこも今日で1年なんだ
炭治郎
え、そうなの!?
炭治郎
ごめん、そんな時に.........。
善逸
いや、全然良いんだよ
善逸
だって
炭治郎
だって?
善逸
宇髄さんも呑み会に行くって言って帰ってこないんだもんんんん!!!
善逸は溜めていた涙が 決壊したダムのように 流れている気がした。 恥ずかしいとかそういう気持ちは 一切無くただ悲しいという 気持ちで胸がいっぱいだった。
炭治郎
えぇ!
炭治郎
善逸のとこもなの!?
善逸
そうなんだよ
善逸
しかも、宇髄さん忘れてんだよ?
善逸
今日、1年ってこと!
善逸
ほんとあの人さいあく
炭治郎
俺のとこはなんていうか
善逸
どんなだったの?
炭治郎
えと、スマホ見る?
善逸
え、良いの?
炭治郎
うん、はい
炭治郎のスマホを手渡される。 そこには煉獄とのトークが 表示されていた。
杏寿郎
少年!
炭治郎
あ、煉獄さんっ!
炭治郎
そろそろ帰ってこられますか?
杏寿郎
いや、すまんな!
杏寿郎
今日は同僚との呑み会が入ってしまったのだ!
炭治郎
え?
炭治郎
今日、パーティーするって
杏寿郎
すまない!今日だったか!?
杏寿郎
俺としたことが忘れていた!
杏寿郎
すまない!少年!
炭治郎
同僚って宇髄さんとか富岡さんとか
炭治郎
ですか?
杏寿郎
うむ!宇髄と呑みに行ってくる!
炭治郎
いつ頃帰ってきますか?
杏寿郎
夜遅くなるから少年は寝ていたまえ!
杏寿郎
すまないな!
炭治郎
わかりました.........。
炭治郎
って感じでさ
善逸
なんか
善逸
嘘っぽい
炭治郎
善逸も思ったか?
善逸
あの二人で呑みに行くことなんて
善逸
絶対ないでしょ
炭治郎
絶対とは言いきれないが
炭治郎
限りなくゼロには近いな
善逸
あの二人で呑みにとか
炭治郎
嫌な予感しかしないな
善逸
み、見に行ってみる?
炭治郎
えぇ!?
炭治郎
そんなこと、できるのか?
善逸
宇髄さん、スマホのGPSガバガバだから
善逸
何処にいるか余裕で見れる
炭治郎
そ、そうなのか
善逸
とりあえず調べてみるか
善逸
ん!?
炭治郎
ど、何処が出たんだ!?
善逸
こ、これって