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初登場49話の看護師と初登場47話の医者との出会い 2人の本名が出て来ます 読まなくても本編には支障は出ません
これは、冷酷な暗殺者が
ある医者に
恋をした話
井上義彦
井上義彦
井上義彦
井上義彦
人を殺す仕事……暗殺者をやっていました
人を殺すのに躊躇はありませんでした、スラムでは殺すか殺されるかのどちらか
弱い者は抵抗虚しく死に、強い者は弱い者を踏み潰すそんな汚いスラムで私は産まれ落ちた
モブ
モブ
モブ
命乞いをした者は数知れず、ほとんどの人が自身が死ぬ事に恐怖し命乞いをした
それを無視し、私はターゲットを殺した
この手で何度も、殺した
モブ
報酬は五千から一万ドル
かなり安かったが、あの時はとにかく金が欲しかった
金の為に殺して、殺して、殺し回った
私の二つ名、と言うか通り名を聞いたのは満月の風が吹き荒れる時だった
モブ
冷酷の亡者、実に厨二臭く絶妙にダサい名だと思う
だがその名の由来を聞いたら確かにそうだと思った
人を人と思わず、ただのゴミの様に見る目 殺す事を躊躇しない 殺したやつの財布から金を盗む
まぁダサいが我慢した、聞くだけで鳥肌立つが我慢した
ある時、日本にある組織のボスの殺害依頼が来た
報酬は十万ドル、もちろん請け負った
だがそれは罠だった
組織のボスは海外へと活動を広げる計画をしていた
そこで私に注目が行った
私が殺害した人にはある特徴があった
一 裏社会の人間 二 金を持っているやつ 三 組織のボス
やつは自身が殺されることに恐怖し、私に自身を殺すよう依頼した
依頼人との待ち合わせ場所、そこで私を殺す計画だった
私は特に疑いもせずそこへ向かった
そして罠に掛かり、蜂の巣にされる寸前で逃げた
弾丸は何発か貫通し、何発か体内に残っていた
とりあえず、出来る限り弾丸を手で抉り出した
意識が飛びなりながらも痛みで意識は覚醒する
大量に血を流し、ついに意識を途絶えそうになる
そこで走馬灯が見えた
母が死ぬ所を見た
父が撃ち殺されるのを見た
弟が餓死するのを見た
友が病で死ぬ所を見た
ターゲットが死ぬ所を見た
ペットが蹴り殺されるのを見た
虫が食い殺される所を見た
友を殺す所を見た
私が
死ぬ未来を見た
指先が冷たくなるのを感じた
死ぬ実感が湧かなかった
ターゲットはなぜ死を恐れるのかが、分からなかった
ドクドクと撃たれた箇所に熱が籠る
寒さで手は震えるのに、全身が熱かった
心臓の鼓動が強くなるのを感じた
口から、鼻から、目から、腹から、腕から、足から
血が出てくる
視界が少しずつ白くなるのがわかった
痛覚がなくなっていくのがわかった
口から鉄の味がしなくなるのがわかった
血生臭い匂いがなくなるのがわかった
心臓の鼓動を弱くなるのがわかった
最後に
母に、父に、弟に
皆と一緒のベッドで眠りたかった
もしも生まれ変われたら、こんな殺伐とした世界ではなく
日本のような、平和な国で安全に暮らしたかった
だが、私は死ななかった
??
白衣を着た、やつれた男
井上義彦
井上義彦
井上義彦
井上義彦
井上義彦
最初は平和ボケした闇医者だと思った
人を見捨てられない、お人好し
敵意はなかったから素直に従った
井上義彦
おんぶなんて、されたことがなかったから最初は戸惑った
井上義彦
傷が開くし痛いのは嫌なので大人しく従った
井上義彦
麻酔なしで傷口を縫った時は本気で殺意を感じた
こいつは私を殺す気なのだと……
井上義彦
井上義彦
人生最初の恋だ
勿論私は最初何かの病気か死ぬ前の前兆かと思った
恋とか知らなかったから
井上義彦
井上義彦
井上義彦
キラリと光る指輪
首に掛けてある名刺入れには「井上 Celina(いのうえ セリーナ)」と書かれている
井上義彦
井上義彦
井上義彦