拓斗
ごめん風邪引いた
拓斗
ゲホッゲホッ
彩音
拓斗大丈夫?
彩音
今日は土曜日だしゆっくり休んでよ
彩音
ゼリーとか買ってくるからさ
拓斗
ありがと
拓斗
彩音ごめんな、、、
拓斗
せっかくの土曜日なのに
彩音
大丈夫だよ
彩音
それより今は治すことに専念しよ?
拓斗
うん、ごめん
拓斗
ほんとに彩音って優しいよな
拓斗
そういうとこ大好きだよ
彩音
ありがと
優しい、、、か
彩音
優しい、、、か
拓斗に言われたことを思わずつぶやく
私は優しいんだろうか
優しいって、、、なに?
拓斗といると楽しい
でも、怖い
「思ってたのと違った」
中学生のあの日振られた言葉
それは今も私を縛り付けている
「優しい」
「性格がいい」
「仕草が可愛い」
ごめん拓斗
キラキラしてるはずのその言葉に
怯えてしまって
私は中学生の時から止まってるの
感情とかいらなかった
高校生が1番楽しかった
彩音さん!
彩音
な、なに?
あの、ずっと彩音さんの事見てて
みんなに優しいしいつも明るくて
すごくいいなって思ってて
その、、、付き合ってください!
彩音
あ、、、
「思ったより明るくなかった」
「全然優しくねーじゃん」
そんな声が聞こえる気がして
彩音
気持ちは嬉しいけど
彩音
ごめんね
そうですか、、、
あの、時間とらせてすいませんでした
彩音
ううん大丈夫
今日もやってしまった
正直言って私はモテる
でも、中学生の恋愛の記憶が
頭から消えなくて
彩音
思えばあの時私結構モテてたなぁw
彩音
高校生活で8人くらいに告白された気がする
彩音
ははw
彩音
はぁ、今日も学校疲れたなあああああ
春樹
あの、彩音さん!
彩音
なあに?
春樹
好きです!
彩音
え、、、
彩音
ごめん気持ちは嬉しいけど、、、
そう言いかけてやめた
彩音
私の何が好きなの?
春樹
、、、
春樹
顔です
彩音
え?
春樹
僕は貴方の顔が大好きなんです
春樹
ととのった鼻筋
春樹
美しい平行二重
彩音
え?え?ちょっと待って
彩音
性格は?
春樹
失礼かもしれないけど、あんま知らないです
彩音
じゃあほんとに顔だけ?
春樹
はい
春樹
もう顔がめちゃくちゃタイプです
彩音
えほんとに?
春樹
はい
春樹
まぁ付き合ってもらえるとは思ってないけど
春樹
僕のこと意識してくれたら僕の方向いてくれる機会増えるかなって
彩音
いいよ
春樹
え?
彩音
付き合おうよ
春樹
いいんですか?
彩音
ただ私性格悪いよ
春樹
性格は犯罪起こさない程度であれば大丈夫です
彩音
そこは大丈夫
春樹
じゃあ付き合いましょう
彩音
うん
彩音
あの時が1番楽だったなぁ
彩音
相手の期待する性格に合わせる必要もなく
彩音
存在するだけで愛して貰えた
彩音
別れちゃったけど
彩音
おじゃましま〜す
春樹
まぁ適当にくつろいでよ
彩音
部屋の中なんもないね
春樹
欲しいものとか特にないし
彩音
無欲だなぁw
春樹
それに俺ここを出てくしね
彩音
え!?
春樹
俺卒業したら東京の会社に就くから
彩音
え!?じゃあ私はどうなるの?
春樹
別にどっちでもいい
春樹
卒業したら別れる?
彩音
あ〜じゃあそうする?
春樹
了解
彩音
今考えてみると2人ともめっちゃドライだなぁ
彩音
絶対別れ話のテンションじゃないw
彩音
春樹とが1番楽しかったのになんか未練がないんだよなぁ
彩音
でも顔面を愛してくれてそれを私に言ってくれたのは春樹だけだったなぁ
彩音
さて!
彩音
拓斗のゼリー買って帰るか!
私が「優しい人」でしたらずっと愛してくれるでしょ?