テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌日。
アイリス
私はいつもより少し早く店に立っていた。 今日はアルディラ様が貸し切りで来店される日。 店内は朝から磨き上げられ、ガラスケースはいつも以上に輝いている
店長
アイリス
本当は少しだけ胸がそわそわしている。 理由はアルディラ様の来店だけじゃない
アイリス
昨夜のことを思い出し、指先がむずがゆくなる
アイリス
そのとき、 コン、と重厚な音が響き 店の扉が開く
私は深く一礼した
アイリス
アルディラ
店長
アルディラ
アイリス
豪奢な衣装、気品ある佇まい。存在だけでこの場の空気を圧倒する。
だが、そんな空気はアルディラ様の後に着いてきた彼の行動で一瞬にして溶けてしまった。
ノア
アイリス
アルディラ
ノア
???
ノア様の後ろにいた緑髪の青年がノア様と私の間に入る。彼も確かグリームの一員…。
???
彼は私を見つめた
アイリス
???
アルディラ
ラルド
ノア
ラルド
アイリス
グリームの一員。ラルド・エメリルダ様はぴしゃりと、ノア様に言い切った
ノア
ノア様は両手をあげた。
アイリス
思わず心のなかで首をかしげてしまう
アルディラ
穏やかな笑い声。アルディラ様がこちらを見ていた
アルディラ
アイリス
アイリス
思わず本音がこぼれてしまいあわてて口をおさえる
けれどアルディラ様は気を悪くする様子もなく、ゆっくりと店内を見渡した
アルディラ
アイリス
アイリス
アルディラ
アイリス
アルディラ
アルディラ様の手が、ひとつの宝石の上で止まる。 透明な水晶。 飾り気のない、ただ澄んだ石。
アルディラ
アイリス
アルディラ
アルディラ様が水晶を手に取った、その瞬間。 ……きらり。 一瞬だけ、光が揺れた
アイリス
ラルド
ラルド様からものすごい視線を感じる。
宝石でなく、アルディラ様でもなく私をじっと見ている。
ノア
ラルド
ラルド様は小さく首を振る。 けれどその瞳は、明らかに何かを測っていた
ラルド
アイリス
ラルド
アイリス
ラルド
空気が変わる。 質問の意図はわからない…。 けれど、まるで心の奥を覗くような……
アイリス
自然と言葉が出た。 飾らずに。 取り繕わずに
アイリス
ラルド
ラルド様の瞳がわずかに揺れた
ラルド
それだけ。それだけなのに。 なぜか、胸がどきりとする
アルディラ様が水晶を静かに置いた
アルディラ
アイリス
アルディラ
店長
それからアルディラ様は店内をしばらく見て回り、いくつかの宝石を購入した。
アルディラ
アイリス
アルディラ様はグリームの二人を連れて、ゆっくりと店を後にした
……はずだったのだが
ノア
アイリス
勢いよく扉が開き、ノア様がひょこっと顔を出す。
アイリス
ノア
そう言って、彼は私の前まで歩み寄る。 手にしていたのは、上質な紙でできた便箋
ノア
アイリス
ノア
アイリス
思わず一歩引く。 けれど。
ノア
声色が、少しだけ変わった。 さっきまでの軽さとは違う。 まっすぐで、真剣な響き
その瞳に見つめられた瞬間―― なぜか、拒めなかった。 私はそっと便箋を受け取る
アイリス
ノア
途端に、いつもの笑顔に戻る
ノア
アイリス
アイリス
ノア
にやり、と悪戯っぽく笑う
ノア
聞き返す前に、ノア様は軽やかに去っていった。 再び、静かな店内。 私は手の中の便箋を見つめる。 金の封蝋が押されている。 見覚えのある紋章。
店長
アイリス
胸が、妙に騒がしい。便箋は、まだ開いていない、けれど。 なぜか確信している。 これは―― 「ただの“お礼”じゃない気がする」と