テラーノベル
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仕事から戻った4人は、それぞれがどこか殺気立っていた
蓮はスーツのままソファに腰を下ろすと、黙って煙草に火をつける
零斗は冷蔵庫を乱暴に開け、水のペットボトルを一気にあおる
龍牙は珍しく無言で、朔矢でさえ、ソファに寝転がって天井を睨みつけたままだ
麗央
麗央が控えめに声をかけると、最初に反応したのは零斗だった
零斗
その一言に、空気が凍った
(……え?)
小さく目を見開く麗央
零斗の言い方は、明らかに苛立ちの矛先を自分に向けたものだった
麗央
不安を押し殺して聞き返すと、今度は朔矢が舌打ちした
朔矢
麗央
胸にズンと重いものが落ちてくる
怒鳴っているわけじゃない。けど、その“無視と突き放し”が何より堪えた
(……なんで?何かした?)
目の奥が熱くなる
麗央
絞り出すように呟いて、麗央はその場を離れようとした
けれど――その瞬間、足が止まる
涙がこぼれ落ちた
麗央
震える声。唇を噛みしめながらも、ぽつりぽつりと言葉があふれ出す
麗央
麗央
麗央
ぐしゃぐしゃに泣きじゃくる麗央の声が、部屋の中に響いた
丸まった背中が小刻みに震え、目元を拭う手は止まらない
言葉にならない嗚咽のたびに、4人の顔色がみるみる変わっていく
龍牙
最初に動いたのは龍牙だった
ポケットのタバコを雑に戻し、溜め息を吐く
眉間をしかめながらも、スッと近寄ってしゃがみこむと、
龍牙
その言葉と一緒に、少しぎこちなく頭を撫でる
龍牙
蓮
続いて蓮が優しく声をかけた
腕を広げると、麗央は躊躇いながらもその胸にしがみつく
蓮
蓮の声は低く落ち着いていたが、その瞳には後悔が滲んでいた
蓮
麗央の背をゆっくりとさすりながら、ぽつりと呟く
朔矢
朔矢が重たい空気を割って声を落とす
さっきまでの余裕ぶった態度はすっかり消えていた
朔矢
朔矢は頭をぐしゃっと掻きながら、近づいてきて、頬に指先を添える
朔矢
へらっと笑うが、その目は真剣だった
そして、最後に――
零斗が、ひょこっと近づいてきた
言葉はないまま、手に持っていた缶ジュースを差し出す
麗央
麗央が泣きながら顔をあげると、零斗はそっと目を逸らしながら、小さく呟いた
零斗
それだけ言うと、ぽすんと麗央の隣に座って、肩を預けるようにもたれかかった
照れ隠しなのか、頭の後ろで手を組みながら
零斗
零斗
――4人がそれぞれのやり方で、静かに、けれど真剣に謝る
そして、ようやく麗央の涙が、すこしだけ止まった
麗央
鼻をすすりながら、ぽつりと呟いたその一言に、全員がほっと息をつく
朔矢
朔矢が冗談めかして言うと、麗央はむくれて顔を隠した
もう泣いていない
けれど、全員の腕が、そっと麗央のまわりに集まっていく
まるで、もう二度と放さないとでも言うように――
だいふく
だいふく
コメント
20件
また、可愛いところが見れた…♥
零斗の照れ隠しの所 かーわーいーいー💖 尊い!好き!❤️
だいすきだす