亜久斗
クトゥルフ神話TRPG

亜久斗
キルキルイキル

亜久斗
始めさせていただきます

亜久斗
よろしくお願いします

亜久斗
さて、長い長い秘匿が始まります

亜久斗
秘匿が終わるまでは何があっても外に出ることはできません

亜久斗
それでは、瑞月さんの秘匿に移りましょう

蓮月 瑞月/カミヅキ
…はい、

亜久斗
では、始めます

亜久斗
扉を開けるとそこは

亜久斗
いつかあなたが訪れた総合病院の診察室になっていました

蓮月 瑞月/カミヅキ
え!?

亜久斗
あなたの部屋の扉はちょうど病院の待合室から診察室へと入室するための扉に置き換わっているようです

亜久斗
こじんまりとした診察室の中にはあなたが座るべき丸椅子と医者が座る椅子が向かい合わせに置かれています

亜久斗
周囲の壁や物に触れることはできず、まるで幽霊のようにすり抜けてしまうでしょう

亜久斗
えー…

亜久斗
どうしますか?

蓮月 瑞月/カミヅキ
どうしますかって何…?

蓮月 瑞月/カミヅキ
えーちょっと待って…

蓮月 瑞月/カミヅキ
そうだなぁ…すぐに扉開けようとするかなぁ…

亜久斗
開かないですね

蓮月 瑞月/カミヅキ
デスヨネー…

蓮月 瑞月/カミヅキ
『…んだ、これ…』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『夏樹!夏樹聞こえるか!?夏樹!!』

亜久斗
返事はありません

蓮月 瑞月/カミヅキ
うーん…マジか…

蓮月 瑞月/カミヅキ
じゃあとりあえず丸椅子座ろうかな…?

亜久斗
わかりました

亜久斗
では、瑞月さんが丸椅子に座ると程なくして白衣を着た医者らしき男が現れるでしょう

亜久斗
それは間違いなく以前あなたが診察を受けた医者、なのですが…

亜久斗
その顔にはなにやら靄のようなものがかかっていて、しっかりと見ることはできません

亜久斗
例の写真の顔を思い出せなかったのと同じように、あなたの記憶から抜け落ちてしまっているようです

蓮月 瑞月/カミヅキ
『ッ……、!?』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『なんなんだよ、これ…!』

亜久斗
医者は入室するとあなたの向かい側に腰かけ、あなたに向かって話し始めます

亜久斗
__『あー、蓮月瑞月さん』

亜久斗
『診察の結果が出ました…驚かずに聞いてくださいね』

亜久斗
『あなたには解離性同一性障害…いわゆる多重人格症の疑いがあります』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『はぁッ…!?』

亜久斗
あなたはその一言でそれが先日訪れた診察室での追体験であることに気づくでしょう

亜久斗
目の前の医者は、変わらず淡々とあなたに向かって話を続けます

亜久斗
『えー…あなたがお話ししてくださったお友達の…高嶺 夏樹さん、ですが』

亜久斗
『あー、彼はすでに亡くなっておられます』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『……、え?』

亜久斗
『あなた方が10歳の頃行方不明になってから戻られていないのです』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『は…?なつ、き、…?』

亜久斗
『おそらくあなたはそのショックから夏樹さんの人格をあなたの中に作り上げてしまったのでしょう…』

亜久斗
『あなたは、…あなたたちはそのことに気づかないまま今日まで』

亜久斗
『互いが互いを存在しているものであると認識して生きてきた…』

亜久斗
『…そのせいで、あなたの脳には甚大な負担がかかってしまっているようなのです』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『…う、ぅうそだ、』

亜久斗
『おっしゃっていた頭痛ですとか、記憶の混濁ですとか…』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『ちがう、夏樹は、生きて…』

亜久斗
『そういった症状はおそらく今日まで2人分の人生を処理してきた脳に限界がきてしまったために表れた症状なのでしょう…』

亜久斗
『そのまま放っておけば症状は進み、あなたという人格は消えてなくなってしまうかもしれません』

亜久斗
『…これ以上そのお身体で2人分の人生を処理することは不可能です』

亜久斗
『……、』

亜久斗
『大変申し上げにくいことなのですが…』

亜久斗
『どちらかの人格を消さなければ…』

亜久斗
『あなたも彼も、消えてしまうことになるでしょう』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『……、』

亜久斗
『…あー、』

亜久斗
『近く、あなたは潜在意識の中で高嶺 夏樹さんに会うことがあるかもしれません』

亜久斗
『その時が、話し合う最後になるかもしれない』

亜久斗
『あなたがあなたとして生き続けたいのであれば…無慈悲なことを申し上げますが、あなたの中の夏樹さんを殺してしまうほか無いでしょう』

蓮月 瑞月/カミヅキ
『…な、ぁ、なつ、き…』

亜久斗
『…んぁー…』

亜久斗
『…まぁ、あなたが』

亜久斗
『あなたがそれでも、…このままでは2人とも消えてしまうことがわかっていても』

亜久斗
『それでも2人で生きたいと願うのであれば』

亜久斗
『すべての事実を伝え、双方が納得することが大切です』

亜久斗
『相互に理解することで、脳への負担はわずかながら軽減されるでしょう…』

亜久斗
『ですが忘れないでください』

亜久斗
『2人で生き続ければ、あなたたちは遠からず、2人とも死んでしまいます』

亜久斗
『これは、決して逆らえない事実です』

亜久斗
『…私からお伝えできることは以上となります』

亜久斗
『もう少し早く訪れてくださっていれば処置のしようもあったのですが…』

亜久斗
『誠に申し訳ございません』

亜久斗
…医者はそう言って頭を下げると、椅子から立ち上がり扉の外へと消えていきました

亜久斗
呼びとめようとしても、あなたの手は医者の身体をすり抜けてしまう

亜久斗
自分たちの境遇について真実を知ってしまったあなたはSAN値チェックです

蓮月 瑞月/カミヅキ
…もぉ~…なんなんほんま…

蓮月 瑞月/カミヅキ
SAN値チェック→失敗

蓮月 瑞月/カミヅキ
ぅあ、

亜久斗
では1d6の減少です

蓮月 瑞月/カミヅキ
1d6→4

蓮月 瑞月/カミヅキ
っぶね…

亜久斗
あと1減少させてたら狂気ロールでしたね

亜久斗
……チッ

蓮月 瑞月/カミヅキ
ちっ!?

蓮月 瑞月/カミヅキ
38→34

亜久斗
では、もう1つダイス処理がありまして…

亜久斗
医者が出ていくときアイデアの半分で振ってもらっても良いですかね

蓮月 瑞月/カミヅキ
はーい

蓮月 瑞月/カミヅキ
アイデア→成功

亜久斗
お、良いですね

亜久斗
では、医者が診察室を後にする間際、一瞬医者の顔を思い出すことができるでしょう

亜久斗
靄の晴れたその向こうにあったのは、

亜久斗
薄ら笑みを浮かべる白髪交じりの老紳士であった

蓮月 瑞月/カミヅキ
あ!?

亜久斗
それは、あの日、あの山の中で幼いあなたたちに声をかけたあの奇妙な男によく似た顔をしていました…

蓮月 瑞月/カミヅキ
ど、ど、え?

蓮月 瑞月/カミヅキ
どゆこと…?

亜久斗
何か質問などございませんか?

蓮月 瑞月/カミヅキ
いやまぁ質問したいことしか無いけど…

蓮月 瑞月/カミヅキ
大丈夫かな、とりあえずは…

蓮月 瑞月/カミヅキ
このまま2人でいたら死んでしまう、と…?

亜久斗
そうです

亜久斗
能の処理が追い付かなくなり、脳が崩壊してしまうでしょうねぇ…

蓮月 瑞月/カミヅキ
マジかぁ~…

亜久斗
どちらかが生き残るためには

亜久斗
どちらかを殺してしまわないといけませんね

蓮月 瑞月/カミヅキ
…地獄かよ…

亜久斗
それではこれで瑞月さんの秘匿は終了となります

高嶺 夏樹/あると
ただいまでーす

蓮月 瑞月/カミヅキ
…あるとさん、僕は真理を知りました

高嶺 夏樹/あると
……、???

亜久斗
ッ゛……www

亜久斗
それでは次は夏樹さんの秘匿となります

亜久斗
心の準備はよろしいですか?

高嶺 夏樹/あると
…はい!

亜久斗
ではいきましょうか

亜久斗
では始めましょうね

亜久斗
えー、あなたは闇の中に消えていった瑞月さんを待っているわけなんですけども…

高嶺 夏樹/あると
いや、絶対待つんだよな夏樹は…

高嶺 夏樹/あると
そんで…そうだなぁ…

亜久斗
まぁ待てど暮らせど瑞月さんは出てきませんね

高嶺 夏樹/あると
うーん…

高嶺 夏樹/あると
じゃあ…部屋行ったほうが良い感じですかね…?

亜久斗
お好きにどうぞ

高嶺 夏樹/あると
そのいけしゃあしゃあな感じ怖いんだよな…

亜久斗
…まぁ部屋行ってくれないと進まないんですよね

高嶺 夏樹/あると
だよなー…

高嶺 夏樹/あると
じゃあビビりつつ行きますかね

高嶺 夏樹/あると
『こ、…怖くない、怖くない…』

高嶺 夏樹/あると
『じ、自分の部屋だもん…うん、きっとそう…』

高嶺 夏樹/あると
扉を開けます…

亜久斗
では、始めましょう

亜久斗
扉を開けると、見覚えのない無機質な部屋になっていた

亜久斗
足元に敷き詰められた緑色のタイル以外は部屋に立ち込める異様な闇のせいで入口から部屋すべてを視認することは不可能です

亜久斗
夏樹さん、あなたが部屋に一歩足を踏み入れるとすぐさま視界が暗転し、その場に倒れてしまうでしょう

高嶺 夏樹/あると
うぇ…やな感じ…

亜久斗
遠くで扉が閉まる音だけが耳に響きました

亜久斗
__程なくして、瞼を閉じてもわかる眩い光で目を覚まします

亜久斗
あなたは見慣れぬ手術台に横たわっており、その目を刺した光は手術台についている照明のようです

亜久斗
周囲には生臭く鉄臭い、湿気を帯びた嫌な臭気が漂っています

亜久斗
あなたはその身を起こしたところで気づくでしょう

亜久斗
自分の身体が幼い子供の姿に縮んでしまっていることに

亜久斗
手術台のわきに置かれた金属製のワゴンに映るあなたの姿は

亜久斗
…幼い、「蓮月 瑞月」の姿であった

高嶺 夏樹/あると
…は、?

高嶺 夏樹/あると
夏樹でなく?

亜久斗
割れるような頭痛に頭を触れば、その指先にはぬるりと赤い血液が付着します

亜久斗
あなたはこの光景に見覚えがある

亜久斗
あなたは幼いころ、この光景を目撃したことがあるはずです

高嶺 夏樹/あると
噓でしょ…?

亜久斗
そこで、あなたは気づくでしょう

亜久斗
これは幼い日の追体験であることに

亜久斗
…幼い瑞月さんの姿をしたあなたは、その身体の自由が利かずただその身体でかつての記憶を目撃しているだけにすぎないようだった

亜久斗
…えー、…

亜久斗
周囲を見渡せば、あなたが眠る手術台の横にもう一台手術台が置かれています

亜久斗
そこにもう1人、誰かが眠っている

高嶺 夏樹/あると
あー…

亜久斗
おそるおそる近寄れば、

亜久斗
…それは幼い日のあなたでした

高嶺 夏樹/あると
ですよね、…

亜久斗
力なくだらりと垂れた腕

亜久斗
見開かれた目

亜久斗
血の気の引いた皮膚

亜久斗
そして、

亜久斗
…ぽっかりと穴の開いた頭部

高嶺 夏樹/あると
お、ぅえ…?

亜久斗
幼いあなたの頭蓋は無残にも割り開かれ、その内側にあったはずの脳髄もすっかり取り除かれてしまっていました

高嶺 夏樹/あると
ぐっ…ろ…

亜久斗
確認するまでもなくあなたは気づいてしまいます

亜久斗
…そこにいる幼い自分がもう生きてはいないことに

亜久斗
幼い自分の無残な死体を目撃したあなたはSAN値チェックです

高嶺 夏樹/あると
もうすでに地獄なんですけど…

高嶺 夏樹/あると
SAN値チェック→成功

亜久斗
お、では1d3の減少です

高嶺 夏樹/あると
1d3→1

高嶺 夏樹/あると
おぉっ!

亜久斗
おぉ、強い

亜久斗
では1の減少ですね~

高嶺 夏樹/あると
48→47

高嶺 夏樹/あると
いやーショッキングすぎるな…

亜久斗
…程なく

亜久斗
手術室の奥からいくつかの足音と蟲の羽音が聞こえてくるでしょう

亜久斗
男のしゃがれた酷く不明瞭な声が聞こえる

亜久斗
「…あー、片方は死んでしまった」

亜久斗
「やはり身体が幼すぎたか」

亜久斗
「1人生き残ってる、それで充分だろう」

亜久斗
「いや、それより、表れたのは脳の人格なんだろう?実験はそれで充分じゃないのか」

亜久斗
「今はそうだが…成長によって変化は起こるかもしれない。まだまだ観察せねばならないのだよ…」

亜久斗
男は誰かと会話をしながらあなたのほうへ歩み寄ります

亜久斗
そこに現れたのは

亜久斗
白衣をまとい、不愉快な笑みを浮かべた1人の老紳士であった

亜久斗
彼はあなたが起き上がっていることを確認すると、愉悦の笑みを浮かべながらこう語り掛けるでしょう

亜久斗
「やぁ、おはよう夏樹くん」

亜久斗
「君が無事で何よりだ」

亜久斗
「ぁー…安心しなさい、君はちゃんとお家に帰してあげるからね」

亜久斗
「あぁそうだ、友人も帰してあげようねぇ」

亜久斗
「入れる予定だった身体が死んでしまったから代わりの入れ物に入れておいてあげたよ、まぁ会話くらいはできるだろう」

亜久斗
そう言って彼はあなたに向かって金属製の大きな円筒を差し出します

亜久斗
円筒状の物体からはこぽこぽと泡立つような水の音に合わせて人のうめき声のようなものも聞こえます

亜久斗
それは

亜久斗
「苦しいっ…助けて…出して…!」

亜久斗
と、哀願する幼い瑞月さんの声であった

高嶺 夏樹/あると
うわ最っ悪…

亜久斗
__えー、その後ですが

亜久斗
あなたはあのタイムカプセルを埋めた裏山に立ちすくんでいました

亜久斗
どうやってそこに戻ってきたのかは定かではありませんが、そのあとすぐさま周囲を捜索していた警察に発見され、保護されるに至ります

亜久斗
その腕に、金属製の円筒を抱えて

亜久斗
えー…幼い日のあなたは自らの身に起こった出来事を理解することができず

亜久斗
また、そのあまりに残酷な事実を直視することもできず

亜久斗
その記憶を封印してしまっていたようです

亜久斗
家に帰ったあなたは持たされた円筒体そのものを瑞月さんだと思い込むようになりました

亜久斗
そこに親友はいる、そう思い込むようにしていたのです

亜久斗
毎日毎日その円筒体と会話をしていたあなたでしたが、日が経つにつれその円筒体から発せられる声は弱々しいものとなっていきます

亜久斗
そのころ

亜久斗
あなたの脳には瑞月さんの人格が形成されつつありました

亜久斗
幼いあなたは自らの中に生まれた人格を本物の友人だと錯覚するようになります

亜久斗
そうして友人の代替品であったあの円筒体をそのすべての記憶とともに家にあった金庫に封じ込め、鍵をかけました…

高嶺 夏樹/あると
うぇ゛…重い重い重い…

高嶺 夏樹/あると
アフリカゾウなみに重たい…

高嶺 夏樹/あると
まずいリアルSAN値削れそう…

亜久斗
はい、まだまだ続きますよ

高嶺 夏樹/あると
鬼…

亜久斗
ここでシーンは切り替わります

亜久斗
気が付けばあなたは暗い診察室の椅子に座っています

亜久斗
そこは最近訪れたことがあるような見覚えのある診察室でした

亜久斗
目前には白衣をまとった老紳士が向かい合うように座っています

亜久斗
それはあの日、あの手術室で、あなたに笑いかけた男であった

亜久斗
「あー、久しぶりだねぇ夏樹くん」

亜久斗
「元気そうで何よりだ」

亜久斗
「君たちのおかげで私の研究は一歩前進したよ、協力してくれてありがとう」

亜久斗
「私は…私たちはねぇ、人の心について研究しているのだ。それは長らく人の脳に宿るものだと考えていたが…実際のところはそれが事実かどうか判明していなくてね」

亜久斗
「だから試すことにしたのだ。人間2人の脳を入れ替え、その身体に表れる人格がどちらのなるのかを」」

亜久斗
「結果、その身体に表れたのは君の人格だったわけだが…」

亜久斗
「時間とともに変化することもあるかもしれないと思ってね、しばらく様子を見させてもらったんだよ」

亜久斗
「するとどうだ、君の中には失われていたはずの瑞月くんの人格まで生まれた」

亜久斗
「それはその身体に宿った記憶から生まれたものなのか、それとも君が作り出してしまった偽物の人格なのかどうかは結局分からず終いだが…」

亜久斗
「だがこれは凄い発見なのだよ」

亜久斗
「いやーこれで次の実験に進むことができる」

亜久斗
「君には感謝しているよ夏樹くん…笑」

亜久斗
「あぁいや、瑞月くん…なのかな?」

亜久斗
「最近はもう瑞月くんとしての人格が強くなっているようだねぇ」

亜久斗
「長く持ったほうだったが、もうその脳みそも限界のようだ」

亜久斗
「人間の矮小な脳では2人分の人生を処理しきれなかったようだねぇ、損傷が激しい」

亜久斗
「程なく君たちの人格はどちらも消えてしまうだろう」

亜久斗
「あぁ~…回避するためには…どちらかの人格を消してしまう他無いだろうね」

亜久斗
「もったいない話だけれど、そのままその人格をその入れ物に入れておくことはできない」

亜久斗
「近く、君たちの脳が崩壊する直前にその潜在意識の中で瑞月くんと会うことができるかもしれない」

亜久斗
「そこで話し合うと良い」

亜久斗
「君と瑞月くん、どちらが残るのか」

亜久斗
「すべてが終わる前に瑞月くんを殺してしまうと良いだろうねぇ」

亜久斗
「それはもともと、君の脳なんだから…」

亜久斗
「君が生き残るべきだと私は思うよ」

亜久斗
「…瑞月くんを殺したいのならば、刃はいらない」

亜久斗
「ただ、現実を突きつけてやれば良いんだ」

亜久斗
そう言うと男はおもむろに一本の鍵を出し、夏樹さんに手渡しました

亜久斗
「君の封じられた記憶を取り戻す鍵だ」

亜久斗
「あの金庫を開け、その中にある本物の瑞月くんを見せてやれば良いのだよ」

亜久斗
「そうすれば君の中にある瑞月くんの人格も、すべて思い出すことができるだろう」

亜久斗
「自分が偽物だと知れば彼の人格は、君が手を下すまでもなく消えていってしまうだろう」

亜久斗
「……、」

亜久斗
「あー…」

亜久斗
「それでも」

亜久斗
「それでも2人で生きたいと言うのならば…」

亜久斗
「よく話し合うことだ」

亜久斗
「そのままの生活を続ければ間違いなく君たちは消えて行ってしまうけれど」

亜久斗
「互いがそれを認めるならばわずかながら崩壊の速度は抑えられるだろう…」

亜久斗
「でもー…そうするのであれば、今日思い出したことは決して瑞月くんに話してはいけないよ」

亜久斗
「知れば瑞月くんは消えてしまうからねぇ…」

亜久斗
「さ、好きな未来を選ぶと良い」

亜久斗
「安心しなさい、今後君たちがどうなろうと私はもう関与しない」

亜久斗
「存分に残りの人生を謳歌すると良いだろう」

亜久斗
そう言って男は盛大に笑い声をあげると椅子から立ち上がり、背後にあった扉へ向かいます

高嶺 夏樹/あると
きっしょなんやこのじじい…

高嶺 夏樹/あると
えーっと、今瑞月㏌夏樹ってことですよね?

亜久斗
そうですね

亜久斗
さて、どうしますか?

高嶺 夏樹/あると
なんかできることあるんですか?

高嶺 夏樹/あると
追体験?でしたっけ…?

亜久斗
そうですね…

亜久斗
男に殴りかかっても良いですし…

亜久斗
金庫の鍵をどうするかもあなたの自由です

高嶺 夏樹/あると
…じゃあ

高嶺 夏樹/あると
鍵を、机に置いていきます…

亜久斗
…本当に、良いんですね?

高嶺 夏樹/あると
はい、

亜久斗
それでは、すべての真実を思い出してしまったあなたはSAN値チェックです

高嶺 夏樹/あると
ぅ゛…

高嶺 夏樹/あると
SAN値チェック→失敗

高嶺 夏樹/あると
Oh

亜久斗
では1d6の減少です

高嶺 夏樹/あると
1d6→6

高嶺 夏樹/あると
Oh!

高嶺 夏樹/あると
47→41

亜久斗
うっわ6か…

亜久斗
相当ビビったんでしょうね

亜久斗
それではアイデアをお願いします

高嶺 夏樹/あると
アイデア→失敗

高嶺 夏樹/あると
ぃやったぁぁぁぁ…!

高嶺 夏樹/あると
勝った…!

亜久斗
それでは発狂は無しですね~

亜久斗
強いなぁ…チッ…

高嶺 夏樹/あると
舌打ちやめましょうよ…

亜久斗
それではあなたは失意のままダイニングに戻るでしょう

亜久斗
秘匿終了です

蓮月 瑞月/カミヅキ
ただいま~

高嶺 夏樹/あると
カミヅキさん…僕も真理を手に入れました…

蓮月 瑞月/カミヅキ
マジか…

亜久斗
えー…

亜久斗
あなたたちが診察室の扉をくぐるとそこはルームシェアしている部屋のリビングです

亜久斗
リビングダイニングは先ほどよりさらに崩壊が進んでおり、天井からはぱらぱらと粉が降ってきて、壁にほとばしったひびは亀裂を生みすぐにでも割れてしまいそうです

亜久斗
あなたたちには今後どうしていくかをじっくり話し合ってもらいます

亜久斗
自分の脳の様子を描いたこの部屋の中で、あなたたちは何を思うでしょうか

亜久斗
何を口にするでしょうか

亜久斗
どんな結論を出すでしょうか

亜久斗
その結論に良い悪いはありません

亜久斗
…さて、話し合いを始めてください

今から投稿する秘匿用チャプターに簡単にで良いので書いてください
どうしてその結論を出したかの理由も書いてくれると嬉しいです
お2人の返答を受け取り次第第十二話を執筆いたします